ロッテからポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指す佐々木朗希投手(23)の代理人ジョエル・ウルフ氏(54)が12月30日(日本時間31日)、日米メディアに対し、オンライン会見を行い、交渉経過と今後の予定を語った。20球団がプレゼン資料を送付。米ロサンゼルスの代理人事務所で8日間にわたり、各球団の所属選手を入れずに数チームと面談したという。契約は1月15~23日(同16~24日)になるとの見通しも示した。
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ロサンゼルスの代理人事務所ワッサーマンには、20球団からプレゼンテーション材料が届いた。「まるで朗希映画祭だった」とウルフ氏。資料、映像、パワーポイントなど「とてもユニークで非常に作り込まれた文書などが用意されていた」と熱意を感じた。中には製本した球団まであったという。ここから佐々木自身が選んだ数球団と、8日間かけて面談に臨んだ。
面談した球団名や数は明かさなかった。米メディアによるとドジャース、ヤンキース、メッツ、カブス、ジャイアンツ、レンジャーズに加え、この日、サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙が「パドレスも面談した」と7球団目を伝えた。一方でフィリーズ、タイガース、レッドソックスは面談に進めていない。
面談には佐々木の意向で、条件がつけられた。公平を期すために、すべて代理人事務所で2時間以内。GMら編成担当者、監督、投手コーチ、バイオメカニクスやトレーニングのスタッフらが出席したが、大谷(ドジャース)ダルビッシュ(パドレス)らが有力視されていた、各球団の所属選手は同席が認められなかった。だが、一部のチームは映像のプレゼンテーションに1~2選手を登場させたという。
面談の前に、佐々木は各球団に「宿題」を課していた。投球および投手としての育成プランだ。ウルフ氏は「ロウキは投手育成に非常に興味を持っている。成長のために短期的、長期的にどのようなサポートがあるのか。日本人選手が所属しているかどうかは、あまり考慮していないようだった」。世界最高の投手になれる環境を重視し、金銭面や大型契約の可能性には執着していない模様だ。
佐々木は年明けに再渡米し、球団を絞り込むが、本拠地を視察する可能性もある。契約は1月15~23日となる見通し。今後も1、2球団と追加の面談を行う可能性もある。
○…佐々木の球団選定基準に「市場規模」が含まれていないと、ニューヨークのテレビ局SNYが伝えた。同局のマルティノ記者に対し、代理人のウルフ氏が「市場規模は選手の決断要因にならない」と話した。ウインターミーティング中に同氏は、マスコミの重圧が少ない小規模マーケットの方が有利になるかもしれない、という見解を示していた。これまで面談が明らかになった7球団中、パドレスを除く6球団が大規模市場に位置している。
○…佐々木の代理人ウルフ氏が、プロ5年目でポスティングを認めたロッテに謝意を示した。「ロッテには、彼がキャリアの早い段階で夢を追い求めることを快く許してくれたことに感謝している」。さらに「ロッテのファンにとっては非常につらいことだと思う。私はZOZOマリンや他の球場で何試合も観戦しているが、ロッテのファンが日本屈指のファンであることを知っている」とファンにも言及した。