輝よ虎のジャッジになれ! 阪神OBの糸井嘉男スペシャルアンバサダー(43=SA)が14日、ほっともっと神戸で行われた子どもたちとの触れ合いイベント「THE野球盤」に参加。近大の後輩でもある佐藤輝明内野手(25)に、今季のMLBでア・リーグMVPに輝いたヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(32)級の大活躍を期待した。来春の沖縄キャンプで臨時コーチを務めることが決まっている元祖超人が、ジャッジ化計画を推し進める。
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糸井SAは冗舌だった。近大の後輩でもある佐藤輝への期待を聞かれると、待ってましたとばかりににやり。「今年のジャッジのような成績。打順によったら盗塁もするんちゃうかな」。今季MLBで打率3割2分2厘、58本塁打、144打点、10盗塁と圧倒的な数字でMVPを受賞したスーパースターの名前を出し、超ド級の期待を明かした。
「甲子園(の面積を)半分にしたらいける!」とジョークも全開。そして真顔で補足した。「なかなか甲子園で難しいけど、30発は輝にクリアしてほしいですね」。ジャッジの58本塁打の約半分、30本塁打は十分可能とゲキを飛ばした。
今季の佐藤輝は6月まで3本塁打。5月15日には登録抹消され、23日間の2軍生活も経験。それでも7月以降に量産態勢を築き、13本塁打を重ねた。糸井SAはジャッジになるための要素として「1年間、悪い時をなくす」ことと指南。「技術的には問題ない。どう1年間状態を保つか、それだけでいい」。ポテンシャルは高いだけに、調子の波さえ小さくすれば、初の30発は十分可能とみている。
ではコンスタントに成績を残すコツは? 「超人クラスじゃないと教えられないね」と笑い飛ばしつつ、極意を明かした。オリックス時代の14年に首位打者を獲得した実体験に基づき「一番大事にしていたのはシーズンオフ」ときっぱり。「休むのは1週間ぐらい。特に若い頃はやりこんだ方が後々やってよかったなと思う時期がくる」。オフの鍛錬が、好不調の波を減らす近道とアドバイスした。
佐藤輝は今秋、プロ入り後では実質初めて高知・安芸キャンプを完走した。濃密な取り組みを知るだけに「土台はできている。秋に頑張る選手は絶対に冬場で成長して一皮むけた春なる」と根拠も示して太鼓判。背番号8は現在も連日甲子園を訪れ、トレーニングを重ねている。「彼もしっかりやっていますし、球児さんも気に掛けている。それをあいつも分かっている。引っ張っていける存在になってほしい」と願った。
来春の沖縄キャンプで臨時コーチを務めることが決まっており、佐藤輝への熱血指導が期待される。「言うことないから春(キャンプ)は行かないです(笑い)。添い寝係や。俺はよしよしって子守歌でも歌ったる」。糸井節全開。かわいい後輩をジャッジにする。【村松万里子】
○…糸井氏が現役ドラフトで巨人から阪神に加入した近大の後輩・畠にエールを送った。「彼、ほんまにナイスガイやから。輝の方が後輩なのに(畠から)あいさつとか行くから」と優しい人柄を明かした。「同じ大学ということもありますし、頑張ってほしいですね。タイガースでまたひと花咲かせてほしい。頑張れハタケ!」。新・近大トリオで夢を追う。