来季は4番で年俸3億円アップ!? 阪神森下翔太外野手(24)が12日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、4000万円と大幅増の7800万円でサインした。今季は主に3番として73打点、16本塁打でチーム2冠。11月のプレミア12でも4番として勝負強い打撃でけん引した。中大の先輩で侍ジャパンでもチームメートだったDeNA牧秀悟内野手(26)の存在を強烈に意識。来季3億円アップのビッグな目標が飛び出した。
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青いネクタイを締めた森下がにやりと笑った。「来年3億アップを目指します!」。年俸3億円ではなく3億円アップ。冗談とも本気とも取れるビッグな目標に周囲はポカン。ただ、森下本人はよどみなく言葉をつなげた。
「3年目までに結果を残してチームの主軸選手になってというところがまずないと、日本代表に選ばれたりもなかなかないと思う。自分の未来を作るためには、まず3年目までしっかり成績は残さないとなと思ってます」
今季は2年目のジンクスをぶち破った。129試合に出場し、打率2割7分5厘、16本塁打、73打点で、いずれもキャリアハイ。打点はチームトップ、本塁打数も佐藤輝とチームトップタイだ。得点圏打率は3割5分1厘と勝負強さが光り、今年もペナント争いの中心にいた。
意識する存在もいる。中大の先輩でプレミア12でともに戦ったDeNA牧は、全試合4番出場を果たした3年目を終えた23年に1億1000万円増の2億3000万円で更改。来季の目標に掲げる打率3割&首位打者獲得を達成すれば「先輩超え」も夢物語ではない。3億円アップの暁には「資産運用します!」とそのイメージもバッチリだ。
8月13日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初の4番に座り、第1打席でいきなり左中間へ本塁打。侍ジャパンでは全9試合で4番に座り、13得点で今大会の最多得点も記録した。主砲大山が残留した状況であっても主軸として期待されることは間違いない。「4番へのこだわりはない」と前置きした上で「4番は注目されやすい打順。打った時は気持ちいいし、打てなかった時はたたかれたり。プレッシャーを感じるけど、それが野球。すごく面白い」と意欲を示した。
まずはスタートダッシュを決め、シーズンを通じた活躍を誓う。今季は前半戦で打撃不振に陥り、7月に約2週間の2軍降格。来季は中堅方向への安打を増やし、長打につなげる。「キャリアハイを目指すのは当たり前。一番残せるとなったら打率。それにプラスしてホームラン、打点がついてくれれば、キャリアハイは確実になる」。森下という男が口だけではないことは誰もが知っている。【村松万里子】
◆阪神3年目選手の年俸 森下の7800万円は、21年近本7500万円、23年中野7000万円を上回った。なお森下を超える年俸の選手には、15年藤浪と23年佐藤輝の各8500万円がある。
○…森下は今年の漢字に名前の1字から「翔」を選んだ。悩みながらも、力強く毛筆でしたためた。今季はプロ2年目で打率、本塁打、打点でキャリアハイ。さらにプレミア12の侍ジャパンメンバーにも選出され「飛翔(ひしょう)」の1年となった。また、ABCラジオ「ミュージックジェルム」に出演し、ここでは「変」の1字を挙げた。「2年目で変化がほしいとオフから取り組んで、シーズン終わりまで続けてきた」と話した。