＜We love baseball＞
立正大・仁田陽翔投手（1年）はよく“友達のお兄ちゃん”のニュースや動画をスマホで見る。「あ、でもどのチームに行くかは知りません」と笑う。友達のお兄ちゃんこと、ロッテからポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指す佐々木朗希投手（23）本人もたぶん、まだ知らない。
友達の佐々木玲希投手（中大1年）と一緒に野球を始めた。151キロ左腕として仙台育英（宮城）で甲子園Vにも貢献した仁田は、岩手・大船渡での小学校時代から最速111キロの天才少年。4歳年上の“朗希さん”は「もの静かで優しそうな友達のお兄ちゃん、って感じ」と映った。自身の力も認めてもらえた。進学先を決める際、公立校の大船渡高から大成した朗希からアドバイスをもらった。「私立は大変だよ」と。
「その時に思ったこと、記憶にあります。私立は出場機会も大変だけど、公立だと自分でどれだけやれるかが大事なんだろうなって。自分主体で動くって考え方もあるんだなって」
結局甲子園への思いが上回り、仙台育英を選んだ。全国優勝して大学に進み、今あらためて思う。
「朗希さんは淡々とやる人。淡々って難しいです。周りに流されそうになることもあるし。体幹トレーニングとか、地味なことは一番体にいいんですけど一番きつい。朗希さんは淡々とできるのがすごい」
大学1年目の個人練習の達成度は「70～80％くらいです」。憧れの人の高い意識を持つ姿勢を追いかけながら「どんどん遠くの存在になっていきますね」と追いつくのはなかなか大変だ。
「ちょっと言い方悪いですけど…周りの声は気にせず、朗希さんらしく活躍してほしいです」
自身も戦国東都で1部昇格に貢献→プロ入り…と夢は明確だ。【金子真仁】
