東京ヴェルディの城福浩監督(63)が9日、2024年シーズンの総括会見に臨み、6位フィニッシュについて振り返った。
「6位っていうのは、僕は昨日、選手をみんな囲んで、多分みんなを褒めたのは初めてかもしれない。おまえら胸張れ、6位だぞと」と表情を緩めた。
そして「やり続けるって本当に簡単じゃないと思う。このウォームアップが、このジャンプヘッド1つが、このダッシュが、これ何につながるんだっていうふうに思うのが普通じゃないですか。それが最後の勝ち点に繋がっていくんだというふうに。それを彼らがやり続けてくれたから」と称えた。
今季のヴェルディは誰もが歯を食いしばり、日常の練習で頭から湯気を出しながら取り組んだ。普段はあまり選手の個人名を出さない指揮官だが、「千田海人は今のヴェルディを象徴していると思います」。
さらに「僕は今年、一番に名前を挙げるとすると、松橋優安です」と松橋のことを語り出した。
「彼はユースから昇格して、ユースの10番だった選手がヴェルディでプレーできなくて、他で武者修行ということでいくつかのチームに行って、そこで結果を出せたかというと、出せない状況で迎えた今年だった。彼の立ち位置は、フィールド何人いたか正確に言えないですけど、30人いたとして30番目だったことは本人含めて誰しも認識していたような状況でした。その練習からヘディングの練習一つ、靴一足分の寄せ一つ、ダッシュのラインまで一つ、すべてに手を抜かないことを要求した中で、それをやり続け、時にはボランチ、時にはウイング、時には足りないポジションをあてがいながらというか、練習試合の3本目、4本目にこう出て、やり続ける中で確実に成長していった。彼の成長具合というのは目を見張るものがある」などと称賛した。
今季のヴェルディはハードワークという武器を付けた上に、それぞれの持ち味があった。前述した松橋について言えば、「昔は10番だったんですけど、そのスタンスが変わった。今までストロングだったところを変えられるメンタリティーを持って、我々のチームに合流した。それはいろんな選手にとって示唆に富むというか、大体、大人になったら選手は成長しないでしょとか、大体12歳の時にスキルって一番身に着くのであって、そこで選手の価値って分かるんでしょ、っていうところでないことを彼が証明した」と手放しでほめた。
この会見の後、職員らも含めたクラブ全員がスポンサーなどシーズンを支えてくれたと都内でのパーティーに臨み、さらに忘年会も。2001年の東京移転後、最高の成績を収めた緑の集団は美酒に酔いしれた。