セレッソ大阪が、J2ベガルタ仙台に期限付き移籍中のFW中島元彦(25)に復帰要請したことが4日、分かった。来季は約3年ぶりの古巣復帰の可能性が高く、日本選手の得点力不足が課題のC大阪には心強い補強になる。
C大阪下部組織出身の中島はプロ7年目の今季、J2で大ブレーク。初の年間2桁得点となる13ゴールを記録し、仙台のJ1昇格プレーオフ(PO)決勝進出に貢献した。この日の決勝こそ敗れたが両足、ヘッドでのシュート力や巧みなFK、スルーパスも駆使し、万能型ストライカーへと成長した。
22年4月に仙台へ期限付き移籍し、契約を延長し続けて3年近くがたつ。C大阪は、仙台のJ1復帰か否かの結果に関係なく、中島を呼び戻すことは今季に入った時点で決めていた。本人も了承する見通しで、近く復帰が決まりそうだ。
また、同じJ2のいわきFCに期限付き移籍しているMF西川潤(22)も、来季は4年ぶりに復帰の可能性がある。22年1月からサガン鳥栖に2年間、プロ5年目の今季は初のJ2となるいわきに移籍。今季は自己年間最多となる35試合に出場、3得点。シーズンを通して働き、いわきをPO進出まであと1歩の9位に導いた。
育成型クラブを目指すC大阪は、若手に経験を積ませるため、積極的に他クラブに期限付き移籍させる方針がある。ただ、広島のように武者修行を経て、復帰後に自クラブで一本立ちさせるような道筋がうまく描けていない。
この数年はFW加藤陸次樹(27)がサンフレッチェ広島へ、FW藤尾翔太(23)がFC町田ゼルビアへ完全移籍。将来を担う逸材の流出も続き、リーグ戦は22年が5位、23年が9位、24年が現在8位と成績も頭打ちになり、クラブの編成力が問われている。
◆中島元彦(なかじま・もとひこ)1999年(平11)4月18日、大阪市生まれ。C大阪U-18(ユース)から18年プロ契約。20年途中で当時J2の新潟へ期限付き移籍、21年C大阪復帰し、22年4月にJ2仙台へ期限付き移籍。本職はFW、MFなど攻撃的な位置だがボランチも可能。両足でのFKも武器。J1通算12試合2得点、J2通算138試合28得点、J3通算78試合19得点。171センチ、71キロ。
◆西川潤(にしかわ・じゅん)2002年(平14)2月21日、神奈川・川崎市生まれ。横浜ジュニアユースから桐光学園へ。高校3年時は特別指定でC大阪でプレーし、20年プロ契約。22年から鳥栖へ期限付き移籍。J1通算66試合2得点。J2通算35試合3得点、J3通算1試合無得点。19年のU-20W杯には17歳ながら飛び級で選出され、同年のU-17W杯は4試合2得点2アシストと活躍。180センチ、70キロ。