日本ハムは28日、宮内春輝投手(28)、北浦竜次投手(24)、育成契約の柿木蓮投手(24)、斉藤伸治投手(26)の4選手と、来季契約を結ばないことを通達した。柿木は18年夏の甲子園優勝投手。同年ドラフト5位で大阪桐蔭から入団し、4年目の22年にプロ初登板も、同年オフに戦力外通告を受け23年からは、育成選手として再出発していた。育成2年目の今季も支配下復帰を果たせなかった。
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記念すべき第100回夏の甲子園をわかせた優勝投手が、チームを去ることになった。スーツ姿で千葉・鎌ケ谷の2軍施設を訪れた柿木は、来季の契約を結ばない通達を受けると、練習を終えた選手たちにあいさつ。同学年の水野とは抱き合って別れを惜しんだ。「もちろん悔しいですし、でも覚悟はしていた。結果が出ない中、こんな僕を6年間見てくださったファイターズには感謝したいなと思います」と心境を口にした。
大阪桐蔭時代は18年春のセンバツでチームメートの根尾(現中日)らと全国制覇。同年夏の甲子園でも決勝まで進出すると「カナノウ旋風」を巻き起こしていた金足農・吉田輝星と投げ合って春夏連覇を達成した。同年ドラフトでは吉田がドラフト1位、柿木は同5位と優勝、準優勝投手が日本ハムに入団して話題となったが、吉田は昨オフにオリックスへ移籍。柿木も戦力外となり、2人ともチームを去ることになった。
プロ初登板した22年6月11日、札幌ドームでの中日戦では、7回に2番手で登板し、最速150キロをマーク。現在チームメートのマルティネスら3者を完璧に打ち取り1回完全投球を披露した。記憶に残っているシーンを問われると「札幌ドームでの歓声だったり、そういうところなのかもしれない」と振り返った。
大阪桐蔭時代のチームメートはロッテ藤原、中日根尾、巨人横川が先にデビュー。背番号1を背負った優勝投手が最後の1軍舞台だった。その年のオフに戦力外通告を受け育成選手から再出発した2年後、再び来季契約を結ばない通達。それでもあきらめない。「野球をやりたいのが一番。今言われたばっかりで決まってないですけど、野球をやりたい。そこを考えながら行動したい」。トライアウト参加も視野に入れながら、新たな道を探る。【永野高輔】