DeNAが、強力ソフトバンク打線を相手に、日本シリーズ第3戦の2回から26イニング連続無失点を継続する。投手陣の頑張りはもちろん、全試合先発している戸柱恭孝捕手(34)のリードが的を絞らせず、好投を導いている。今季は46試合の出場で、スタメンは19試合だったが、配球がガラリと変化。ターニングポイントは、5月22日のヤクルト戦(神宮)だった。
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日本シリーズ第5戦、戸柱は1点リードの3回2死二塁から栗原に対し、6球連続チェンジアップを選択し、空振り三振でピンチを脱出した。第1打席は4球中3球が速球だったが、裏をかく“チェンジアップ攻め”に「いろいろ準備や対策はしてましたし、何よりもジャクソンが投げきってくれた」とたたえた。
リード面で変われるきっかけを与えてくれたのは、ジャクソンだった。5月22日のヤクルト戦で初回の先頭から15球連続速球を選択。試合を通じ、約60%が速球を占める配球で、6回1失点で勝利に導いた。「彼が一番いいのは真っすぐ。捕手主導じゃなく、投手主導で考えた結果」のリードだった。
真面目な性格から、ミーティングやセオリーに沿ったリードをする傾向がみられたが、今季は「トバの感性」をミックス。柔軟な思考で相手打者、状況も冷静に見極めたリードが結果に直結する。CS期間中、小谷コーチングアドバイザーから「ヤクルト戦で何かつかんだやろ?」とズバリと指摘された。プロ野球で指導歴40年超の名伯楽をもうならせるリードで、日本一へと導く。【久保賢吾】