３月の招集外で改心＝姿勢変わった堂安―Ｗ杯サッカー

　今夏ぐらいから、堂安（フライブルク）の雰囲気が変わった。自己主張するような発言は減り、仲間やチームへの思いを口にするようになった。念願のワールドカップ（Ｗ杯）初出場を果たし、殊勲の同点ゴールを挙げたドイツ戦後もそうだった。 　「夢がかなったとか考える余裕がなくて、チームを助けたい、このチームで勝ちたい、このチームの一員でありたいと一生懸命な気持ちだった」 　アジア最終予選では出番に恵まれず、ベンチで仲間の活躍を眺める時間が続いた。「うれしい半面、ふざけんなと思いながら試合を見ていた」 　心が荒れた時期もあったが、日本がＷ杯出場を決めた今年３月のオーストラリア戦（シドニー）で招集外となったことで意識に変化が。「３月に客観的に代表戦を見て、輝いているみんなを見てかっこいいなと思ったし、この一員になりたいなと、改めてその気持ちになれた」と振り返る。 　吉田主将（シャルケ）は、ドイツ戦後「代表に懸ける姿勢が変わってきたなと思っていた。結果を出してくれたことは本当にうれしい」。一回り成長した２４歳を素直にたたえた。 　「まだ歴史を変えられたわけではない。誰一人この状況に満足していない」と堂安。コスタリカ戦でも献身的な姿勢で、仲間のために走り、戦う。　（ドーハ時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕ドイツ戦の後半、競り合う堂安（左）＝２３日、ドーハ