坂本、「未知の世界」の８０点台＝浅田以来の頂点へ一歩―世界フィギュア

　自己ベストのＳＰ８０．３２点が発表されると、坂本は大はしゃぎして喜んだ。「うれし過ぎて、びっくりし過ぎて。（８０点台は）未知の世界」。北京五輪の女子で金、銀メダルを獲得した強豪ロシア勢が政府のウクライナ侵攻により参加を許されず、銅メダルだった坂本は優勝候補。そんな立場で臨んだ中で、まずは最高の演技を見せられた。 　ジャンプは二つ目の３回転ルッツで軸が傾きかけたが、何とかこらえる。演技後半の連続３回転は、最近調子を崩していたフリップからトーループにしっかりつなげた。 　北京五輪のメダルは自信になった一方で、新たな肩書が「重荷」にもなっていた。以前と変わらない心持ちで臨もうと思っても、前日は「まだ（重圧を）消し切れていない」と話していた。 　五輪後は疲れが押し寄せ「今シーズンで一番調整が大変だった」。それでもＳＰにはきっちり間に合わせた。日本女子では２０１４年大会の浅田真央以来の優勝へ、フリーでも力を示せるか。（モンペリエ時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕女子ショートプログラム（ＳＰ）で演じる坂本花織＝２３日、フランス・モンペリエ（ＥＰＡ時事）