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【最初の一歩】資産運用を始める前に知っておきたい貯蓄と投資の基本


近年、NISAなどの投資制度が注目を集める中、投資に興味はあるが不安を感じる人も多くいます。この記事では、貯蓄と投資の違いや、それぞれが持つリスクと安全性について詳しく解説しています。貯蓄は多くの人にとって「銀行にお金を貸す」行為であり、銀行が破綻した場合のリスクも伴います。同様に、国債の購入も一種の「投資」であり、そのリスクは金融機関の破綻と大差ないとされています。また、インフレの状況下では、貯金の価値が減少する恐れがあるため、名目上の金額は変わらなくても価値は低下するリスクが存在します。このため、「投資は危険」という考えは必ずしも正しくなく、インフレ時には投資の方が有利となるケースもあることが説明されています。投資を始める際は、そのリスクとリターンを理解し、自分に合った方法を考えることが重要です。

近年、NISA(2024年1月から新制度が開始)などの制度が導入され、投資への関心が高まっています。一方で興味はあるけれども怖くてなかなか最初の一歩が踏み出せないという人もおられると思います。

この記事では、そのような方々に向けて、投資と貯蓄の違いを明確にし、「投資は危険」で「貯蓄は安心」という考えが必ずしも正しくない理由をお話しさせていただきます。特に元本保証は安心と思い込んでいる方はぜひ最後まで読んでください。

預金とは、銀行に「お金を貸している」ということ

まず投資について理解を深めるために貯蓄の仕組みについて考えてみましょう。貯蓄と言っても、僕たちの感覚ではお給料がそもそも銀行に振り込まれるため、使わないお金は銀行に貯まっていくような感覚だと思います。しかし、この銀行預金にお金を貯めるというのは、違う角度から見れば、「銀行にお金を預けている」ということであり「銀行にお金を貸している」行為となります。

ほとんどの方にとって自分が銀行にお金を貸していると思えないと思いますが、銀行のビジネスの一つはお金を借りたい人にお金を貸すことです。このお金はどこから来るのでしょうか?そうです、僕たちの預金です。つまり、銀行は預金に金利をつけることでお金を集めて、その資金を使ってお金を借りたい人に金利をつけて貸すビジネスをしています。

細かいことを言うと、全額が貸し付けに回っているわけではありませんが、銀行のビジネスは借りたお金をより高い金利で貸して差額を儲けていると考えるとシンプルになります。つまり、僕たちは銀行にお金を貸しているわけですね。

貸しているということがよりわかるのは、銀行が破綻した場合です。普通預金などはペイオフ(預金保険制度)により、1金融機関につき1,000万円の元本とその利息までが保護されます。しかし、言い換えれば1,000万円以上は保護されないということですから、銀行が破綻したら、貸した(預けた)お金が1,000万円以上の場合は、全額回収できないということです。

では、お金を貸すという視点から銀行以外にお金を貸すことを考えてみるとどうなるでしょうか?

国にお金を貸すとリターンは預金より高くなる

例えば、お金を貸すという枠組みで考えてみると、国にお金を貸すという選択肢があります。国債という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

国債とは、国が借金をするときに発行される借用書のようなものです。例えば、国が100万円を貸してくれる人を探しているとしましょう。その時に僕が100万円を貸せるとします。そのとき、僕が国に100万円を貸す代わりに国債を受け取り、国債を持っている間は利息を受け取ることができ、満期が来ると国債を返して、貸した100万円を返してもらうことができます。銀行の定期預金に似ていますね。

この国債は、実は金融機関などで「個人向け国債」という名前で販売されており、僕たちは購入することができます。

個人向け国債には3種類あり、金利が固定か変動か、満期までの期間などが異なります。一例として変動10年という商品を見てみましょう。10年満期で金利は変動タイプです。つまり、世の中の金利が上がると国債の金利も上昇する仕組みです。この変動10年の金利は、執筆時点で0.83%となっています。全ての個人向け国債は1年以上経過すると中途換金も可能ですし、変動10年だと、金利の変化にも対応できます。

国債を買うのは、貯蓄? それとも投資?

さきほど国債を購入する選択肢を紹介しましたが、国債を購入するのは貯蓄でしょうか?投資でしょうか?

投資ですよね。では、投資だからリスクが高いのでしょうか?そんなことはないですよね。金融機関が破綻する確率と国家が破綻する確率でみれば、国家が破綻する確率の方が特段高いわけではありません。

このように貯蓄を「お金を貸す」という視点で考えてみれば、貯蓄と投資の境目はグラデーションになっていることがわかると思います。「投資=リスクが高い」わけではありませんし、一方で「預金=安心安全」でもありません。

インフレが起きる世界では、預金は安全とは言えない

現在、日本では物価高騰が続いています。物価が上昇していることをインフレと呼びます。インフレとは「ものの値段が上がる」ことであり、一方で「お金の価値が下がる」ことでもあります。

例えば、物価上昇率が2%だった場合、今年100円で買えたものは来年には102円になります。これはものの値段があがったわけですが、一方で今年の100円の価値は来年には低下しているということでもあります。

もっとわかりやすく、今100万円で買えるものがあったとして、30年間2%でインフレが起きた場合を想像してみましょう。この場合、100万円の商品は30年後には約181万円となります。この時にあなたがタンス預金に100万円入れていたら、30年後も100万円となり、今買える商品を買えなくなるわけですから、100万円の価値が下がっていることがわかると思います。

つまり、インフレ時においては元本保証された金利の低い場所にお金を置いておくことで、目に見える金額は減らないのですが、価値は下がっているというわけです。だからこそ、インフレ時には名目の数値が減らない元本保証の預金が「安全安心」とは言えなくなります。

このように視点を変えると、投資は危険というのは正しくないことも預金が安心安全とも言えないことが見えてきます。まずは投資に興味を持ち、「自分にできる投資はないか?」と考えてみてはいかがでしょうか。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

井上ヨウスケ
役者から転身した異色のファイナンシャルプランナー。演劇で培った「伝える力」を活かし、「誰よりもわかりやすく」をモットーにお金の知識を発信。27歳でFP資格を取得し、独立系FPとして講演や相談業務を展開。動画講座やYouTubeでも活動し、「どこでも働ける」を実現。投資や保険の知識に加え、価値観を軸にした柔軟なお金の使い方も提案する。現在は高知県在住。

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