EY調査、海外赴任者を取り巻く環境変化は大きいものの、給与・手当の水準に顕著な変化は見られない
EY税理士法人は、海外赴任者に関する給与と手当の実態を分析する「第8回EYモビリティサーベイ」の結果を発表しました。調査によれば、海外赴任者の給与体系では「購買力補償方式」が74%で最も多く採用され、海外勤務手当は日本企業の賃上げ機運に影響され、過去3年で約10%上昇しています。しかし、現地物価高騰に対応しきれない企業も多く、課題になっています。また、ほとんどの企業が海外赴任者規程の見直しを行っていますが、「世間相場の把握」や「税務リスク低減」といった複雑な課題に直面しており、外部専門家の活用が進んでいます。調査結果は、日本企業の海外赴任者に対する処遇改善が進んでいないことを示していますが、EYは今後も引き続き情報提供を行う予定です。
・海外赴任者の給与体系は、本国での購買力と同等の購買力を赴任先でも維持することを目的とした「購買力補償方式」を採用する割合が74%と最も多い。
・海外勤務手当および単身赴任手当の金額は、3年前の同調査と比較して課長クラス・一般スタッフクラスで10%前後の上昇。日本企業の賃上げ機運に乗り海外勤務者に対する手当額も上昇傾向にあるが、「現地物価高騰への対応」を課題とする企業も多く、海外インフレ率の上昇スピードには追い付いていない様にも見受けられる。
・海外赴任者規程の見直しや作成に当たって最も難しいと感じる要素として「世間相場の把握(手当・給与・福利厚生等)」「税務リスク(日本・海外)低減」「赴任者コストの削減」「グローバル共通で利用できる規程作成のためのノウハウ習得」が挙げられており、自社での対応が困難な場面での外部専門家の活用が進むと考えられる。
EY税理士法人(東京都千代田区、統括代表社員 蝦名 和博)は、海外赴任者に関する給与・手当の実態を調査した「第8回EYモビリティサーベイ」調査結果を発表したことをお知らせします。今回は「海外赴任者の給与・手当/海外赴任者規程/労災特別加入制度」について調査を実施しました。
本調査は、海外赴任者に関する処遇の実態を明らかにすることを目的とし、2025年1~3月にかけて実施しました。主に企業の人事・経理・経営企画系を中心とした管理系部門に属する延べ269名(245社)の回答を基に調査・分析を行いました。
第8回EYモビリティサーベイの調査結果
給与体系:
回答企業245社のうち182社が、海外赴任者の給与体系に「購買力補償方式(本国での購買力と同等の購買力を赴任先でも維持することを目的に、本国給与を基に赴任者給与を決定する方式)」を採用しています。本国給与は支払うが、それとは別に海外勤務のために必要な給与・手当を上乗せ支給する、いわゆる「併用方式」を採用している企業は14%でした。また、現地の給与体系+海外勤務のために必要な給与・手当を支給するいわゆる「Local Plus」や、現地の給与体系を採用する企業はそれぞれ1社にとどまりました。この結果から「購買力補償方式」と「併用方式」が、日本企業の給与決定方式の主流を占めていることが分かります。
海外勤務手当:
海外勤務手当の支給基準は「役職ごとに定額で支給」との回答が32%と最も多く、「月収の一定割合」「年収の一定割合」とする企業も計32%という結果となりました。
本調査では、部長/課長/一般クラス別の具体的な支給金額についても調査を実施しました。中央値は部長クラス165,000円、課長クラス142,000円、一般スタッフ110,000円(2022年の同調査では部長クラス165,000円、課長クラス135,000円、一般スタッフ100,000円)。3年前と比較して課長クラス・一般スタッフは10%前後上昇していることが分かります。
ハードシップ手当:
ハードシップ手当の決定要素として最も多い回答は「コンサルティング会社や調査会社の発行する指数」の56%。次いで「自社独自の基準や調査結果」が13%。
本調査では、ニューデリー、ハノイ、バンコク、ジャカルタ、マニラ、北京に赴任した場合に支給するハードシップ手当の金額についても調査を実施しました(いずれも課長クラス相当に支給する場合)。中央値はニューデリー120,000円、ハノイ54,500円、バンコク35,000円、ジャカルタ75,000円、マニラ68,000円、北京35,000円(2022年の同調査ではニューデリー110,000円、ハノイ50,000円、バンコク40,000円、ジャカルタ70,000円、マニラ72,000円、北京40,000円)。
単身赴任手当:
単身赴任手当の支給基準は「役職や年収などにかかわらず全員一律」が最も多く29%、「支給していない」割合も18%に上りました。
中央値は部長クラス・課長クラスともに100,000円、一般スタッフ90,000円(2022年の同調査では部長クラス100,000円、課長クラス88,000円、一般スタッフ80,000円)。3年前と比較して課長クラス・一般スタッフは10%程度上昇していることが分かります。
非管理職者の残業代:
「一定時間分のみなし残業代を生計費のベースに含めて計算」が38%と最も高く、次いで「一定時間のみなし残業代を手当として支給」が19%、「赴任先での実残業時間に基づき残業代を支給(残業代の計算は日本基準または赴任先基準)」が11%と、何らかの形で残業代相当分を海外赴任中にも支給している企業が過半数を占めます。
海外赴任者の手当・給与についての課題:
現地の物価高騰や為替変動時の対応を課題として挙げる企業が多く、近年の世界的な物価高騰や為替の急激な変動など、赴任者を取り巻く環境変化スピードへの対応に苦慮する企業側の姿が垣間見えます。
海外赴任者規程:
245社のうち68%に当たる167社が、海外赴任者規程の見直しや新規作成の理由・目的について「赴任者の処遇改善のため」と回答しました。
また規程の見直しや作成に当たって最も難しいと感じる要素としては「世間相場の把握(手当・給与・福利厚生等)」が43%に上りました。他に「税務リスク(日本・海外)低減」「赴任者コストの削減」「グローバル共通で利用できる規程作成のためのノウハウの習得」が各14%という結果となりました。
「赴任者の処遇改善」の根拠として重要な「世間相場の把握」に課題感を抱える企業が多く、外部専門家や調査機関の活用も解決策の一つと言えます。
労災特別加入制度:
労災保険の海外派遣者特別加入制度について、「特別加入できる海外赴任者は全員加入している」との回答が全体の59%を占めている一方、「特別加入していない」との回答も18%に上ります。また制度に加入していない/加入できない場合の対応については「民間の保険制度に加入」が36%で最多でしたが、「特に対応はしていない」との回答も22%でした。赴任先で経営的な立場となる場合は加入制度の対象外となることもあるため、赴任者が加入制度の要件を満たしているかの確認も重要となります。
EY税理士法人 パートナー 藤井 恵(ふじい めぐみ)のコメント:
「今回は『海外赴任者の給与・手当』について、『給与体系・手当」「各種手当」「海外赴任者規程の見直し状況」いう観点で調査を実施しました。また、『労災保険の海外派遣者特別加入制度』の加入状況についても併せて調査しています。
海外勤務者の海外勤務手当、単身赴任手当の水準や決定方式は3年前の調査結果と比較して大きな変化は見られませんでした。本調査結果によると『過去3年間に規程を見直した』とする企業は245社中80社と約1/3程度であることからも、海外勤務者の手当などの見直しはあまり進んでいないことが分かります。ここ3年においても、海外の物価上昇が進んでいる中、手当の水準があまり変わらず、かつ円安も進んでいる状況では、海外赴任者の生活も以前よりも厳しくなっており、「海外赴任すれば貯金がたまる」という時代は遠い昔になったと感じさせられます。
なお、今回の調査結果は別途、赴任者数別でも分析していますが、一部の項目を除いては、赴任者の違いによる傾向の顕著な違いは見られませんでした。手当の金額水準および上位職者と下位職者で各種手当の金額にどの程度の差を設けるかは、同一業種や同規模企業でも大きく異なります。つまり手当の金額や制度設計の違いは、企業規模や赴任者数よりも、企業毎の海外赴任に対する考え方によるところが大きいことが浮き彫りになりました。
本調査結果から分かるように、規程改定に当たり最も難しいと人事ご担当者が感じる要素は『世間相場の把握(手当・給与・福利厚生)』であることが明らかです。EYでは今後も、本調査を継続して行い、回答された方には結果の共有および調査結果に関する説明セミナーの実施など、海外人事ご担当の皆様にとって、有意義な情報の提供を行ってまいります。
また、さらなるグローバル化を推進する企業にとっては、日本企業における海外赴任者の報酬水準のみならず、欧米などを中心とした海外に本社を持つグローバル企業の動向についても気になるところではないでしょうか。これらの企業のトレンドや日本企業との考え方の違いや生じる課題などについても、情報発信していきたいと考えています」
本調査結果に関する解説ウェブキャストを実施いたします。
<第8回EYモビリティサーベイ解説ウェブキャスト(オープンセミナー)>
日時:2025年6月18日(水)13:30~14:30
登壇者:EY税理士法人 パートナー 藤井 恵 ほか
お申し込み:https://globaleysurvey.ey.com/jfe/form/SV_b4rR2hh2qaTyY3Y
調査結果の概要
主な調査結果のポイントは、以下の資料から詳細をご確認ください:
概要版_第8回EYモビリティサーベイ調査結果(EY税理士法人)
第8回EYモビリティサーベイ概要
本調査は、海外赴任者・出張者・海外からの出向者の実態を明らかにすることを目的として定期的に実施しております。
・目的:海外赴任者に関する処遇・税務などの実態調査・分析
・テーマ:海外赴任者の給与・手当・海外赴任者規程・労災特別加入制度
・実施期間:2025年1月23日(木)~3月14日(金)
・回答者数:269名(有効回答数* :245件)
*同一企業から複数名ご回答いただいた場合は、以下の基準により代表回答を選定
1. 本社と現地子会社-本社の回答を優先
2. 人事系部署とそれ以外の部署-人事系部署からの回答を優先
3. 同一部署内より複数名のご回答-設問に対する有効回答数が多い方を優先
これまでの調査結果は、以下のEY Japanのウェブサイトからご覧ください。
EY調査、海外赴任者を取り巻く環境変化は大きいものの、給与・手当の水準に顕著な変化は見られない - 「第8回EYモビリティサーベイ」を発表:国内200社以上の海外赴任者に関する給与・手当実態調査 | EY Japan
<EYについて>
EYは、クライアント、EYのメンバー、社会、そして地球のために新たな価値を創出するとともに、資本市場における信頼を確立していくことで、より良い社会の構築を目指しています。 データ、AI、および先進テクノロジーの活用により、EYのチームはクライアントが確信を持って未来を形づくるための支援を行い、現在、そして未来における喫緊の課題への解決策を導き出します。 EYのチームの活動領域は、アシュアランス、コンサルティング、税務、ストラテジー、トランザクションの全領域にわたります。蓄積した業界の知見やグローバルに連携したさまざまな分野にわたるネットワーク、多様なエコシステムパートナーに支えられ、150以上の国と地域でサービスを提供しています。
All in to shape the future with confidence.
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。
<EY税理士法人について>
EY税理士法人は、EYメンバーファームです。税務コンプライアンス、クロスボーダー取引、M&A、組織再編や移転価格などにおける豊富な実績を持つ税務の専門家集団です。グローバルネットワークを駆使して、各国税務機関や規則改正の最新動向を把握し、変化する企業のビジネスニーズに合わせて税務の最適化と税務リスクの低減を支援することで、より良い社会の構築に貢献します。詳しくは、ey.com/ja_jp/people/ey-tax をご覧ください。
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