電動モビリティを推進する新製品:シェフラーの「4in1電動アクスル」
電気モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクス、そしてサーマルマネジメントシステムを1つのシステムに統合することで効率を向上
ピックアップトラック用「電動ビームアクスル」の開発により、製品ラインナップが多様化
自動車技術部門CEOのマティアス・ジンク氏:「電動アクスルはシェフラーの電動モビリティ戦略の重要要素」
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202206222839-O1-TCW0OYms】
シェフラー4in1電動アクスルのシステム開発
シェフラーは、電動アクスルドライブ(電動アクスル)の各種新製品を同時発売するなど、電動モビリティ分野に注力している姿勢を明確にしています。シェフラーAG自動車技術部門CEOのマティアス・ジンクは、「電動アクスルはシェフラーの電動モビリティ戦略の重要要素である」と述べています。これまでは、最大3つのドライブコンポーネントを1つのコンパクトユニットに統合していました。シェフラーはそれをさらに一歩進め、サーマルマネジメントシステム、電気モーター、パワーエレクトロニクス、そしてトランスミッションの4つをアクスルドライブに統合した「4in1電動アクスル」の開発に成功しました。これにより、アクスルドライブのさらなるコンパクト化・軽量化が実現し、効率が向上します。また、非常に効率的なサーマルマネジメントシステムにより、1回の充電で走行可能な航続距離を延長でき、充電速度も高速化します。ほかにもシェフラーは、ピックアップトラック向けに「電動ビームアクスル」を開発しており、将来的には、北米を中心とした自動車メーカー向けに供給する計画です。
効率化の重要要素:サーマルマネジメント
電気自動車にとって熱は希少かつ貴重な資源です。たとえば、内燃機関を搭載していない電気自動車では、車内の暖房に内燃機関の排熱を使用することができません。特に、外気温が高温または低温時には、バッテリー温度を適温範囲内に維持できるかどうかが、航続距離や急速充電機能に影響する要因となります。電動モビリティ事業部門の責任者であるヨッヘン・シュレーダー博士は次のように述べています。「サーマルマネジメントシステムは、自動車の効率と快適性に重要な影響を及ぼします」。
こうした観点から、シェフラーでは既に、あらゆる種類の車両パワートレインに対応したサーマルマネジメントシステムを製品化しているほか、現在も新製品の開発を続けています。今回、新たなアプローチとして、これまで独立したモジュールとして開発されることの多かったサーマルマネジメントシステムと、従来の電動アクスル駆動コンポーネントとの統合化があります。「これにより、高度に統合されたコンパクトで完全なシステムが誕生し、非一体型のソリューションに比べて省スペース化に大きく貢献します」とシュレーダー博士は述べています。さらに、不要なホースやケーブルを無くすことができるため、熱という形でのエネルギー損失が減少します。「コンパクト設計に加えて、4in1電動アクスルの最大の強みは、個々のサブシステム間の相互作用を最適化できる点です」とシュレーダー博士は説明しています。このことは、シェフラーが、電気モーターやパワーエレクトロニクスなどドライブコンポーネント単体の熱的挙動だけでなく、最も効率的で総合的な車両全体でのサーマルマネジメントを常に意識した開発を行っていることを示しています。たとえば、インテリジェント制御システムを用いれば、パワーエレクトロニクスや電気モーターから余分な熱を効率的に回収して、その熱を車内の暖房に利用することも可能です。また、バッテリーの温度を制御することで、1回の充電で走行可能な航続距離の延長と充電の高速化を図ります。
シェフラーは、自然冷媒である二酸化炭素を使用する新しいヒートポンプを導入し、更なる効率化のメリットを実現します。二酸化炭素は、従来の冷媒に比べて環境負荷が小さいだけでなく、車両の効率的な暖房・冷房を可能とする物理的特性を持っています。「サーマルマネジメントシステムを内蔵する4in1電動アクスルによって、効率レベルをさらに高めた完全なシステムを実現することができます」とシュレーダー博士は述べています。最適設計されたシステムでは、最高96%の効率化が可能となります。効率が高いほど航続距離が延びます。
電動ドライブ: コンポーネント単体から完全なシステムへ
4in1電動アクスルのほかにも、これまでシェフラーは電気自動車向けに包括的なドライブシステムを開発しています。シュレーダー博士は、「このように高度に統合された完全なシステムは、老舗の自動車メーカーにとっても新興企業にとっても魅力的です」と述べています。複雑なドライブトレイン全体を新たに開発する時間とコストを短縮することができるためです。
その一方で、シェフラーは今後も引き続き、電気モーター、トランスミッション、ベアリング、サーマルマネジメントシステムなど、電動・ハイブリッドドライブ向けの個々のコンポーネントやサブシステムをお客様に提供していきます。それと同時に、2つまたは3つのドライブコンポーネントを一体化した製品も提供していきます。そうすることで、シェフラーは新たな巨大市場を切り開くことを目指しています。将来的に電動アクスルは、乗用車から商用車まで、さまざまな電気自動車や燃料電池自動車に使用されることが見込まれています。さらにこうした動きは、商用車や重量車の電動化に向けた、カスタムメイドの電動アクスルやコンポーネントにも拡大することが予想されます。
特に北米市場における中型ピックアップトラックの電化に関して、シェフラーは電動ビームアクスルの開発を進めており、製造に乗り出すことを計画しています。電動ビームアクスルは、電気モーター、トランスミッション、パワーエレクトロニクス、そしてリアアクスル全体が相互接続されたユニットとなっているため、即取り付け可能な状態でお客様に納入されます。こうしたアクスルは、横幅2メートル以上の大きさとなります。シェフラーは既に、複数の自動車メーカーから電動ビームアクスルを受注しており、電動アクスルドライブという新しい市場セグメントへの参入を進めています。
グローバルな生産ネットワーク
シェフラーは、世界各地で電動アクスルのコンポーネントを製造しています。2021年9月には、ハンガリー西部のソンバトヘイに開設した工場で生産を開始しました。この生産拠点は、シェフラーグループ初となる電動モビリティに完全特化した生産工場であり、電動パワートレインのコンポーネントとシステムを生産する新たな中核施設となっています。また、シェフラーは、中国・太倉でも電動モビリティ向けコンポーネントや2in1電動アクスルドライブを製造しています。加えて、アメリカのオハイオ州ウースターに新たな生産施設を建設中です。シェフラーは同地にハイブリッドモジュールを製造する生産施設を既に有しています。さらには、シェフラーAG自動車技術部門の本部があるドイツ・ビュールに電動モビリティ向け世界トップレベルの新工場を建設中です。
シェフラーは、電動アクスルの生産に特に注力しています。シェフラーは、電気モーター用ステーターラミネーションのプレス加工や革新的なWave windingを採用したローター巻線など、高精度な製造方法によるコンポーネント単体の生産に精通しています。こうした技術を活用することで、コンポーネント単体レベルでの性能向上に加えて、より効率的で完全なシステムを実現することが可能となります。さらに、シェフラーは、卓越した製造能力を発揮して電動ドライブを量産し、早期の市場投入を目指します。
マティアス・ジンク氏のプレス用写真はこちらでご覧いただけます。
www.schaeffler.com/en/executive-board
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高度に統合されたコンパクトな4in1電動アクスルは、非一体型システムに比べて省スペース化に大きく貢献します。
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シェフラーグループ – We pioneer motion シェフラーグループは自動車および産業機械分野における世界的なリーディングサプライヤーとして、75年以上にわたり、モーションとモビリティの分野において画期的な発明や開発を行ってきました。 電動モビリティ、CO₂効率に優れたドライブシステム、インダストリー4.0、デジタル化、そして再生可能エネルギーなどのための革新的なテクノロジーや製品及びサービスの提供において、当社はモーションとモビリティをより効率的でインテリジェントかつ持続可能なものにするための信頼されるパートナーです。また当社はパワートレインやシャシー用の高精度コンポーネントやシステム、多くの産業機械用の転がり軸受や滑り軸受のソリューションを開発・製造している技術会社です。シェフラーグループは2021年には約139億ユーロを売上げました。約83,000人の従業員を擁するシェフラーは世界最大級のファミリーカンパニーです。また、シェフラーは2021年には1,800件以上の特許出願を行っており、DPMA(ドイツ特許商標庁)によればドイツで3番目に革新的な企業です。
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電動モビリティを推進する新製品 シェフラーの「4in1電動アクスル」 | プレスリリース | シェフラージャパン (schaeffler.co.jp)
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