2020年11月18日

株式会社矢野経済研究所

「日常」消費回復への反転は来年まで持ち越しへ~「ハレの日」消費は確実に回復~

一般消費者の幸福感や家計状況の悪化は継続、日常消費の回帰もまだ見えない

 本調査は、一般消費者へ四半期ごとに4-6月期、7-9月期、10-12月期の3期にわたってその意識や行動の変化を中心にアンケート調査を定期的に実施するものである*1。
 一般消費者の幸福感、家計状況の変化をみると、徐々に和らいで来ているものの、そのDI値*2はマイナス圏(悪化トレンド)が継続しており、現状、下げ止まりには至っていない。

  そのような中、日常消費動向に関する多くの調査項目では、コロナ禍による急変からの回復が未だみられず、消費者の在宅基調の生活スタイルが定着しつつあることを示す結果となった。
 日常の時間の使い方の増減を聞く項目では、4-6月期以降、3四半期に渡って家に居る時間の増加傾向が続き、10-12月期に至っても増加傾向が止まらず、減少傾向には転じていない。新型コロナを前提としたWithコロナの生活スタイルが人々の間に徐々に定着しつつあると考えられる。

図1 日常消費におけるお金の使い方の増減状況と見通し(DI値)

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202011187310-O1-3dz98y1h

 また、日常消費の増減を問う項目では、10-12月期に日用品で増加傾向から減少傾向に転じた他は、食料品ではプラス領域を維持しているものの、その他の調査品目は減少傾向を維持する結果となった。それぞれの増加ないし減少傾向は徐々に弱まってきているが、3四半期に渡って反転することなく同様の傾向が持続しており、在宅の日常消費スタイルの定着が浸透しつつあると言える。(図1*3)
 さらに在宅関連項目の増加傾向のピークないし転換点は、翌四半期の2021年1-3月期の後になることが見通される。今年2020年春からの在宅基調の生活スタイルが、それ以前の日常の生活スタイルに戻り始める転換点は、ついぞ年内には訪れそうにないことが明らかとなった。
 こうした日常消費の減少傾向には、新型コロナによる外出の抑制のみならず、家計状況の変化も関係していそうだ。家計状況のDI値は、徐々に和らいでは来ているものの、継続して悪化傾向にあることは変わりなく、残業賃金減を含む収入減などにより、家計状況の悪化がジワジワ進行しているものとみられる。その結果として、日常消費額が全体的に減少傾向にある可能性も見過ごすことはできない。

日常消費とは異なり「ハレの日」消費は確実に回復してきた

図2 国内旅行と結婚の発生状況と見通し

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202011187310-O2-Xmsv61Dx

 一方、「国内旅行」を10-12月期に実施した人の割合は13.3%となり、7-9月期の7.2%から6.1ポイントの大幅な増加となった。この13.3%という値は、第二波以前の4-6月期調査時点での7-9月期の実施見通しと一致しており、国内旅行に関しては第二波以前に見通された消費水準まで回復した形となった。(図2*4)

図3 世代別にみる国内旅行の発生状況と見通し

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202011187310-O3-SN6k4Iqh

 中でも年齢層の高いしらけ世代の国内旅行実施率(10-12月期)は16.0%と、その下の世代よりも一段高く、現在の国内旅行消費を大きくけん引している。その他の世代では、10-12月期の実績値の高い順にプレッシャー世代13.8%、バブル世代13.7%、団塊Jr.世代12.5%、ポスト団塊Jr.世代12.2%、ゆとり世代11.5%となった。(図3*4)
 また、秋の深まりとともに「結婚」の実施も10-12月期に増加している。4-6月期、7-9月期はともに0.5%前後の実施率だったが、10-12月期には1.0%程度と約2倍の実施率となった。もともとこの時期に多い結婚式だが、ようやく外出に対する抑圧も弱まり、結婚式等の実施に踏み切ることができるようになってきたと考えられる。

コロナ禍で蓄積しているストレスを「ハレの日」消費で解消へ

 以上のように、日常消費の回復は進んでいない一方で、国内旅行や結婚などの「ハレの日」消費は確実に回復してきている。また気持ちの変化を問う質問の1つ「自由や解放感を求める気持ち」では、4-6月期以降、3四半期に渡って着実に減少してきている。これらを併せて考えると、コロナ禍で強いられているストレスを、日常生活の中で発散することはまだまだ難しいが、「ハレの日」に少しでも解消しようとしている人々の姿が浮かび上がってくる調査結果となった。


*1;調査要綱
調査時期;4-6月期調査;2020年6月10日~6月12日、7-9月期調査;7月31日~8月3日、10-12月期調査;10月30日~11月2日
調査対象;6世代注(しらけ世代、バブル世代、団塊Jr世代、ポスト団塊Jr世代、プレッシャー世代、ゆとり世代)の男女
調査地域;三大都市圏(首都4都県、東海4県、近畿4県の政令指定都市、中核市、施行時特例市)、その他都市圏(三大都市圏を除く同県の中核市と施行時特例市)、地方圏(その他)
調査標本;各回とも3,600標本(2性別×6世代×3地域圏×約100サンプル)
調査方法;インターネットアンケート調査方式、単回答
 注;調査対象6世代の年齢区分は以下の通り(10-12月期調査時点の満年齢で表示)
 しらけ世代;55歳~61歳(1959/4/2-1965/4/1生)
 バブル世代;49歳~55歳(1965/4/2-1971/4/1生)
 団塊Jr世代;45歳 ~49歳(1971/4/2-1975/4/1生)
 ポスト団塊Jr世代;37歳~45歳(1975/4/2-1983/4/1生)
 プレッシャー世代;33歳~37歳(1983/4/2-1987/4/1生 )
 ゆとり世代;24歳~33歳(1987/4/2-1996/4/1生)


*2;Diffusion Index。「改善した」「やや改善した」「変わらない」「やや悪化した」「悪化した」の5段階で質問、そこから算出した動向指数


*3;図1は、当該四半期中の日常消費におけるお金の使い方について、品目別に前四半期と比較して「増加」「変わらない」「減少」の3段階で質問、そこから算出した消費動向指数(DI値)を表したグラフ。また10-12月期と比較して翌四半期(2021年1-3月期)にどのように変化しそうかの見通しについても質問、見通しDI値として重ねて表示した。グラフ内実線は当該四半期の実績DI値の推移を示し、破線は翌四半期の見通しDI値の推移を示している。


*4;図2は国内旅行と結婚について、図3は国内旅行について世代別に、当該四半期中にそれらを実施したと回答した消費者の割合と、翌四半期中に参加する予定または見通しであると回答した消費者の割合を表したグラフ。
グラフ内実線は当該四半期に参加したとする回答比率の推移を示し、破線は翌四半期中に参加する予定または見通しとする回答比率の推移を示している。


<この調査結果掲載の資料>
資料名:Withコロナ社会の消費者心理の変化を捉える定点調査
情報提供内容・納品時期:年4回の速報値と最終調査結果レポート
 集計速報(2020年7月、9月、12月、2021年3月頃)
 最終調査結果レポート(2021年5月)
販売価格:160,000円(税別)
商品形態:PDFファイル+Excelデータ
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情報提供元:PRワイヤー
記事名:「「日常」消費回復への反転は来年まで持ち越しへ