葬儀のときに話題になるものの一つとして、「お布施」があります。これは実はかなり大きいものです。
今回は、このお布施の費用の相場と賢い払い方について見ていきましょう。
葬儀代金のうちの1割近くを占める「寺院費用」
お布施というのは、実は決して少なくはありません。
もちろん状況によって異なりますが、葬儀費用全体の1割程度(20万円~30万円ほど) がこれにあてられる、と考えるべきでしょう。
お布施の相場は、多くの仏教の場合、「法名のランク付け」が関わってきます。
この言い方を嫌う人もいますが、しかしこれが現在の現状です。(もちろん、生前から非常に徳が高く、仏教に寄与していた人は除きます)
一般的な「信士・信女」の場合は20万円 ~50万円程度ですが、「院居士・院大姉」 などの高ランクになると100万円を超えることすらあります。
メジャーな宗派ではないところは高くなる傾向に
また、これもあまり明らかにはされていませんが、「その地域でメジャーな宗派ではないところ」に頼んだ場合は、1件あたりのお布施の金額は高くなる傾向にあります。
日本全国で見た場合、「浄土宗・浄土真宗」がもっとも多いのですが、岡山県などの場合は天台宗・真言宗がもっとも多い割合となっています。
お布施は寺院を支えるものともなっていますから、岡山県における浄土宗・浄土真宗のように「その地域においてマイナーな宗派」に弔いを頼んだ場合、1件あたりの金額が高くなるのは自明のことだと言えるでしょう。
変わるお布施の払い方
現在では、「お布施の相場」はインターネットでも調べられるようになっていますし、葬儀会社に訪ねても教えてくれます。(さすがに宗教家自身に聞くのは控えるべきですが)
そのため、「お気持ちだけで結構です、と言われても、いくら出せばいいのかわからない」と悩むこともなくなりました。
また、一つ考慮に入れてほしいのが、「定額制のお布施」です。これは賛否両論あるものの、かなり便利で明朗なサービスだと言えます。
「一律3万5,000円」と いう数字をとっているところが多く、高すぎるお布施に悩む人にもよいでしょう。なにより、非常に明朗です。
最後に
もちろん、菩提寺に連絡をしないでこの方法をとってもいいのか、などの問題はありますが、現在はお寺と檀家の関係も薄くなっていっています。
家によっては、「そもそも菩提寺がどこだったか…」というところもあるでしょう。
そのような人たちにとって、「定額制のお布施」は、一つの賢い選択肢となりうるのではないでしょうか。(執筆者:鍋谷 萌子)