定期健康診査で、ステージⅠの乳がんが発見されました。
乳がん検診は女性にとって楽なものではありませんが、毎回同じ医療機関の定期検診であれば、過去のデーターと比較でき早期発見も可能ですので、是非受けて下さいね。
約1か月余り、紹介された大学病院で細部に渡る検査が続き、その間主治医とのコミュニケーションも十分とれ、治療法も標準的治療法である手術を選択しました。
情報収集と「選択」
「選択」としたのは、手術ではない方法も検討したからです。
おそらく、がんと宣告された方なら多かれ少なかれ、インターネット等で自身の病状に照らし合わせた情報収集をなさるのではないでしょうか。
私の場合も、陽子線治療は手術より痛みもなく楽、○○の抗がん剤治療は副作用が軽微等々、民間療法も含め情報の数には事欠きませんでした。
一通りのリサーチが終わり、加入している保険に付帯されている医療サービス会社ティーペックに電話で相談をしたところ
またあなたのかかっている病院は乳がんの手術実績も十分。セカンドオピニオンもむしろ手術後の治療方針の確認の方が良いかも」
とのアドバイスは十分参考になり心強い限りでした。
そんな経緯をたどり、3泊4日の入院手術でしたが、乳がんは10年を過ぎても再発や転移の可能性があるため、注意深く経過をみなければならないとのことです。
今の正直な思い
さて、本題の保険の話です。
私は、がんと診断されたときに一時金のみが支払われる「がん診断保険」と「医療保険」に加入しておりました。
今回の入院・手術に該当するのは、「がん診断給付金」の一時金と「医療保険」から入院日額×4日分、手術給付金は入院日額の40倍です。
がんの入院日数が短縮されている現状では、「がん診断給付金」からの一時金は大きく、金額的には3泊4日の入院・手術費用を補って余りあります。
保険は安心料ではない、保険は貯蓄があればいらない等々言われますが、私は、以下が今の正直な思いです。
高額な資産があれば別でしょうが、お金のことを心配しながらの治療は辛いものです。高額療養費制度があるとはいえ、入院に至るまでの検査費用から退院までの諸費用はそこそこかかりました。
保険は突き詰めれば、費用対効果、支払い保険料と受取総額かも知れませんが、保険に加入していることからくる安心感は大きく、気持ちを癒す効果もあると思います。
今まで一度の入院もなく過ごし保険料は払うばかりで、合理性からみると何ともですが、「お金は必要な時に出て来るようにしておけば安心」は実感でもあります。
乳がんの罹患率は女性の12人に1人といわれ、他のがんと異なり30代の患者も増えておりますが、貯蓄が十分な世代とは思われません。
保険料が一回のランチ代位で加入できる「がん保険」、「医療保険」もあります。
がんに限らずですが、本当につらい状況の時に、経済的な不安がやわらぐのであれば、保険で備えておいて不足はありません。
「がん保険」、「医療保険」について気づいたこと
最後に「がん保険」、「医療保険」について気づいたことを挙げておきます。
1. 「医療保険」は、がんの入院・手術・先進医療も支払対象ですので、医療保険に既に加入しているのであれば、保障の重複を避け「診断給付金」のみでも良いかと思います。
2. がん治療は重粒子線治療や免疫療法、ホルモン療法等様々です。健康保険の使えない治療もあります。
「がん保険」は細分化された特約よりは、がんと診断確定されたときの一時金が多い方がどんな治療法にも対応できます。
3. 手術給付金は放射線照射や、温熱療法も手術給付金として取り扱うものもあります。
また、「内視鏡手術」と「悪性新生物根治手術」とでは同じ手術であっても給付額が異なるものもあり、給付の基準は個々の保険により結構違いがあります。
4. 「がん給付金」は、支払いが初回だけのもの、1年毎、2年に1回支払われるものなどそれぞれです。
「がん診断給付金」も「悪性新生物」と「上皮内癌」では支払額が同額のものや半額となるもの等、差があり支払い条件が保険会社により異なります。
5. 私の加入していた「がん保険」は、がんと診断されたときに以後の保険料が支払い免除となりますが、保障は一生続きますので長引くがん治療には大いに助かります。
6. 前述しました「がん保険」、「医療保険」に付帯している電話で相談のできる医療サービスは、主治医に聞き逃してしまったことや、治療の不安等を相談でき、心強くこれだけでも保険料を払う価値ありと思えてしまったほどです。
7. 「がん保険」は日進月歩で、健康保険以外でかかった治療費を実損填補するもの、がんによる所得の目減りを補うタイプのもの、放射線や抗がん剤治療に備えるもの等多様です。
「医療保険」も同様に、がん特約を充実したものや在宅医療までカバーしたもの等、10年前に加入したままの「がん保険」「医療保険」であれば見直しの必要ありかも知れません。
その際は本当に必要な保障を見極め、保険料との折り合いをつけて下さい。
「障害年金」が該当するケースにも注意
最後に、頼りになるのは保険だけではありません。公的年金からの「障害年金」が該当するケースもありますので、請求漏れが無いようご注意下さい。
以上です。(執筆者:平賀 初恵)