年初に暴落した日経平均株価も、12月には1万9,000円台で値固めする展開へ。ニューヨークダウ平均もここにきて連日最高値を更新。世界のマーケットは強気相場入りしました。
今年の相場を語る上で欠かせないキーワードは
「米大統領選」
日本から見れば米大統領選も外部要因ですが、あまりにも世界に与える影響が大きいので、外部要因とは切り離して考えるべきだと思います。
いわば2016年限定の特殊要因と言ったところでしょう。では、今年の相場を振り返って行きましょう。
外部要因に左右された年初のマーケット
日経平均が1万9,000円台でスタートした今年のマーケットも、2月には一時14,000円台へ下落。
下げ止まらない上海市場
年初の上海市場はサーキットブレーカー連発の大幅続落を記録しました。先行き不透明感から売りが売りを呼ぶ形で、下げ止まらない上海市場。
原油価格の下落
それに拍車を掛けたのが原油価格の下落です。原油価格が下落すれば、米国主力企業である、「資源メジャー」の業績も悪化します。
エクソン・モービルやシェブロン等の企業名は皆さんも聞いたことがあるでしょう。つまり、原油価格の下落はマーケットにネガティブ。
中東諸国景況感の悪化
また、原油価格の下落は中東諸国に景況感の悪化をもたらします。世界で270兆円程あるとされる中東ファンドの資金引き上げリスクも相まって、世界的な同時株安に。
国内マーケットもそれに左右される形で続落。年初は非常に厳しいスタートになりました。
日銀によるマイナス金利政策と原油価格の落ち着きが転換点に
大幅な株価下落を背景に、日銀はマイナス金利策の導入を決定。民間銀行が日銀に持つ当座預金(政策金利残高分)に0.1%の預け入れ料を科しました。
積極的な緩和策を導入
個人的には、7月28日、29日の追加緩和決定がマーケットに安心感を与えるきっかけになったと思います。
特にETFの買入額を6兆円に増額したことが市場にポジティブな影響を与えました。
7月末からの株価上昇
実際に今年の日経平均のチャートを確認すると7月末からの株価上昇が著しい。
即ち、市場に積極的な資金供給が行われたタイミングで株価上昇がスタートしたと言えるのです。
原油価格1バレル40ドル台に回復
4月以降は原油価格も1バレル40ドル台を回復。外部要因の落ち着きも相まって、株価は強き相場入りしました。
トランプ氏の経済政策と利上げペースの拡大を背景に円安、株高が進展
以前の記事でも取り上げさせて頂きましたが、トランプ氏の政策の柱は財政政策と法人減税。今後も財政出動による長期金利の上昇は避けられないと想定します。
実際にトランプ氏の選挙戦勝利後には米長期金利が上昇。ドルも積極的に買われ、円安が進展しました。また、法人減税によりリスクオンが進むことも想定されます。
法人減税は景気刺激策
好調な企業業績を背景に、ここにきてニューヨークダウは連日2万ドルにチャレンジする展開。
今後はインフレリスクから利上げペースが早まる可能性があるのです。
値動きの荒い一年でしたが…
最後の利上げペースの拡大の話については多少私感も交えさせて頂きましたが、直近の株価上昇はトランプ氏の経済政策が背景と言えるでしょう。
今年は「申酉騒ぐ」の格言通り、非常に値動きの荒い一年になりました。この調子で行けば大納会は良い形で締めくくることができそうです。
来年の相場に期待を込めて。2016年マーケットの振り返りとさせて頂きます。(執筆者:徳田 陽太)