葬儀のときには何かと気を使い、お金を使うもの。
葬儀という、だれもが繊細になっている場であることもあり、特に気を付けたいものです。
今回はその「お金を使う」ことの一つである「宿泊費と交通費」について見ていきましょう。
これは、参列者側と喪主側、どちらが払うのでしょうか?
宿泊費は喪主側、と考える向きがやや優勢
ということに関しては、考えが分かれています。
このあたりは専門家の間でも見解が分かれていますし、地方差もあります。
ただ、どちらかというと、「喪主側が負担する」という考え方が主流であるように思われます。
遺族が泊まれる部屋を施設内に持っている葬儀会場の場合、その部屋の使用料や布団の料金は当然ながら喪主側に請求されます。
親族が同じ部屋に泊まったからといって、「その分の金を払え」と請求する人はいないでしょう。
そう考えると、ホテルなどを利用した場合でも、喪主側が負担するのが自然かもしれません。ホテルを喪主側でとってしまい、支払いも済ませるとスマートです。
ただ、親族間で「慣例」として、「泊まった人が負担する」という場合は、それに従うとよいでしょう。
また、「今さら確認しにくい」という場合は、あなたが喪主側でも親族側でも、「自分の方が出そう」と思っておいた方が賢明です。
交通費は一般的には参列者側の負担
対して、「交通費」は参列者側が払うことが一般的です。
これは、「葬儀に参列するということは、そもそもどういうことなのか」を考えていけばわかるでしょう。
葬儀に参列するのは、亡き人との別れを惜しみ、偲び、残された家族の方々と言葉を交わすということに他なりません。
いわば、「自分がそうしたいから、自分がそうしなければならないから」という考えで行くものです。
「別れは述べたいけれど、交通費が出ないならばいかない」というのは少し変な気がしますよね。
そのため、交通費は一般的には参列者側が出すことが普通です。
ただこの場合も、親族間で「喪主側が負担する」ということが慣例となっているのなら、この限りではありません。
葬儀の場というのは、だれもが緊張し、疲弊し、悲しんでいるものです。
お金のことはたしかに大切ではありますが、ここでもめてしまうと、のちのちの付き合いにまで影響を及ぼしかねません。
自分が参加した時はどうだったかを考えて、それに沿うようにする方がよいでしょう。それを思い出せない場合は、「自分が出す」と思っておいた方が、トラブルを避けられます。
最後に
本当に賛否両論です。
私が葬儀会社にいたときも分かれていました。
あと、葬儀会社を経由しないで喪主側で手配する場合もあり、なかなか一概に言えません。
また、葬儀会社は、「自社の施設で泊まる」という場合以外はあまり積極的に確認していなかったような記憶があります。(執筆者:鍋谷 萌子)