民間保険の加入を考える前に確認を
子どもは危険を察知する能力が大人と比べて未発達。
そのため、思わぬ事故などでケガをしてしまうということもあるかもしれません。
私の娘も幼稚園に通っていた頃、すべり台で友達と衝突して前歯が折れ、しばらく歯医者に通院したことがあります。
子どものケガに備え、民間保険の加入を考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。でもちょっと待って!
お子さんが通う学校(PTA)などを通じて、保険や共済などに加入しているということはありませんか。
内容によってはそれで十分ということもあるかもしれないので、まずは確認を。
PTAで加入している例
私の住む札幌の小中学校の場合、多くの学校が独立行政法人日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」に加入しています。
さらに、PTA総会で承認され、札幌市PTA共済会にも加入するのが一般的なようです。
強制加入というわけではありませんが、多くの保護者がこれらに掛金を支払っていると聞きます。
なぜ2つの制度を提案されるのかというと、一方が学校管理下、もう一方が学校管理下外でのケガなどに備えるという違いがあるからです。
独立行政法人日本スポーツ振興センター「災害共済給付制度」
学校管理下の事由によるケガ、給食による中毒やその他の疾病に備えるもの。
・ 休憩時間中に鉄棒から落下してケガをした
・ 部活動練習中に転倒して骨折
・ 学校給食による食中毒
このように、学校の管理下である授業中、部活動など教育計画に基づく課外指導中、休憩時間中などでのケガや疾病に備えることができます。
札幌市PTA共済会
学校管理下外のケガに備える(PTA活動中も含む)他、PTA活動中の会員のケガにも対応している。
・ スキー中に転倒、夏休み中のプールで滑って転んだといった「スポーツでのケガ」
・ 自転車で転倒、公園のブランコから落下など、「地域生活でのケガ」
・ キャンプ中にやけどをする、友人の家で衝突といった<「外出先等でのケガ」
このような学校の管理下外でのケガに備えることができます。
2つの制度の給付金額など、詳しい情報は下記にある表にまとめてありますので、ご参照ください。
お住まいの自治体の助成制度も確認
今回は札幌の場合を皆様にご紹介いたしましたが、地域によっては、病気での入院・通院保障や個人賠償責任保険が付いているなど、保障内容がさらに充実しているものを勧誘されることもあるようですね。
何かと気ぜわしい入学時や新年度に勧められ、加入したこと事態忘れているということもあるかもしれません。子どもに新たな保険をかける前に、まずは確認してみましょう。
なお、自治体の医療費助成制度も普及しているのが一般的です。
札幌の場合ですと、未就学児の場合は通院、入院とも保険診療の自己負担分を札幌市が助成(初診時は医科580円、歯科510円の一部負担金あり)。
小中学生は入院医療費のうち、保険診療の自己負担分の助成があります(住民税非課税、住民税課税によって助成の内容が異なる)。
お住まいの自治体の助成制度も確認しておくと良いでしょう。(執筆者:横井 規子)