育児をしながら働くことは、とても大変です。
国は両立支援を推進するために2025年4月から改正された育児・介護休業法の施行が始まります。
育児と仕事の両立を目指しているため、内容的にかなり使いやすくなっています。この記事では、どこがどう変わるのか解説します。
子の看護休暇の見直し
子の看護休暇とは、小学校就学前の子を養育する労働者が子どものために取得できる休暇で1人なら5日、2人なら10日取得できます。
有給休暇を使い切ってしまった場合、子どものために欠勤にならずに休める制度です。ただし、無給の会社が多いのが現状です。
子の看護休暇について休暇の取得理由が拡大されて「子の看護等休暇」に名称が変更されました。
今までは、小学校就学前の子が対象でしたが、拡大されて小学校3年生終了時までとなりました。
小学校低学年は、まだまだ病気等にかかりやすいので助かるでしょう。
子の看護休暇を取得する理由としては、子どもの病気やケガ、予防接種や健康診断を受けるため等でしたが、これが拡大されて、感染症に伴う学級閉鎖や入園式、入学式、卒園式にも取得できるようになりました。
さらに今まで労使協定で対象外とされていた継続雇用期間6カ月未満の労働者に対しては、この規定が廃止されて、6カ月未満の労働者でも対象となる子どもがいれば取得できるようになりました。
特に6カ月未満なので有給休暇もなく、子どものために休んでしまうと欠勤扱いになるため休むことを躊躇していた方もいるかと思いますが、子の看護休暇を使えば、無給ですが欠勤扱いにはなりません。
残業の免除対象者の拡大
3歳未満の子を養育している労働者が申し出た場合、残業が免除されていましたが、対象が小学校就学前の子を養育している労働者に拡大されました。
小学校就学前までは手がかかり、残業は労働者にとって負担が大きいため、この制度の利用をおすすめします。
この制度があるにもかかわらず職場の同僚に気兼ねして残業をし続けた結果、育児と仕事と家庭生活で心身の疲労から病気になった方もいるので、同僚に配慮しながら残業は避けた方がよいでしょう。
短時間勤務制度が使えない業務に対してテレワーク制度
業務の都合上、短時間勤務制度を使えない労働者がいます。その方のために今までも始業時間の変更等がありましたが、これにテレワークの制度が追加されました。
育児のためのテレワークの導入
3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるような制度を設けることが企業の努力義務となりました。
子どもが1歳になって職場復帰する労働者も多いのですが、その場合、短時間勤務制度を利用しているケースがほとんどです。それが、テレワークが利用できるようになると家で子どもを見ながら仕事ができます。
ただし、努力義務ですので、企業によっては実施しないところもあるかもしれませんが、努力義務は数年後には義務化されますので、注意をしていてください。
柔軟な働き方を実現するための措置
この措置は2025年10月1日からの施行となります。
3歳になるまでは短時間勤務制度を使えますが。それ以降は使えないため働くことに悩んだ労働者も多かったのではないでしょうか?
この短時間勤務制度を小学校就学前まで利用できる企業もあるのですが、まだまだ少数です。そこで、この短時間勤務制度を加えた5つの制度から2つ以上の制度を企業に設けることを義務としました。
それが以下の5つの制度です。
・始業時刻等の変更
・テレワーク等(月に10日以上)
・保育施設の設置運営等
・養育両立支援休暇の付与(年10日以上)
・短時間勤務制度(小学校就学前まで)
企業がどの制度を選択するかわかりませんが、必ず労使での話し合いが必須ですので、その時は、女性社員同士で共闘して少しでも両立が可能となるような制度を選択するようにしましょう。
そして、労働者の仕事と育児の両立に関する制度について説明と意向確認をすることが義務となり、その際には労働者に対して配慮をしなければなりません。
具体的には、
勤務時間帯や勤務地にかかる配慮
業務量の調整
短時間勤務制度や子の看護休暇等の利用期間の延長
労働条件の見直し
などです。
特に子どもに障害がある等は、両立が大変なので我慢するのではなく、両立に対する配慮を企業に申し出ることをおすすめします。
短時間勤務なのに、業務量はフルタイムの時と変わらないという場合も申し出ましょう。
8時間労働が6時間労働になったので、当然2時間分の業務量を減らさなければならないのですが、まだまだ同じ業務量で働かせている企業が多いのが現状です。
申し出たにもかかわらず、配慮してもらえない場合は、法律違反となります。
2025年4月から育児をしながら働く労働者にとって働きやすくなる職場になることは、間違いないでしょう。
さらに妊娠中から育児をしている期間の労働者に対して企業は、両立支援制度の説明や働き方をどうするのか等、事前に個別に面談をして説明することが義務となりました。
この説明で疑問点を解消し、少しでも働きやすくなるようにしっかり訊くようにしましょう。
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