JR東日本が「オフピーク定期券」を発売してから1年が経つこのタイミングで、この秋よりチケット価格を値下げすることを発表しました。
達成困難で見返り薄いPayPayステップ加算より、LINEのキャッシュレスを併用したほうが断然トクになる
利用(乗車)できる時間が限られる分、通常の定期券よりもお得に買えることが魅力ですが、値下げを行う10月以降はどれくらい安くなるのでしょうか。
ここでは、2024年秋に実施するオフピーク乗車券の値下げ詳細と合わせて、どれくらい得するのか・向いている人についても紹介します。
「オフピーク乗車券」についておさらい
≪画像元:JR東日本≫
まずは、オフピーク定期券とはどんなものなのか、その特徴をざっくりとお伝えします。
〈オフピーク定期券の特徴〉
・ 平日朝のピーク時間帯“以外”は、定期券として利用できる
・ 通常の通勤定期運賃と比べて、約10%安い(2024年10月の改定後は約15%)
・ ピーク時簡単は、「入場時」に判定
・ 対象券種は通勤定期券(Suica・モバイルSuica)
※通学定期券/グリーン定期券/FREXおよびFREXパルは対象外
※障害者割引、特定者割引は対象
オフピーク定期券は、「平日朝の混雑する時間を避ける分、運賃を安くするよ」というもの。
ピーク時間帯は対象の駅によって異なります。
定期券は距離が遠いほど高い上に、6か月定期となれば数万単位で出費がかかりますから、オフピーク定期券の時間さえあえば使わなきゃ損のサービスです。
対象の区間
≪画像元:JR東日本≫
「オフピーク定期券」は、東京駅を中心した首都圏のJR線のみ適用されます。
関東エリアであっても、すべての路線・駅で使えるわけではありません。
また、定期券区間外から入場する場合でも、入場時間で判定されます。
≪画像元:JR東日本≫
オフピーク定期券の利用パターンについては、公式HPの例を見ると分かりやすいです。
【本題】2024年10月からどれくらい安くなる?
≪画像元:東日本旅客鉄道株式会社(pdf)≫
これまでも、通常の定期券と比べて約10%お得になるオフピーク定期券ですが、2024年10月からはからは「約15%引き」へ価格を改定します。
新宿・赤羽間のオフピーク定期券を利用する場合、改定前・改定後の差額は以下です。
〈1か月〉
・ 改定前(2024年9月まで):6,200円
・ 改定後(2024年10月以降):5,870円(-330円)
〈6か月〉
・ 改定前(2024年9月まで):2万9,870円
・ 改定後(2024年10月以降):2万8,290円(-1,580円)
定期券の価格は1か月でも決して安くはありません。
割引率が5%相当上乗せとなれば、数百円~数千円の引き下げとなり、通勤代の負担減につながりそうです。
2024年3月25日~「JRE POINT還元サービス」開始で5%還元!
≪画像元:東日本旅客鉄道株式会社(pdf)≫
オフピーク定期券のうれしいニュースは、もうひとつ。
2024年3月25日(月)以降有効となるオフピーク定期券を購入の上、以下の条件を満たした方を対象に、JRE POINTの還元を行います。
・ 条件 (1) :対象となるSuicaをJRE POINTに登録
・ 条件 (2) :JRE POINT WEBサイトにてエントリー
※ (1) (2) ともに、オフピーク定期券の有効開始月の末日までに実施
還元率は、オフピーク定期券の購入金額に対して、一律5%です。
仮に5,000円の定期券を購入したとしても、付与ポイントは250JRE POINT。
ちりも積もればお得感はさらに増します。
≪画像元:JR東日本≫
また、モバイルSuicaの場合はさらに+2%、モバイルSuicaでの定期券購入をビューカードで決済すると最大で+4%付与となるなど、さらに付与率がアップする特典もあります。
貯まったJRE POINTは、駅ビルのお会計やショッピングモールサイトのJRE MALL、Suicaへのチャージ(1ポイント=1円)など使い方はさまざま。
ポイントを普段の買い物に利用すれば、家計の節約にもつながりそうです。
オフピーク乗車券には注意点も
3月25日にはJRE POINTの還元、10月からはより割安に購入できるようになる「オフピーク定期券」ですが、購入前に知っておくべき注意点がいくつかあります。
1. 通勤定期しか使えない
「オフピーク定期券」は通勤定期限定です。
グリーン定期の他、通学定期は対象外のため、学生の方は利用できません。
※障害者割引・特定者割引は対象に含まれます。
2. 朝のピーク時間帯は通常運賃がかかる
「オフピーク定期券」は、割引価格で購入できる分、定期券として使える「時間帯」が限られます。
平日朝最も込み合うピーク時間帯は定期券として乗車できません。
「オフピーク定期券」でピーク時間帯に利用した場合は、Suicaから運賃が引き落とされます。
※土日は終日定期券として利用可能です
3. 遅延による特別な対応は行わない
さまざまな理由で、私鉄や地下鉄等の公共交通機関が遅延となる場合があります。
しかしそういったケースでも、ピーク時間帯に入場跡、特別な措置は行いません。
遅延によりピーク時間の入場を余儀なくされた場合、通常運賃がSuicaから引き落としとなるため、これはリスクととれるかもしれません。
4. 他の定期券と併用不可
「オフピーク定期券」は入場時間を判定する必要があるため、基本的には併用できません。
しかし、次のケースのみ「オフピーク定期券」との併用が認められています。
・ オフピーク定期券の券面表示区間ないの駅を発または着とする乗車券と併用する場合
・ 新幹線に有効な乗車券として新幹線乗換改札を利用する場合
5. ピーク時間帯は「入場時」でカウント
乗車する際のピーク時間帯は入場時に判定されます。
そのため、平日朝のピーク時間帯に改札を通ると、定期券の対象外。
Suicaのチャージ残高から通常運賃が清算されるため、注意が必要です。
値下げをふまえて「向いている」のはこんな人
オフピーク定期券の値下げを実施するのは秋ですが、3月25日よりJRE POINTの還元をスタートするため、この春からオフピーク定期券に乗り換えて損はありません。
しかし、安いからといって飛びつくのは禁物。
メリット・デメリットをふまえた上で、「オフピーク定期券が向いている人」は以下です。
・ 通勤時間を選べる、調整できる人
・ 遅延のリスクが少ない人
フレックス勤務など、ピーク時間帯を確実に避けられる人や、乗車時間が通勤ラッシュとずれている人におすすめです。
また、乗り換えが少なく、通期時間・距離ともにカツカツにならない人など、遅延で別途運賃が発生する心配がない人にもぴったりです。
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