先週は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したことによって、日常生活が少しずつ元に戻るのかなという期待と共に、インバウンド関連が盛り上がった1週間でした。
決算発表が一巡したことによって、投資家心理も和らぎ、買い優勢となって、勢いよく日経平均株価は上昇し、2021年9月14日の高値3万0670円を超えて、1990年8月以来、なんと33年ぶりの水準となりました。
円安も追い風となり、急角度で上昇しましたが、米国の債務問題など、マイナス要因も解消されたわけではありません。
引き続き、良い材料だけを見るのではなく、今は隠れてしまっている悪材料にも意識をもって今週の相場と向き合っていきたいです。
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チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きに推移し、株価も5日線に触れることなく推移しました。
25日線は、上向きで推移しています。株価とも乖離しています。
75日線は、上向きで推移し、2万8000円を超えてきました。
並び順は、5日25日75日の並び順で、引き続き安定上昇の並び順となっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、上向きで推移し、2万7687円処を推移しています。
トレンドライン
12日に三角持ち合い上放れで終わり、強気をみせて始まった一週間。
連日窓を開けながら急角度で上昇し、2021年9月14日高値3万0795円を超え青天井相場入りとなりました。
開けた窓は、
- 12日と15日
- 15日16日
- 17日18日
- 18日19日
この急上昇が終わり下へ向かう時に、それぞれの窓埋めが意識されるところと、下値支持となっている3月16日、4月6日7日、4月27日の斜めのラインがサポートになるのかが意識されるところです。
一目均衡表
引き続きとても強い形となっています。
基準線と転換線も上向きで、日々線に触れることなく上昇、遅行線も大きく上昇しています。
先週も日々線は雲から大きく乖離し、雲の機能を果たせていないほどの強さを見せています。
一目均衡表の対等数値を見てみると、上値メドとして意識される計算式では、E値が3万1807円ですので、しっかり確認していきたいところです。
ボリンジャーバンド
+1σと+2σの間を推移していた株価は、先週火曜日から+2σを超え、木金曜日と+2σを大きく超えて、+3σ接近で週末入りしました。
+3σに触れるということは、年に1回か2回あるかないかの稀な事なので、株価は+2σへ調整することも視野に確認していきましょう。
スローストキャスト
引き続き、買われすぎゾーンを下回ることなく横ばいで推移しています。
若干クロスしそうな位置で週末入りしましたので、今週買われすぎゾーンを脱するのかに注目です。
MACD
強い上昇トレンドを推移しています。MACDとシグナルも乖離し、ヒストグラムも陰転することなく強さを見せています。
次回の満月は6月4日ストロベリームーン、新月は7月18日です。
総合判断
引き続き日経平均株価は強い上昇トレンドで、パラボリックも強さを見せ2万9300円処を推移しています。
急角度で上昇したことによって歪みができ、そろそろ上値メドが近く、計算式を用いて利益確定に動いている投資家も多そうです。
本当に日本の経済状況が良くて、本当の買いが入っているとするなら、大型株が買われた後には、小型株が出遅れて買われていきます。
今回のこの上昇には違和感があり、大型株が勢いよく買われ、その後、なかなか小型がついていっていないという状況もあります。
東証の売買動向では、プライムは値上がっている個別銘柄が優勢ですが、スタンダードとグロースでは値上がり銘柄よりも値下がり銘柄のほうが多くなっています。
この上昇がまやかしではなく、スタンダードもグロースにも波及するようになったら本当の上昇が始まるのだと思います。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
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