CRGHD Research Memo(1):製造関連事業において大幅増益を達成。中長期的な成長に向けた基盤構築が進む
■要約
CRGホールディングス<7041>は、「人のチカラとIT」の融合を事業方針として掲げる総合人材サービス企業であり、人材派遣・紹介を中心とするヒューマンリソースサービス、採用・事務代行や製造請負などのアウトソーシングサービス、さらには業務のデジタル化・自動化を支援するITソリューションサービスを幅広く展開している。事業領域はいずれも企業の人材課題の解決を支援するものである。近年では、シニア、女性、グローバル人材といった未活用労働力の活性化にとどまらず、障がい者の雇用機会創出や処遇改善など、社会的意義の高い取り組みにも注力している。さらに、通訳・翻訳サービスの提供や、インバウンド向け宿泊管理事業にも着手しており、専門性の高いサービスラインを拡充している点が特徴である。
1. 2026年9月期中間期の業績概要
2026年9月期中間期の連結業績は、売上高8,299百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益154百万円(同15.4%減)、経常利益72百万円(同52.7%減)、親会社株主に帰属する中間純損失30百万円(前年同期は84百万円の利益)となった。フィナンシャル事業の連結除外により減収となったものの、HR関連事業及び製造関連事業が収益を下支えした。HR関連事業は、物流業界や製造業向け人材派遣が堅調に推移したほか、障がい者雇用支援や宿泊管理サービスの強化に取り組み、売上高6,466百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益50百万円(同9.6%増)となった。コールセンター向け人材派遣市場における需要の減少が続くなか、同社は派遣中心から高収益な請負案件へのシフトを推進しており、請負案件の売上構成比は前年同期の7.8%から13.4%へ上昇した。採算性を重視した案件の選別を進めたことで、減収ながら増益を確保している。製造関連事業は、売上高1,829百万円(前年同期比18.6%増)、セグメント利益141百万円(同221.0%増)と大幅な増収増益となった。東金工場の本格稼働に伴い生産体制が安定したことで、稼働率の向上と既存案件の拡大が進み、収益成長をけん引した。一方で、新規請負先の獲得は計画未達となったものの、既存案件の拡大が寄与し、高い利益成長を実現した。利益面においては、借入金のリファイナンス(債務の借り換え)に伴う支払利息やシンジケートローン手数料の計上が響き、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益は大幅な減益を余儀なくされた。ただし、これら一時的な金融費用を除いた実力ベースの通期計画に対する進捗率は50%を超えており、業績はおおむね順調に推移していると判断できる。特に製造関連事業の成長が顕著であり、事業ポートフォリオの再構築と収益構造改革が着実に進展している点を弊社では評価している。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の業績は、売上高18,000百万円(前期比9.6%増)、営業利益300百万円(同7.4%増)、経常利益250百万円(同18.6%増)と、増収増益を見込んでいる。親会社株主に帰属する当期純利益は100百万円(同34.8%減)を予想しているが、これは前期に計上した関係会社株式売却益197百万円という一過性の特別利益の反動によるものであり、本業の収益力低下を示すものではない。この特別要因を除けば収益基盤は着実に強化されており、事業の実態としては堅調な成長局面にあると評価できる。2026年9月期中間期の進捗率は、売上高で約46%、営業利益で約52%とおおむね計画どおりに推移している。このためこの通期業績予想を据え置いている。経常利益以下についてはシンジケートローン組成に伴う一時費用の影響で進捗率が低位となっているものの、当該費用は一過性であり、下半期の収益拡大を見込んでいることから業績予想の修正は行っていない。今後の成長戦略としては、常用型人材派遣の強化や派遣スタッフの育成を通じた高付加価値サービスの提供を推進するとともに、製造業やIT分野への領域展開を進める方針である。また、外国人材の活用拡大や派遣から請負へのシフトを継続し、さらなる収益性の向上を図る。足元では製造関連事業における収益改善や、HR関連事業の収益性向上施策が進展している。今後は、下半期における製造請負案件の拡大や障がい者雇用支援サービスの拠点展開などが、通期計画を達成するうえでの重要なカギになると見られる。
3. 中期成長戦略
同社の中期成長戦略は、既存事業の収益安定化を図りながら、新たな固定収益を積み上げることで、売上及び利益が中長期的に純増していく事業構造の確立を目指す点にある。2024年9月期は最終損失を計上したものの、これは主力であったコールセンター向け人材派遣において、コロナ関連特需が剥落した影響が大きく、競争力そのものの低下に起因するものではない。現に同事業は足元で下げ止まりの兆しを見せている。こうした環境認識のもと、同社はコールセンター向け人材派遣への依存度を引き下げ、製造、アウトソーシング、障がい者支援、IT・DXといった新規事業の育成を加速させている。人材派遣分野では、グループ内3社を統合して(株)ミライルへと再編したことで、経費削減や経営資源の効率化が進み、事業基盤の強化と外部環境耐性の向上が図られた。加えて、製造業への参入や障がい者雇用支援、宿泊管理事業といった新規事業が収益事業として立ち上がりつつあり、収益源の分散は着実に進展している。主力事業の構造転換と複数の成長ドライバーの育成を同時に進める同社の中期戦略は、持続的成長に向けた実効性の高い取り組みとして評価できる。
■Key Points
・2026年9月期中間期は製造関連事業において大幅増益を達成
・2026年9月期の進捗はおおむね順調で計画達成の蓋然性が高まる
・人材派遣事業の構造転換を進めつつ、新規事業を複数育成することで収益基盤を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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