CRGHD Research Memo(6):事業構造転換の影響をおおむね吸収。製造関連事業は大幅増益を達成(1)
■CRGホールディングス<7041>の業績動向
1. 2026年9月期中間期の業績概要
2026年9月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比2.6%減の8,299百万円、営業利益が同15.4%減の154百万円、経常利益が同52.7%減の72百万円、親会社株主に帰属する中間純損失が30百万円(前年同期は84百万円の利益)となった。フィナンシャル事業が連結対象から外れたことにより減収となったものの、HR関連事業及び製造関連事業が利益面を下支えした。
HR関連事業では、売上高が前年同期比3.1%減の6,466百万円、セグメント利益が同9.6%増の50百万円となった。物流業界及び製造業向けの人材派遣が堅調に推移したほか、障がい者雇用支援サービスにおける新規顧客獲得やサテライトオフィスの新設、宿泊管理サービスにおける都市型民泊運営支援の強化などに取り組んだ結果、売上高は前年同期を下回ったものの、収益性改善によりセグメント利益は増益を確保した。事業環境を見ると、主力分野の1つであったコールセンター向け人材派遣市場では需要の減少が継続している。顧客企業において派遣人材への依存を低減し、自社社員の活用やAIによる業務代替を進める動きが加速するなか、同社も同市場の需要回復については慎重な見方をしている。一方、この需要減少分については、製造関連事業、とりわけプロテクスにおける製造請負事業の拡大によって補完できている状況である。こうした環境変化を踏まえ、同社は派遣中心のビジネスモデルから、より高付加価値な請負案件へのシフトを積極的に進めている。その結果、請負売上構成比は前年同期の7.8%から13.4%へ上昇し、全体の利益率改善に寄与している。会社として派遣事業そのものを縮小する方針ではないものの、請負案件の比率が高まるほど収益性の向上が期待できるため、早期に請負比率50%超を実現することを目指している。また、今回の利益増加の背景には、こうした請負比率の上昇だけでなく、採算性を重視した案件選別の徹底もある。過去には不採算案件も存在したが、現在は売上規模の拡大を優先するのではなく、収益性を優先した事業運営へと舵を切っている。結果として、減収局面においても増益を確保できたことは、同社の事業ポートフォリオの見直しと収益構造改革が着実に進展していると言える。
製造関連事業では、売上高が前年同期比18.6%増の1,829百万円、セグメント利益が同221.0%増の141百万円となり、大幅な増収増益を達成した。この業績拡大の主因は、既存の製造請負拠点に加え、東金工場が本格稼働したことである。東金工場は前期から稼働していたものの、立ち上げ初年度は生産量が限定的で業績への寄与も小さかった。しかし、2026年9月期は生産体制が安定し計画どおりの成果を上げたことで、工場稼働率の向上と既存案件の拡大が収益成長を力強くけん引した。一方で、製造業向けの人材派遣及び新規請負先の獲得については計画未達となった。これは、営業拠点の拡充を進めたものの、案件獲得の進捗が想定を下回ったことが背景にある。ただし、既存請負案件の拡大や工場稼働の安定化によって収益性は大きく改善しており、結果としてセグメント利益の大幅な増益へとつながった。同社は今後、人員配置の見直しを図りながら営業活動を一段と強化し、新規請負案件の獲得を推進する方針である。なお、東金工場については顧客案件に関わるため詳細な開示は限定的であるものの、現時点でも生産キャパシティには余裕があり、ラインの増設も進めていると言う。既存案件のさらなる拡大余地を有していることから、今後も製造請負事業を中心とした成長が期待される。
利益面では、既存借入金のリファイナンスに伴う支払利息やシンジケートローン手数料の計上が影響し、経常利益は前年同期比52.7%減となった。また、これらの金融費用負担により、親会社株主に帰属する中間純損失30百万円を計上した。しかし、リファイナンスに伴う一時費用を除いた実力値ベースの利益水準に着目すれば、通期業績予想に対する進捗率は50%を超えており、上期としては順調な推移であると弊社では評価している。
総じて、フィナンシャル事業の連結除外による減収影響をHR関連事業と製造関連事業がおおむね吸収した格好である。特に製造関連事業における東金工場の本格稼働が収益改善に大きく寄与しており、事業ポートフォリオの再構築が着実に進展していると弊社では見ている。
2. 財務状況
2026年9月期中間期末における資産合計は8,373百万円となり、前期末比688百万円減少した。流動資産は4,666百万円と同852百万円減少した。主な要因は、受取手形及び売掛金が159百万円増加した一方で、現金及び預金が905百万円、流動資産その他が106百万円減少したことである。固定資産は3,706百万円と同163百万円増加した。これは主として投資有価証券が176百万円増加したことによるものである。
負債合計は5,412百万円となり、前期末比729百万円減少した。流動負債は2,713百万円と同2,920百万円減少した一方、固定負債は2,698百万円と同2,191百万円増加した。これは、既存借入金のリファイナンス実施に伴い、短期借入金が3,511百万円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金が純額で2,513百万円増加したことが主因である。これにより借入構造の長期化が進み、財務基盤の安定化が図られた。
純資産合計は2,960百万円となり、前期末比40百万円増加した。親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が80百万円減少したものの、投資有価証券の評価上昇に伴いその他有価証券評価差額金が114百万円増加したことが寄与した。この結果、自己資本比率は前期末の32.2%から35.4%へ3.2ポイント上昇した。
リファイナンスによる借入金の長期化効果により、流動比率は前期末の98.0%から172.0%へ大幅に改善している。短期的な支払い能力が向上したことに加え、営業活動によるキャッシュ・フローも改善し、フリーキャッシュ・フローは206百万円のプラスを確保した。今回のリファイナンスは、一時的にシンジケートローン手数料の計上による利益面への影響を伴ったものの、資金繰りの安定化や財務リスクの低減に大きく寄与している。複数の金融機関によるシンジケートローンの組成を通じて安定的な資金調達体制を構築したことは、今後の成長投資や事業拡大を支える財務基盤強化の観点からも重要な取り組みであったと評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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