1stコーポ Research Memo(4):2026年5月期中間期は減収減益も、建設事業では大幅な増収増益を確保
1. 2026年5月期中間期の業績概要
2026年5月期中間期の連結業績は、売上高15,258百万円(前年同期比44.0%減)、営業利益973百万円(同37.7%減)、経常利益912百万円(同39.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益615百万円(同39.9%減)となった。前年同期に大型の不動産売却案件が相次いだことや共同事業が好調に推移した反動により、全体では減収減益となったものの、中核である建設事業は2ケタ増収を確保し、セグメント利益(営業利益)も2倍以上拡大するなど堅調に推移した。一方、利益率については、利幅の薄い不動産事業の売上減少に加え、建設事業において価格転嫁が進展したことが寄与し、売上総利益率は前年同期比2.8ポイント上昇の11.4%、営業利益率は同0.7ポイント上昇の6.4%、経常利益率は同0.4ポイント上昇の6.0%、親会社株主に帰属する中間純利益率は同0.2ポイント上昇の4.0%となった。なお、不動産売上高が同水準であった2024年5月期中間期との比較では、増収増益を確保するとともに、利益率も改善しており、同社の収益基盤は堅調に推移した。
2. 事業分類別の業績概要
事業分類別では、建設事業は完成工事高が12,912百万円(前年同期比14.4%増)、完成工事総利益が1,539百万円(同97.5%増)、セグメント利益(営業利益)が1,499百万円(同101.6%)となった。完成工事高は、前期末の豊富な受注残高を背景に施工が順調に進捗したことで2ケタ増収を達成した。利益面では、価格転嫁の進展に加え、2022年以降の資材価格上昇前に受注していた案件が2025年5月期中にほぼ完工したことから利益率が改善し、大幅増益となった。2026年5月期に入ってからは、神奈川県相模原市、東京都練馬区、東京都立川市の案件を新たに着工し、2025年12月には東京都港区の案件が完成引渡済である。現在、分譲マンション工事は合計14件、2,015戸が施工中である。
不動産事業は、売上高が2,224百万円(前年同期比85.9%減)、売上総利益が220百万円(同86.2%減)、セグメント利益が57百万円(同96.0%減)となった。売上高の内訳は、不動産売上高が1,875百万円(同86.3%減)、不動産売上総利益は189百万円(同79.6%減)となった。前年同期に大型案件が複数あった反動により、売上高・利益とも減少した。一方、同事業では、従来の「仕入れて早期に売却する」モデルから、自社開発物件への投資を拡大し「じっくり保有して価値を高める」戦略へのシフトを進めている。この戦略に伴い、仕掛販売用不動産残高が16,346百万円(前期末比5,307百万円増)と高水準に達した。都心部や駅近エリアを中心に優良資産を確保しており、今後の収益拡大に向けた「仕込み」が進んでいる。
また、共同事業収入は348百万円(前年同期比83.7%減)、共同事業収入総利益は31百万円(同95.3%減)となった。前年同期の分譲マンションの販売好調の反動によるものである。ただし、同事業は竣工タイミングに左右されるストックビジネスの側面を持つため、中間期としては計画どおりの進捗であった。
3. 財務状況
2026年5月期中間期末の財務状況は、資産合計が前期末比8,810百万円増加の33,699百万円となった。これは主に、現金及び預金が1,889百万円減少した一方、受取手形・完成工事未収入金・電子記録債権が5,239百万円増加、仕掛販売用不動産が5,307百万円増加したことによる。
負債合計は同8,693百万円増加の23,821百万円となった。これは主に、支払手形・工事未払金・電子記録債務が2,487百万円減少した一方、有利子負債が11,979百万円増加したことによる。純資産合計は同117百万円増加の9,877百万円となった。
経営指標については、財務の健全性を示す自己資本比率は前期末比9.9ポイント低下の29.3%、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは同120.8ポイント上昇の169.1%となった。また、1年以内に返済する必要のある負債に対し1年以内に現金化される資産の割合を示す流動比率が200.3%、返済義務のない自己資本に対して固定資産の割合を示す固定比率が7.4%となった。有利子負債調達により総資産が増加したため安全性指標は低下が見られるものの、長短バランスがとれた調達のため、手元流動性に問題はないと言える。
4. キャッシュ・フローの状況
2026年5月期中間期の営業活動によるキャッシュ・フローは、13,294百万円の支出となった。主な収入は税金等調整前中間純利益912百万円であった。一方、主な支出は、売上債権の増加5,239百万円、棚卸資産の増加5,333百万円、仕入債務の減少2,487百万円であった。中間期末にかけて完成工事未収入金(売上債権)や将来の成長に向けた「仕込み」として、仕掛販売用不動産(棚卸資産)が積み上がったことによる。
財務活動によるキャッシュ・フローは11,425百万円の収入となった。主な増減要因は、短期借入金の純増6,730百万円、長期借入金の純増5,229百万円、配当金の支払532百万円であった。不動産事業における物件取得等の資金需要に対し、長短借入金による資金調達を行ったことが反映されている。
この結果、2026年5月期中間期末の現金及び現金同等物は1,889百万円減少し、同期末残高は3,510百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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