ヴィス:配当利回りは4%超で5%に迫る可能性も、株価も利益の成長曲線と同期して上昇
ヴィス<5071>は、オフィスデザインを核とした「ワークデザイン」をワンストップで提供する企業である。ブランディング事業(オフィスデザイン=空間、ウェブ・グラフィックデザイン=VI・CI、エクスペリエンスデザイン=運用支援)を主軸に、DXツール「ワークデザインプラットフォーム(WDP)」や組織改善サーベイ「ココエル」を提供するデータソリューション事業、フレキシブルオフィス「The Place」を展開するプレイスソリューション事業を手掛けている。人的資本経営の潮流によって追い風を受ける事業環境であり、企業のブランド作りの一環として「ワークデザイン」を手掛け、単にデザインを提供するだけではなく、作ったオフィスを通じた「体験」「思考」「行動」の変革を追求。独立系デザイン会社としてメーカー横断の最良提案、コンサルティングからのアプローチと直取引による高い利益率を実現している。また、コンサルティングやブランディングを事業の中核に据えたことで、2025年10月に東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場における所属業種を「建設業」から「サービス業」に変更した。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の16,489百万円、営業利益で同1.4%増の1,942百万円、経常利益で同0.8%増の1,925百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.8%増の1,369百万円となった。売上高、営業利益は5期連続増収増益を達成し、過去最高を更新した。売上高は1億円以上の大規模案件の受注が38件(同4件増)、受注高が7,577百万円(同35.1%増)となったことを背景に増収となった。これによって、主要KPIのプロジェクト単価も上昇した(同3.6%増、過去3年で約1.4倍)。利益面では、高単価案件への集中戦略により収益性が維持され、営業利益は増益を確保した。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比11.6%増の18,397百万円、営業利益で同0.5%増の1,951百万円、経常利益で同0.7%増の1,938百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.5%減の1,239百万円を見込んでいる。売上高は大規模案件の件数拡大により、増収を見込む。これまでのペースでの単価上昇は見込みにくいものの、件数増加による業容拡大を目指している。一方、利益面では、人的資本投資・生成AIの活用など成長投資を継続するものの、営業・経常利益で増益を見込んでいる。
3. 中長期の成長戦略
2026年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画「VISION2027」では、最終年度となる2028年3月期の目標として、売上高20,056百万円、営業利益2,027百万円を掲げている。長期ビジョン「VISION2030」では、2031年3月期に売上高25,000百万円・営業利益2,500百万円を目指している。成長戦略の中核はブランディング事業であり、顧客企業の成長に伴走し続けることで継続的な取り引きを実現している。現在はオフィスデザインから、働き方そのものをデザインする「ワークデザイン」へと領域を拡大している。その一環として「エクスペリエンスデザイン」の提供を通じて、伴走による運用支援を行う統合的なコンサルティングを強化し、他社との差別化を図っている。主要KPIとしては、受注件数を追うのではなくプロジェクト単価と受注率の向上を掲げ、高付加価値化による成長を目指している。
4. 株主還元策
同社は、成長性を重視しながら、資本効率と財務健全性の両立を図り、持続的な企業価値の向上を目指すことを基本方針としている。2024年3月期から配当性向30%とする基本方針へ変更し、2026年3月期から累進配当を採用した。2025年3月期は年間49.0円(配当性向30.0%)を実施し、2026年3月期は49.0円(同30.0%)を実施した。2027年3月期は累進配当を継続するとともに、配当性向を40%へ引き上げる。年間59.0円(同40.2%)と、1株当たり配当金は過去最高を更新する予定だ。フィスコ予想の最終年度には、配当利回りで約5%も視野に入る(今期予想で4.37%)。
5.株価
フィスコでは2029年3月期までの営業利益CAGR(2027年3月期の当社業績予想数値と比較)を+11.5%と予想、今後1年程度の目標株価を2,418円としている。中計達成が視野に入れば、目標株価は3,000円に迫ることもあろう。大きく織り込まれていない運用(ソフト)面での伴走支援が予想以上だと、目標超過の原動力となろう。なお、現状の株価は約1,350円となる。
■Key Points
・2026年3月期は売上高と営業利益が5期連続増収増益、大規模案件の増加が寄与
・2027年3月期は、売上高は2ケタ増収、営業利益も増益を確保する見込み
・3つのフェーズで経営計画を推進。2031年3月期に売上高25,000百万円、営業利益2,500百万円の達成を目指す
・2027年3月期より配当性向を40%へ引き上げ、株主還元を強化
・目標とされる株価は2,418円、中計の達成が視野に入れば3,000円も。
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