今仙電機製作所 Research Memo(3):2027年3月期は構造改革が奏功し大幅増益
■今仙電機製作所<7266>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が87,149百万円(前期比7.6%減)、営業利益が2,037百万円(同417.8%増)、経常利益が2,122百万円(同314.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,480百万円(同19.0%増)と、減収ながら大幅な増益となった。セグメント別では、主力であるシート・電装事業が売上高65,265百万円(同12.5%減)となるも営業利益が614百万円と前期の457百万円の損失から黒字に転換するなど回復が目立った。売上高は中国・タイでの減産やモデル末期機種の生産終了からマイナスを余儀なくされたものの、利益面では省人化や調達コストの削減などの施策が実った。電子事業は売上高16,803百万円(前期比11.7%増)、営業利益1,223百万円(同79.1%増)と大幅増益を確保した。新規立ち上がり車種が納入開始となったほか、同事業も合理化投資の効果が生じた。ワイヤーハーネス事業が好調のその他事業も売上高5,080百万円(同8.1%増)、営業利益233百万円(同39.1%増)と大幅増益となった。
地域別で見ると、日本国内が売上高38,461百万円(前期比2.2%減)、営業利益は580百万円(前期は510百万円の損失)、北米は売上高25,004百万円(前期比17.1%減)、営業利益508百万円(同15.1%増)、アジアは売上高23,683百万円(同4.6%減)、営業利益は956百万円(同132.9%増)となった。日米でモデル終了の影響のほか、アジアでは中国やタイでの生産減少などで売上はマイナスとなったが、各地域ともに合理化投資をはじめとした改善施策の効果が大きく、利益率が著しく改善した。
2. 財務状況
財務面では、資産合計が前期末比2,779百万円の増の81,111百万円となった。このうち流動資産は同899百万円増の53,526百万円となった。これは主に、現金及び預金が2,345百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が389百万円減少したことによる。固定資産は同1,879百万円増の27,584百万円となった。これは主に、投資有価証券が899百万円増加したことによる、負債では、電子記録債務が2,628百万円減少した一方、短期借入金が3,597百万円増加し、トータルで同277百万円減少の25,012百万円となった。純資産は同3,057百万円増の56,098百万円となり、自己資本比率は同1.4ポイント上昇し68.7%となった。
3. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高が86,000百万円(前期比1.3%減)、営業利益が3,000百万円(同47.2%増)、経常利益2,800百万円(同32.0%増)に、親会社株主に帰属する当期純利益は2,300百万円(同7.3%減)と、減収ながら営業利益と経常利益は大幅増益を見込んでいる。事業セグメント別では、シート・電装事業が中国やタイで日本車が販売不振となっている影響がある半面、その他事業で福祉事業、カメラ事業の受注が増加する見込みだ。地域別では、日本で新規車種の立ち上げがあるものの、北米で一部車種の打ち切り、引き続き中国・タイで日本車販売の不振を想定し、減収を見込んでいる。しかし、利益面では北米での拠点集約化、国内工場の再編が徐々に効果をもたらす見通しで、全体に原価低減のインパクトが大きく、営業利益と経常利益は大幅増益を見込む。
中国向けについては、日本車販売の不振が続くなか、急激に増加に転じるのが難しい状況にあると見ており、縮小した市場に合わせて体制を整えている。一方、北米では、テネシー工場を2024年末に閉鎖、北米のシートアジャスタ生産をオハイオ工場へ集約、一拠点化して効率を高めることに成功、原価低減を図ったことなどが利益率向上につながった。このように構造改革を進めたことで利益率が向上し、利益を生み出す体質に転換したと言えよう。今後も利益を生み出す施策を進める考えだ。
アジア地域では中国以外の地域、具体的にはインドにおいて日系メーカー主体で受注が増えている。インド向けは、日本メーカーの生産拡大という追い風もあるほか、メイド・イン・インディアの国策に沿って現地生産・調達を進めるなど、一段と最適化を図り拡大を目指す。北米に関しては引き続き米国自動車メーカーへの営業を強化する。
設備投資については、2027年3月期は7,665百万円と、2026年3月期の3,805百万円(2025年3月期実績は3,128百万円)からほぼ倍増を考えている。国内ではインバータ製品の立ち上げ準備に加え、国内工場の再編、IMASENグローバル開発・研修センターへの本社機能移転(2027年4月完了予定)などに係る費用を計上している。また、北米・アジア両地域で引き続き合理化投資などを行う予定だ。減価償却費は前期比204百万円増の3,242百万円を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
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