サーラ Research Memo(1):2025年11月期は増収・2ケタ増益。2026年11月期も増収・営業増益見込み
サーラコーポレーション<2734>は、愛知県豊橋市を本拠地とし、エネルギーからエンジニアリング、住宅・不動産、輸入車、動物用医薬品などに関わる多様な事業を展開するユニークな事業グループである。2025年11月期の連結売上高は2,515億円に上り、エネルギー関連では、愛知県東部・静岡県西部エリアを中心に、約54万件の顧客に対しラストワンマイルのサービスを提供する。従業員数は約5,000名、北海道から熊本県まで21都道府県に327ヶ所に拠点を展開する。2026年1月には2030年を最終年とする第6次中期経営計画を発表し、これまで2030年ビジョンに掲げていた「住まい分野の飛躍的成長」「連結営業利益120億円」の実現に向けた道筋を明確にした。
1. 事業概要
同社の事業は6つのセグメントに分かれており、主力セグメントであるエネルギー&ソリューションズ事業のほか、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、カーライフサポート事業、アニマルヘルスケア事業、プロパティ事業を展開する。事業モデルで分類すると、高い知名度とシェアを生かした地域密着事業モデルと専門特化の広域展開事業モデルに分かれる。地域密着事業モデルは、愛知県東部及び静岡県西部を地盤に展開するエネルギー&ソリューションズ事業、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、プロパティ事業が該当し、地域に密着して高いシェアを獲得している。専門特化・広域展開事業モデルは、専門性の高いニッチ市場をより広域で展開し、高い全国シェアの獲得を目指す事業である。カーライフサポート事業(フォルクスワーゲン、アウディ正規販売店)、アニマルヘルスケア事業がこれに該当する。
2. 2025年11月期の業績概要
2025年11月期の連結業績は、売上高が前期比4.6%増の251,533百万円、営業利益が同17.0%増の7,381百万円、経常利益が同21.2%増の9,927百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.8%増の5,870百万円となり、過去最高の売上高と営業利益を達成した。売上高に関しては、ハウジング事業とエンジニアリング&メンテナンス事業が増収をけん引した。営業利益に関しては、エネルギー&ソリューションズ事業とエンジニアリング&メンテナンス事業の寄与が大きかった。エネルギー&ソリューションズ事業では、都市ガスの売上総利益の増加、バイオマス発電所の順調な稼働、販管費の低減などから、営業利益が大幅に増加した。経常利益は営業外収益に為替予約に係るデリバティブ評価益1,892百万円(前期は評価益1,077百万円)を計上したことから増益となった。なお、デリバティブ評価損益は、輸入材を主燃料とするバイオマス発電事業の為替リスクを低減するために締結した為替予約の期末未決済残高の時価評価であり、キャッシュを伴わない評価損益であることに留意したい。
3. 2026年11月期の業績見通し
2026年11月期の連結業績は、売上高が前期比3.4%増の260,000百万円、営業利益が同1.6%増の7,500百万円と、ともに過去最高の更新を見込んでいる。2026年11月期は、前期上振れしたエンジニアリング&メンテナンス事業を除く5セグメントで増収を見込む。特に、ハウジング事業とカーライフサポート事業では、それぞれ前期比で3,000百万円以上の増収を予想する。営業利益面では、主力のエネルギー&ソリューション事業とエンジニアリング&メンテナンス事業が引き続き高水準の利益を見込むほか、前期は損失を計上したカーライフサポート事業とアニマルヘルスケア事業の営業黒字への転換を計画する。エネルギー&ソリューションズ事業では、暮らしのリフォーム事業・ビジネスのトータルソリューション事業・電力事業の3つを新たな収益の柱として成長させ、ビジネスモデルの変革を進める。エンジニアリング&メンテナンス事業では、グループ連携とDX活用、新サービスへの挑戦により、さらなる成長に向けた基盤の強化を行う。ハウジング事業では、住宅販売で高付加価値商品の開発と施工の効率化により新築事業の収益性を高めるとともに、リフォームで収益力の向上と事業エリアの拡大を目指す。カーライフサポート事業では、前期に損失要因となった中古車在庫の管理体制を見直すとともに、エリア特性を生かして販売強化を図る。アニマルヘルスケア事業では、倉庫集約による物流網の効率化、駐在モデルによる現場力・営業力の強化により強固な顧客基盤を築く。プロパティ事業では、不動産投資事業に注力し、良質な収益物件の確保を進める。
4. 成長戦略
第6次中期経営計画は2030年までの5ヶ年計画であり、基本方針は「X(Cross)120」である。Xは様々な枠を越えて「交差・連携・共創」「変革」を行うことで、新たな価値を創造する意思を込めた。「120」は創業120年(2029年10月)の節目を迎えることや、営業利益120億円を目指すことを示す。目指す姿(事業領域)としては、“E(イー)食住”と定義し、主力分野である“E”(=Energy、Environment)においては、電力事業の拡大・収益化を加速する。新規性の高い“食”(=食(FOOD)・農)に関しては、フードバリューチェーンにおいて新たな価値創造を行い、2030年以降に事業の柱の1つに成長させることを構想する。“住”(=住まい・暮らし、社会・産業インフラ)においては、リフォームを中心としたストック住宅ビジネスの構築(BtoC)、スマートエネルギー・ファシリティソリューションビジネスの構築(BtoB)、不動産投資事業の拡大等を強化する。最終年度の数値目標として、売上高で3,000億円(年平均成長率3.6%)、営業利益で120億円(年平均成長率10.2%)、ROEで10.0%(同3.3ポイント増)などを掲げる。
5. 株主還元策
同社は、株主への配当について、安定的かつ継続的に配当を実施していくことを基本に、配当は前期以上を維持しつつ、かつ為替予約に係るデリバティブ評価損益の影響を除く連結配当性向40%以上とし、また、自己株式の取得については、市場環境や資本効率を勘案し機動的に実施することを基本方針としている。2013年11月期以降、年間配当金は維持または増配を続けており、2025年11月期の年間配当金は1株当たり32.0円(中間16.0円、期末16.0円)、配当性向35.0%だった(デリバティブ評価損益の影響を除いた配当性向は45.7%)。2026年11月期の年間配当は前期比1.0円増の1株当たり33.0円(中間16.0円、期末17.0円)、配当性向40.8%を予定している。2026年1月の決算説明会では、今後の自己資本比率を40%程度にコントロールするとの表明があり、2030年11月期にかけて配当の増額や機動的な自己株式の取得を行い株主還元を強化する。
■Key Points
・2025年11月期は増収、主力2事業がけん引し各利益は前期比2ケタ増
・2026年11月期は引き続き増収・営業増益を予想。ハウジング事業、カーライフサポート事業が増収に寄与
・第6次中期経営計画がスタート。2030年に売上高3,000億円、営業利益120億円を目指す
・2026年11月期は、前期比1.0円増の1株当たり33.0円の配当を予定。2030年にかけて、配当の増額や機動的な自己株式の取得を行い株主還元を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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