粧美堂 Research Memo(5):2025年9月期は計画を上回る大幅営業・経常増益で14年ぶりに過去最高を更新
1. 2025年9月期連結業績の概要
2025年9月期の連結業績は売上高が前期比5.7%増の22,122百万円、営業利益が同45.5%増の1,469百万円、経常利益が同52.7%増の1,478百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同26.4%増の977百万円と五期連続の増収増益となった。2025年5月14日の期初予想修正(売上高、営業利益、経常利益の上方修正)に続いて、2025年9月26日に各利益の予想をさらに上方修正したが、これを上回る大幅増益で着地した。自社企画商品の売上高は同9.8%増の19,605百万円、売上構成比は同3.3ポイント上昇して88.6%となった。事業環境として原材料価格、人件費、物流費、市中金利の上昇など厳しい状況が続いている。そのなかで、NB商品の「SHOBIDO」ブランド価値・付加価値向上戦略や「Only SHOBIDO」にこだわったモノづくり戦略を推進し、主力カテゴリー(メイク関連商品、キャラクターコスメ商品、服飾雑貨など)の販売が好調に推移した。その結果、自社企画商品の販売単価上昇がけん引する形で売上総利益率が大幅に上昇した。そして営業利益と経常利益は14年ぶりに過去最高を更新した。
売上総利益は同28.3%増加し、売上総利益率は同5.6ポイント上昇して31.9%となった。為替変動を含む原価高騰がマイナス要因となったが、一方で自社企画商品の販売単価の上昇がけん引した。またPB商品については新たな協力工場を開拓してコストダウンを推進した。販管費は同24.5%増加し、販管費比率は同3.8ポイント上昇して25.3%となった。業容拡大に伴って主に人件費が同23.6%増加、販売促進費が同36.0%増加、物流費が同16.6%増加した。人件費については、成果主義によって従業員1人当たり年収が増加したほか、ピコモンテ・ジャパンを連結子会社化したことも影響した。販売促進費については高利益率のEC販売の拡大に向けて積極投資した。物流費については3PL業者を活用した物流効率改善により、コスト上昇を最小化した。
この結果、営業利益率は同1.8ポイント上昇して6.6%となった。営業利益の同459百万円増加の要因分析は、為替変動影響(外貨建て仕入に係るレート差影響)で同158百万円減少、国内仕入先の原価増(円建て仕入に係る商品原価上昇影響)で同318百万円減少、販売単価上昇(自社企画商品の単価上昇)で同1,637百万円増加、販売数量減少(選別受注等による減収・粗利減少影響)で同141百万円減少、販管費増加(物流費など変動費の増加)で同584百万円減少、その他(ピコモンテ・ジャパンを連結子会社化)で同24百万円増加となった。なお営業外では為替差損益が同81百万円改善(前期は差損56百万円、当期は差益25百万円)した。特別利益では関係会社株式売却益64百万円を計上したが、前期計上の関係会社出資金売却益97百万円が一巡した。
NB商品の売上が好調
2. 売上の動向
商品別売上高は化粧品が同9.2%増の8,850百万円、化粧雑貨が同1.0%増の6,976百万円、コンタクトレンズ関連が同10.5%減の2,244百万円、服飾雑貨が同24.6%増の2,792百万円、その他が同8.6%増の1,258百万円となった。主力の化粧品は、NB商品を中心に人気キャラクターをあしらった商品や大手食品会社とのコラボ商品が好調に推移したほか、新規連結したピコモンテ・ジャパンも寄与した。化粧雑貨は化粧品と同様にキャラクター商品やコラボ商品が好調も、全体としては微増収にとどまった。コンタクトレンズ関連は、前期に中国の孫会社(壹見健康科技(上海)有限公司)におけるECビジネス撤退の影響で減収となった。服飾雑貨はテーマパーク向けのバック・ポーチ類などPB商品が好調である。
業態別売上高は総合スーパーが同3.1%減の1,405百万円、バラエティストアが同19.3%増の2,271百万円、ドラッグストアが同7.7%増の1,864百万円、卸売業者が同1.2%増の1,440百万円、ディスカウントストアが同19.6%増の5,689百万円、ネット通販が同9.5%増の2,125百万円、均一ショップが同11.5%減の4,750百万円、その他が同9.8%増の2,575百万円となった。均一ショップはOEMが主力で単価上昇余地が小さいため案件ごとの採算性を重視して選別的に受注を行い減収となったが、バラエティストアとディスカウントストアが大幅増収となり、ドラッグストアやネット通販(自社ECサイト「粧美堂 ONLINE STORE」など)も順調に推移した。
財務健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2025年9月期末の資産合計は前期末比1,893百万円増加して16,321百万円となった。主に有形固定資産が196百万円、のれんが152百万円減少した一方で、現金及び預金が747百万円、売掛金が320百万円、商品及び製品が419百万円、為替予約が221百万円、投資有価証券が288百万円増加した。負債合計は同658百万円増加して8,510百万円となった。主に電子記録債務が673百万円減少した一方で、買掛金が201百万円、未払法人税等が405百万円増加したほか、有利子負債残高(長短借入金合計)が364百万円増加して5,072百万円となった。純資産合計は同1,235百万円増加して7,810百万円となった。主に利益剰余金が667百万円、繰越ヘッジ損益が146百万円、ピコモンテ・ジャパンの連結子会社化により非支配株主持分が392百万円増加した。この結果、自己資本比率は同0.1ポイント低下して45.5%となった。自己資本比率は若干低下したが、キャッシュ・フローの状況を含めて特に懸念材料は見当たらず、財務健全性が維持されていると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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