IDOM Research Memo(5):2026年2月期は、売上高・営業利益は過去最高を更新
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の業績は、売上高が前期比13.3%増の562,774百万円、営業利益が同1.6%増の20,209百万円、経常利益が同2.7%減の18,608百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.4%減の11,914百万円となり、売上高及び営業利益はともに過去最高を更新した。一方で経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は減益となった。
増収の要因は、小売台数が163,931台(同10.0%増)と過去最高を更新したことにある。期中に大型店を17店舗出店し、期末の大型店数が86店舗に拡大したことが販売台数増加に寄与した。また、オートオークション相場の上昇に伴い、小売・卸売ともに車両単価が上昇したことも増収要因となった。利益面では、小売事業は販売台数の増加と台粗利の拡大により増益となった一方、卸売事業は上半期の中古車相場下落の影響を受け、通期で減益となった。小売台粗利指数は113(目標水準を2ポイント上回る)となり、MD部門による在庫の集中管理及び、長期性能保証やメンテナンスパックなどの付帯商品の付帯率向上が寄与した。販管費は、地代家賃、人件費・採用費、CRMシステム開発投資を中心に増加したが、増収効果がこれを吸収し営業利益を確保した。経常利益は、有利子負債の増加及び金利上昇に伴う支払利息の増加により減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、実効税率の上昇が減益要因となった。
小売台数は前期比10.0%増で過去最高、大型店86店舗が寄与
2. 主要KPIの状況
2026年2月期の主要KPIは、おおむね堅調に推移した。大型店は期中に17店舗出店し、期末店舗数は86店舗となった。小売台数は163,931台(前期比10.0%増)と過去最高を更新し、小売台粗利指数も113と高水準を維持した。卸売台数は151,985台(同5.4%増)と増加し、期初予想を上回った。一方、卸売台粗利指数は109(同11ポイント低下)と低下しており、上期の中古車相場下落が収益性を圧迫した。買取台数は186,628台(同1.5%増)となった。
同社の小売粗利を指数化して分析すると、2023年2月期を100とした場合、2026年2月期は137へと37%増加した。これに対して店舗数(大型店+中型店)の増加は同期間で15.1%(192店舗→221店舗)にとどまっており、小売粗利の成長は店舗数拡大のペースを22ポイント上回る。要因分解すると、1店舗当たり小売台数の増加(数量効果)が21ポイント上昇、小売台粗利の改善(単価効果)が13ポイント上昇、両者の相乗効果が3ポイントの上昇となっている。大型店比率※の上昇(21.9%→38.9%)を背景に、展示スペース拡大による販売台数の増加と、付帯商品の付帯率向上による台粗利の改善が、同時並行で進展している。なお、大型店は出店から収益貢献までは数年のタイムラグを伴うため、2025年2月期及び2026年2月期に出店した店舗の利益貢献時期は2027年2月期以降となる見込みである。
※ 大型店舗数÷(大型店舗数+中型店舗数)
大型店の出店により、総資産・負債が増加も財務の健全性は維持
3. 財務状況と経営指標
2026年2月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比43,528百万円増加の263,569百万円となった。主な増加要因は、有形固定資産が15,148百万円、現金及び預金が12,045百万円、商品が4,442百万円、受取手形及び売掛金が3,682百万円、それぞれ増加したことによる。
負債合計は前期末比34,693百万円増加の173,901百万円となった。主な増加要因は、有利子負債が16,074百万円、買掛金が3,899百万円、それぞれ増加したことによる。
大型店の出店拡大により、資産及び負債が増加した。また、受取手形及び売掛金には、自社ローン(じしゃロン)の残高約25,600百万円を含んでいる。債権流動化(証券化)によって現状水準を維持する方針であり、資産及び負債のコントロールをするとともに、調達の多様化を行っている。
純資産合計は前期末比8,836百万円増加の89,668百万円となった。
収益性指標では、ROEは14.2%(前期比3.9ポイント低下)した一方、ROAは7.7%(同1.8ポイント低下)となった。安全性指標では、自己資本比率は33.4%(前期末比2.7ポイント低下)、D/Eレシオは1.08倍(同0.08増加)となったものの健全な水準を維持している。流動比率は233.4%と資金繰りには懸念のない水準である。
営業活動によるキャッシュ・フローが大幅な収入に転換
4. キャッシュ・フローの状況
2026年2月期における営業活動によるキャッシュ・フローは11,059百万円の収入となり、前期の20,036百万円の支出から大幅に改善した。棚卸資産が前期に28,561百万円増加していたが、2026年2月期は4,790百万円の増加に縮小したことが要因である。
投資活動によるキャッシュ・フローは11,513百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得による支出が要因である。
財務活動によるキャッシュ・フローは12,495百万円の収入となった。配当金の支払いによる支出が3,637百万円あった一方、有利子負債の純増額16,074百万円があったことが主な要因である。
結果として、現金及び現金同等物の期末残高は前期比12,045百万円増加し、27,462百万円となった。キャッシュ・フロー全体としては、財務活動によるキャッシュ・フローにより投資活動によるキャッシュ・フローを補い、営業活動によるキャッシュ・フローが現金及び現金同等物の増加につながった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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