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東邦ホールディングス:医薬品等の卸売事業が中核、業績好調ななか株価は上場来高値更新


*16:35JST 東邦ホールディングス:医薬品等の卸売事業が中核、業績好調ななか株価は上場来高値更新 東邦ホールディングス<8129>は、医薬品等の卸売事業を中核に、調剤薬局、医薬品製造販売、その他周辺事業を擁するグループである。事業セグメントは、医薬品卸売事業、調剤薬局事業、医薬品製造販売事業の3つに分類される。2025年3月期の売上構成比は、医薬品卸売事業が92.8%、調剤薬局事業が6.1%、次いで医薬品製造販売事業、その他周辺事業となる。

主力の医薬品卸売事業は、顧客の最大のニーズである「最適な商品調達」および「安心・安全な医薬品流通」という社会的使命を実現するため、物流ネットワークの整備・再構築を強力に推進。現在、約1,100社の国内外メーカーから20万種類以上の製品を仕入れ、全国11万軒を超える取引先に商品を供給している。また、独創的なシステム・サービスの開発・提案を通じて、医療機関や調剤薬局などの業務効率化を支援しており、医薬品発注・情報端末「ENIF」、医薬分業支援システム「ENIファーマシー」、診療予約システム「LXMATE HeLios」など、高度な情報テクノロジーシステムを駆使して開発した顧客支援システムも提供している。そのほか、調剤薬局事業は、地域医療・地域社会に貢献するかかりつけ薬局・薬剤師を目指して活動。医薬品製造販売事業ではジェネリック医薬品を中心とする医療用医薬品の製造・販売を行っている。

同社の強みは主に3つある。第一に、医薬品卸売事業を支える強固な事業インフラとなる。20年以上前から取扱製品の1品1品ごとに有効期限やロット番号で管理できるシステムを整備し、北海道から沖縄まで全国のどの営業所や物流センターにおいても必要な情報が一元管理できる仕組みを構築している。第二に、顧客支援ビジネスの厚みである。病院なび/HeLios/ファルモとの連携等、診療予約・ピッキング監査・電子処方箋等の実装を通じ、患者や医療機関など各ステークホルダーが抱える課題の解決や効率性の向上に貢献。顧客支援システムを30年以上前より開発しており、医療費抑制策の推進などにより医薬品市場の成長が限定的ななか、着実に利益を生み出す事業として、同社グループの大きなアドバンテージになっている。第三に、安心・安全な医薬品流通となり、大規模高機能物流センター「TBCダイナベース」を中心に最先端の自動化技術を生かして、品質(徹底した品質管理)、安全(トレーサビリティの充実)、効率(効率的な物流環境の構築)の3点において最高レベルを実現している。

8月5日に発表した2026年3月期第1四半期決算では、売上高が375,813百万円(前年同期比0.7%増)、営業利益が3,842百万円(68.6%増)で着地した。セグメント別では、医薬品卸売事業で帯状疱疹ワクチンの定期接種開始等に伴いワクチンの売上が増加やスペシャリティ製品をはじめとする取扱卸限定製品の売上が引き続き好調に推移した。カテゴリー別売上構成比で新薬創出加算対象品48.1%(前年同期43.6%)と増加。また、調剤薬局事業は、事業会社の再編(2024年3月末時点 24社→2025年4月1日時点11社)と医療DX推進体制整備加算などの技術料が増加したことで、セグメント単体で営業黒字に転換した。通期の売上高1,572,000百万円(前期比3.5%増)、営業利益20,700百万円(同9.3%増)を見込んでいる。

市場環境は、中期的に追い風と向かい風が混在する。追い風は、(1)少子高齢化とワクチン領域の制度整備拡充、(2)スペシャリティ領域の処方拡大、(3)地域医療DX(電子処方箋、オンライン服薬指導、クラウド連携等)の制度実装・普及である。一方、向かい風は、(1)薬価改定の継続、(2)物流・人件費の上昇などが挙げられる。同社は、流通改善ガイドラインを遵守した価格交渉、拠点統廃合・直行直帰・リモート営業等の生産性施策、「共創未来ポータル」の普及で効率化を進めており、環境変化に対する耐性を高めている。

中計2023-2025「次代を創る」では、「事業変革」、「成長投資・収益性向上」、「サステナビリティ経営」、「資本効率の改善と株主還元の向上」を挙げて計画を推進してきた。具体的には、卸売事業・調剤薬局事業の変革、地域ヘルスケアデザイン、産総研との連携研究のほか、成長投資ではスペシャリティ製品フルラインサービス、顧客支援ビジネスの進化など着実に実行している。今後の見通しでは、医薬品卸売事業基盤を核としてオーガニック成長を確実に実現しながらも、事業基盤を補強する機能を獲得することで企業価値を最大化することを目指していく。他企業、組織との積極的、かつ、大胆なアライアンスを加速させるようで、牽引役としてスペシャリティ製品の強化・拡充とそのフルライン化、顧客支援ビジネスのマネタイズ、CDMO(製造開発受託)・在宅配送のサービス収益化を進める。数値目標では、2029年3月期にROE8%以上、営業利益率1.5%以上を掲げる。キャピタルアロケーションでも、成長投資500億円で、スペシャリティ製品の獲得に繋がる企業とのアライアンス・買収、新規事業の早期展開を目指した企業とのアライアンス・買収を行っていく方針を示している。

株主還元では、2026年3月期に年間配当金90円(中間45円・期末45円)を予定。DOE 2%以上を掲げており、DOE2%達成後は利益成長に合わせた安定的な増配を継続、自己株取得は継続的に実施していくようだ。直近株価も好調に推移する中、堅調な業績推移を横目に、さらなる成長に布石を打っている同社の今後の動向に注目しておきたい。

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