高島 Research Memo(4):売上高・営業利益ともに期初計画を上回って着地、機能強化を着実に推進
1. 2025年3月期の業績概要
高島<8007>の2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.9%増の94,503百万円、営業利益が同21.8%増の2,129百万円、経常利益が同1.0%増の2,024百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同67.6%減の1,566百万円となった。売上高・営業利益ともに期初計画を上回って着地した。
売上面は、建材、産業資材、電子・デバイスとすべての事業セグメントが前期比で増収となった。利益面に関しては、中期経営計画「サステナV(バリュー)」で定める各種戦略を着実に遂行するなか、機能強化を推進したこと、産業資材セグメントにおいて連結子会社の工場稼働率が向上したこと、電子・デバイスセグメントのデバイス分野において在庫バランスが改善したことなどにより、営業利益率は前期比0.4ポイント改善した。
なお、経常利益に関しては、在外子会社における現地通貨安の影響を受け為替差損が増加したことなどが影響したほか、親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、前期に賃貸ホテル及び投資有価証券の売却益を特別利益として計上していたことの反動があった。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) 建材セグメント
売上高は前期比4.9%増の61,017百万円、セグメント利益は同15.0%減の1,671百万円となった。売上高を分野別に見ると、建設資材分野は同7.7%増の34,464百万円、住宅資材分野は同0.5%増の3,507百万円、断熱資材分野は同2.5%増の9,013百万円、再生可能エネルギー資材分野は同2.1%増の14,019百万円と拡大した。建設資材分野は、既存事業の案件獲得が堅調であったことに加え、2023年6月に連結子会社化した岩水開発が通期で業績寄与(前期は8ヶ月分)したこともトップラインを押し上げた。住宅資材分野、断熱資材分野、再生可能エネルギー資材分野については、製品やサービスの機能強化を積極的に推進し、いずれの分野も増収を確保した。他方で利益面については、建設資材分野の一部大型案件において収益性が当初の想定を下振れたことに加え、間接経費の増加も響き、減益となった。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前期比4.7%増の17,998百万円、セグメント利益は同49.0%増の1,054百万円となった。売上高を分野別に見ると、樹脂関連資材分野は同8.0%増の9,894百万円、繊維関連資材分野は同1.0%増の8,103百万円だった。樹脂関連資材分野は、自動車、電子機器、精密機器向けの部材や物流資材の受注が増加した。繊維関連資材分野はトラック資材を中心とする重布関連の需要が持ち直し、防衛省向け装備品の案件も増加した。また、同社は2024年1月に高島インダストリーズ(株)を設立し、意思決定の迅速化や経営資源の効率的な配分などを図る体制を整備しており、産業資材セグメントにおけるポートフォリオの選択と集中を着実に進めている。利益面については、増収効果や構造改革による事業運営の質的な転換に加え、連結子会社の工場稼働率が向上したことによりコスト効率が改善し、大幅増益を実現した。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前期比4.9%増の15,514百万円、セグメント利益は同77.0%増の727百万円となった。売上高を分野別に見ると、デバイス分野は同11.0%増の6,812百万円、アセンブリ分野は同0.5%増の8,688百万円だった。日本国内の民生電子機器市場及び白物家電市場は依然として本格的な需要回復には至っていないものの、コロナ禍以降に積み上がっていた部品在庫の出荷が進み、在庫解消が進んだことが増収増益に寄与した。
2. 財務状況
2025年3月期末時点の資産合計は、前期末比365百万円減の60,044百万円となった。このうち流動資産は同2,526百万円減の41,351百万円となった。これは主に、現金及び預金が3,291百万円、売上債権(受取手形+売掛金+電子記録債権)が2,626百万円それぞれ減少したことによる。固定資産は同2,162百万円増の18,693百万円となった。これは主に有形固定資産が1,684百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比710百万円減の36,120百万円となった。このうち流動負債は同4,541百万円減の27,808百万円となった。これは主に短期借入債務(短期借入金+1年内償還予定の社債+1年内返済予定の長期借入金)が1,615百万円増加した一方で、仕入債務(支払手形及び買掛金+電子記録債務)が4,565百万円、未払法人税等が2,026百万円それぞれ減少したことによる。固定負債は同3,830百万円増の8,311百万円となった。これは主に長期借入債務(社債+長期借入金)が3,547百万円増加したことによる。純資産合計は同346百万円増の23,924百万円となった。これは利益剰余金が親会社株式に帰属する当期純利益の計上により146百万円、為替換算調整勘定が756百万円それぞれ増加したことによる。
安全性については、自己資本比率が39.8%(前期末は39.0%)、流動比率が148.7%(同135.6%)、固定比率が78.1%(同70.1%)となった。固定比率に関しては、前期末から上昇したものの依然として健全な水準であることに変わりはない。流動比率は前期末から改善している。固定比率、流動比率ともに健全な値であり、長短の手元流動性に問題はないと弊社は考える。また、固定比率に関しても、企業価値の向上を目的に戦略投資を積極化していることなどが要因であり、基本戦略を着実に実行している結果である。将来の成長に向けた投資を積極的に行いつつ、財務の健全性を維持していると言えるだろう。自己資本比率に関しては、前期末から改善しており、問題のない水準であると弊社は見ている。
2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,740百万円の支出となった。主に、税金等調整前当期純利益を計上した一方で、法人税等の支払、仕入債務の減少による。投資活動によるキャッシュ・フローは1,282百万円の支出となった。主に、連結範囲の変更に伴う子会社株式の取得、貸付けによる支出により減少したことによる。財務活動によるキャッシュ・フローは419百万円の収入となった。主に短期借入金の増加により増加したことによる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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