AIinside:AI-OCR国内トップシェア企業、AIエージェント化戦略で次なる成長ステージへ
AIinsideは、AI-OCR技術で国内トップシェアを誇りながら、生成AIやエッジ技術を駆使した業務自動化ソリューションを展開する企業です。「DX Suite」は市場シェアNo.1のAI-OCRサービスで、高精度な読み取りを実現し、多様なフォーマットの非定型帳票にも対応しています。また、セキュリティ性が高く即時性が求められる官公庁や金融機関向けに、「AI inside Cube」をクラウドを介さずに提供しています。2026年3月期には、売上高5,050百万円、営業利益505百万円を見込んでおり、AIエージェント化とLLM「PolySphere-3」の進化を重要戦略としています。同社は、独自のデータ資産と技術力を武器に、AIソリューションのさらなる進化を目指し、ソフトウェア市場への展開も視野に入れています。
主力製品は、手書き文字などを高精度で読み取るAI-OCRサービス、市場シェアNo.1の「DX Suite」だ。クラウドでの提供に加え、オンプレミスでの導入が可能な「AI inside Cube」も提供している。「DX Suite」は、帳票の種類を識別して自動仕分けする「Elastic Sorter」や、多種多様なフォーマットの非定型帳票にも対応した「Intelligent OCR」を内包し、業種を問わず広く利用されている。さらに、マルチモーダルなAI統合基盤「AnyData」なども展開。これらの製品・サービスを通じて、業務の自動化・効率化を推進し、誰もが意識せずAIの恩恵を受けられる社会の実現を目指している。
同社の優位性は、質・量ともに優れたデータ資産、独自の分散推論インフラ、自社LLMを含む生成AIの研究開発力、強固な顧客基盤と多様な販売チャネルの4点である。「DX Suite」は、累計読取回数は98億回を超えるなど、膨大かつ高品質なデータを蓄積、高精度なAIを継続的に生み出す基盤となっている。さらに、クラウドを介さずにユーザーの手元でAI処理を実行できる「AI inside Cube」は、セキュリティ性や即時性が求められる官公庁や金融機関などのニーズに応える独自のハード製品である。加えて、分散処理によって処理負荷を分散させることで、システム全体のコストを抑えつつ、高価なハイエンド半導体を使用せずに効率的なAI運用を可能としている。また、生成AI・LLM分野では、独自モデル「PolySphere」を開発しており、2%未満のハルシネーション率といった技術的優位性を確立、更に進化が継続中だ。加えて、114社にのぼる販売パートナーとの連携により獲得してきた、地方企業から大手企業・官公庁までに至る幅広い顧客層からの支持も同社の強みと言えよう。
2025年3月期決算は、売上高4,399百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益385百万円(同14.2%減)、経常利益405百万円(同5.3%減)、当期純損失497百万円であった。「DX Suite」の契約件数は3,057件(前年同期比9.6%増)、ユーザー数は66,477人(同18.8%増)と順調に拡大し、月平均のAI利用回数は2.1億回(同9.0%増)に到達。また、継続的な収益源となるリカーリング型売上は4,188百万円(同8.9%増)と堅調に推移した。利益面では、業容拡大に伴う採用費、広告宣伝費や業務効率化のためのIT関連支出等の影響で、営業利益、経常利益ともに減益となった。また、過去の企業買収にかかるのれんの減損損失685百万円を計上したことから、最終損益は赤字の着地となった。
2026年3月期の業績は、売上高5,050百万円(前期比14.8%増)、営業利益505百万円(同31.1%増)、経常利益481百万円(同18.8%増)、当期純利益332百万円を見込んでおり、成長加速フェーズへの本格的な移行を進める計画である。売上構成としては、リカーリング型売上が4,663百万円(同11.3%増)と引き続き2ケタ成長を見込んでおり、収益の安定性を高める見通し。契約件数も前期末3,057件から3,505件へと、14.7%の増加(うちDX Suite Liteは20.2%増)を計画しており、顧客基盤のさらなる拡大を推進する。
2026年3月期の重点戦略は、主力製品「DX Suite」のAIエージェント化と、自社開発LLM「PolySphere-3」の進化だ。「DX Suite」は、AIエージェント機能を標準搭載し、全ユーザーへ提供を開始した。帳票の読取設定やストレージ連携が可能となり、今後は、データ整形、後続システムとの連携などの自動化を予定している。さらに、顧客ごとの帳票に最適化された学習モデルも提供、新規顧客の獲得と既存顧客の利用拡大を同時に狙う。「PolySphere-3」は、非定型帳票の項目抽出精度やスループットを大幅に向上。国産LLMとして、今後は日本語音声への対応、マルチモーダル統合、フルデュプレックス音声対話、320ms以内の高速音声応答、Chain of Thought(CoT)による一貫性・記憶機能の実装など、UXのさらなる革新を進める。また、研究開発投資やITインフラ整備、人員体制の強化を継続しつつ、生産性の向上にも注力していく計画だ。
正確さやスピード、導入のしやすさで高い評価を受けるAI-OCRサービス「DX Suite」は、企業や官公庁の現場で生産性向上に貢献してきた。この実績をベースに、自社LLMや分散推論といった独自技術を生かし、従来のAI市場に加え、ソフトウェア市場への展開も視野に入れている。AI-OCRで築いた優位性を武器に、AIエージェント化戦略で事業領域を拡大していく同社の今後の展開には注目しておきたい。
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