ミライトワン Research Memo(1):「超・通建」に向けて成長分野が順調に拡大
ミライト・ワンは、「超・通建」を目指し、多角的な社会インフラの提供を推進している。2025年3月期は、国際航業の寄与や不採算案件の減少により、連結業績で売上高5,785億円、営業利益279億円を達成し、過去最高のEBITDAを記録した。2026年3月期には、さらなる増収増益を見込み、売上高6,200億円、営業利益340億円を予想している。中期経営計画においては、事業成長や利益性の向上に焦点を当て、「フルバリュー型モデル」を軸に事業ポートフォリオの強化を図る。具体的には、成長分野の「みらいドメイン」拡大と、通信基盤ドメインの生産性向上を目指している。なお、最終年度には売上高7,200億円、営業利益率6.5%以上を掲げ、成長投資や株主還元も積極的に行う方針である。
ミライト・ワン<1417>は、2010年10月の通信建設会社3社の経営統合を経て2022年7月に設立された。通信建設業界では3社の一角を占める。通信建設市場の緩やかな縮小を見据え、「超・通建」に向けた事業構造改革を進めており、M&A等を通じて事業規模と事業領域の拡充を図ってきた。特に、「街づくり・里づくり」「DX・GX」といった複合化・総合化した社会課題(顧客ニーズ)の拡大に着眼し、通信だけでなく、ICTや電気・土木・建築等の幅広い社会インフラ領域で、企画から設計・施工・運用までをトータルに提供する「フルバリュー型モデル」の実現と事業ポートフォリオ変革に取り組んでいる。2022年5月、現在のグループ体制への移行を前に、「MIRAIT ONE GroupVision 2030」及び5ヶ年の中期経営計画を公表した。再定義したパーパス『技術と挑戦で「ワクワクするみらい」を共創する』の下、人間中心経営を中核に据えるとともに社会性・成長性の高い「街づくり・里づくり/企業DX・GX」「グリーンエネルギー事業」「ソフトウェア事業」「グローバル事業」の4分野を「みらいドメイン」として定義し、経営資源を集中することで成長を加速する方向性を描いている。
1. 2025年3月期の連結業績
2025年3月期の連結業績は、受注高が前期比14.6%増の6,291億円と大幅に伸びたほか、売上高が前期比11.6%増の5,785億円、営業利益が同57.0%増の279億円と計画を上回る増収増益となった。また、EBITDAについても大きく増加し、売上高・EBITDAは過去最高を更新した。売上高は、国際航業(株)の通年寄与(9ヶ月分の上乗せ)を含め、「環境・社会イノベーション事業」が大きく伸長した。それに伴って、注力する「みらいドメイン」の構成比は43%(前期は35%)と順調に拡大することができた。利益面では、増収による収益の押し上げに加え、前期業績に影響を及ぼした不採算案件の減少により大幅な営業増益を実現し、営業利益率も4.8%(前期は3.4%)に回復した。活動面でも、リスクマネジメント体制(不採算案件の予防・監視体制)の確立並びに西武建設(株)と国際航業との三位一体によるシナジー創出、組織再編による効率化推進など、今後に向けて大きな進展が図られた。
2. 2026年3月期の業績予想
2026年3月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比7.2%増の6,200億円、営業利益を同21.5%増の340億円と引き続き増収増益を見込んでいる。また、EBITDAも同15.1%増の480億円に増加し、過去最高業績を更新する見通しだ(売上高は10期連続)。売上高は「企業/環境社会ドメイン」が豊富な繰越工事の完工により順調に拡大する一方、「通信基盤ドメイン」は堅調に推移する。利益面では、「企業/環境社会ドメイン」の伸びと「通信基盤ドメイン」の生産性向上により大幅な増益を実現し、営業利益率は5.5%に改善する想定となっている。1株当たり年間配当額は同10.0円増の85.0円を予定しており、実現すれば6期連続の増配となる。
3. 中長期的な成長戦略
現在推進している第5次中期経営計画(5ヶ年)はスタートして3年が経過した。「MIRAIT ONE Group Vision 2030」で掲げた「超・通建」(幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決に貢献し続ける企業グループへの進化)に向けて、1) 人間中心経営、2) 事業成長の加速、3) 利益性トップクラス、4) データインサイト経営、5) ESG経営基盤強化の5つの事業変革に取り組んでいる。特に「フルバリュー型モデル」による「みらいドメイン」の拡大、並びに「通信基盤ドメイン」の生産性向上などを通じて、最終年度(2027年3月期)の売上高7,200億円、営業利益率6.5%以上、EBITDA率8.5%以上、ROE10%以上を目指す。そのための成長投資(M&Aを含む)を積極的に行うほか、株主還元についても総還元性向50〜70%をターゲットレンジとして、安定的な配当成長と機動的な自己株式取得を実施する方針である。
■Key Points
・2025年3月期は国際航業の通年寄与や不採算案件の減少も手伝い、計画を上回る増収増益を実現
・「超・通建」に向けて「みらいドメイン」が順調に拡大したほか、三位一体シナジー創出も順調に進捗
・2026年3月期も増収増益となり、受注高・売上高・営業利益・EBITDAは過去最高を更新見込み(売上高は10期連続)
・中期経営計画では、「超・通建」に向けて5つの事業変革に取り組み、「フルバリュー型モデル」による事業ポートフォリオ強化と収益性の向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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