ミライトワン Research Memo(4):2025年3月期は計画を上回る増収増益を実現
ミライト・ワンの2025年3月期の連結決算は、前年同期比で大幅な増収増益を達成しました。売上高は11.6%増の5,785億円、営業利益は57.0%増の279億円と、過去最高を更新する好成績を収めました。特に「環境・社会イノベーション事業」が41.7%増と大きく貢献し、再生可能エネルギーや電気空調分野が成長を牽引しました。NTT事業もモバイル品質投資の増加で堅調に推移。一方、マルチキャリア事業は減収となりましたが、全般として利益率は改善。2026年3月期も引き続き増収増益を見込み、新たなシナジーやリスクマネジメント体制の整備が企業価値向上に寄与すると期待されています。
1. 2025年3月期決算の概要
ミライト・ワン<1417>の2025年3月期の連結業績は、受注高が前期比14.6%増の6,291億円、売上高が同11.6%増の5,785億円、営業利益が同57.0%増の279億円、経常利益が同47.0%増の274億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.0%増の171億円と増収増益となった。また、重視するEBITDAについても同48.9%増の417億円と大きく増加し、売上高・EBITDAは過去最高を更新した。
売上高は、国際航業の通年寄与(9ヶ月分の上乗せ)を含め、「環境・社会イノベーション事業」が大きく伸長した。一方、「ICTソリューション事業」は大型案件(LAN等)の剥落によりわずかな伸びに留まったものの、ミックスの改善等が進んだ。また、「NTT事業」はモバイル向け品質改善投資を背景に伸長したが、「マルチキャリア事業」は設備投資抑制の継続により減収となった。以上の結果、注力する「みらいドメイン」の構成比は43%(前期は35%)と順調に拡大できた。
利益面では、増収による収益の押し上げに加え、前期業績に影響を及ぼした不採算案件の減少により大幅な営業増益を実現した。営業利益率も4.8%(前期は3.4%)に回復した。
財政状態に大きな変動はなく、総資産は増収に伴う営業債権の増加等により前期末比3.4%増の5,377億円となった。
各事業の決算概要は以下のとおりである。
(1) 社会・環境イノベーション事業
売上高は前期比41.7%増の2,037億円と大きく拡大した。国際航業が通年寄与(365億円の増収要因)したほか、再生可能エネルギー、電気空調、土木水道がそれぞれ伸長した。また、西武建設による建築/リノベーション分野も好調に推移した。また、国際航業及び西武建設との三位一体によるシナジーも順調に進展しており、計画を上回る受注額を獲得できた。
(2) ICTソリューション事業
売上高は前期比0.1%増の1,432億円とほぼ横ばいで推移した。大型案件の剥落によりLAN等や物販が落ち込んだものの、需要が拡大しているDC・クラウド、グローバル(DCケーブリング等)が伸びたほか、ソフトウェアも堅調に推移したことから、前期と同水準の売上高を確保でき、ミックスの改善等が進んだ。
(3) NTT事業
売上高は前期比4.8%増の1,905億円と堅調に推移した。NTTグループ向けに固定・モバイルともに伸ばすことができた。特に、モバイル向けは品質改善投資の増加が追い風となった。
(4) マルチキャリア事業
売上高は前期比17.3%減の410億円と減少した。5G基地局整備の一巡やCATV関連の減少により、モバイル・固定・CATVともに減収となった。
2. 2025年3月期の総括
2025年3月期を総括すると、計画を上回る増収増益を達成した業績面はもちろん、今後に向けた取り組みにおいても、リスクマネジメント体制の構築や三位一体シナジーの創出、組織再編による効率化推進などで大きな進展が図られた。特に、「みらいドメイン」を中心に事業拡大を図りながら、生産性の向上、不採算事業の予防・監視といったバランスの取れたマネジメントを実践し、それぞれに成果を上げたところは高く評価できるポイントと言えるだろう。また、西武建設に続き、国際航業の子会社化により、のれん償却費が増加したものの、シナジー創出を含めた利益の積み上げにより吸収できたほか、キャッシュベースのEBITDAでは過去最高水準を更新しており、M&Aが狙いどおりに企業価値向上につながっていることを確認できた。
■業績見通し
2026年3月期も「みらいドメイン」を軸に増収増益基調が継続
2026年3月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比7.2%増の6200億円、営業利益を同21.5%増の340億円、経常利益を同23.8%増の340億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同22.2%増の210億円と引き続き増収増益を見込んでいる。また、EBITDAも同15.1%増の480億円に増加する見通しであり、実現すれば、売上高、営業利益、EBITDAともに過去最高を更新することになる(売上高は10期連続)。
売上高は、「みらいドメイン」を軸に「企業/環境社会ドメイン」が順調に拡大する一方、「通信基盤ドメイン」は堅調に推移する見通しである。
利益面では、「企業/環境社会ドメイン」の拡大に伴う収益の底上げと「通信基盤ドメイン」における生産性向上により大幅な増益を実現し、営業利益率は5.5%(前期は4.8%)、EBITDA率は7.7%(前期は7.2%)に改善する想定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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