株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(2)
株式会社ヘリオスの代表執行役社長・鍵本氏は、同社のミッションを「生きる価値を爆発的に増やすこと」とし、iPS細胞と骨髄由来細胞を用いた新しい医薬品の開発に注力していると説明しました。特に、難治性の病気に対する治療法の開発が進んでおり、再生医療と遺伝子治療を含む市場が2030年には約6.8兆円、2040年には12兆円に達すると予測されています。ヘリオスは、iPS細胞による再生医療と、急性疾患への応対として骨髄由来細胞を用いる二つのアプローチを進めています。重症肺炎や脳梗塞への治療薬開発は商用化に近づいており、統計学的に有意な改善結果が得られています。
■企業説明
■ヘリオス 鍵本様
改めまして、株式会社ヘリオス 代表執行役社長の鍵本です。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
ヘリオスという会社は、「生きる価値を爆発的に増やす」ことをミッションとして掲げています。いきなりこの言葉を聞くと、「何を言っているのか?」と思われるかもしれませんが、私たちが取り組んでいるのは、細胞を用いて病気を治すという、これまでの医学にはなかったアプローチなのです。
近年、皆さんもご存じのとおり、日本ではiPS細胞が発明されました。これにより、さまざまな医薬品や治療法の開発が進んできています。私たちの体はすべて細胞で構成されています。だからこそ、その細胞を使うことで、これまで治療が困難だった病気にも新たな道が開けてくると考えています。実際に、そうした病気がいくつも出てきており、我々はそれに対する解決策を提供しようとしています。そういった活動を通じて、当社としては「生きる価値を爆発的に増やす」ことをミッションに掲げて、日々経営に取り組んでおります。
そもそも、医薬品の進化について少しお話しします。
もともと、たとえば皆さんが頭痛になったときには、頭痛薬を飲まれますよね。粉薬などの、いわゆる化学物質です。その次に出てきたのが、「タンパク医薬」と呼ばれる分野です。これは、タンパク質を動物に作らせたり、あるいは細胞に作らせたりして、それを薬として活用するという考え方で、今では何十兆円規模の巨大な市場になっています。
そして近年、新たに登場してきているのが「細胞医薬品」の領域です。私たちの身体はすべて細胞でできています。その細胞自体を薬として使うことで、これまで治療が難しかった病気に対しても、新しい可能性が開かれつつあります。
その中でも、「体性幹細胞」や「iPS細胞」「ES細胞」などを用い、三次元の構造を持つ臓器を作り出していく、そういった研究領域が、今まさに広がってきています。
●はっしゃん
すみません、質問してもよろしいでしょうか?
iPS細胞についてですが、たしかノーベル賞を受賞された山中教授が開発された万能細胞ですよね。先日、大阪万博でiPS細胞を用いた臓器の展示を見学して非常に感銘を受けました。御社はこのiPS細胞を活用して医薬品を開発している企業と理解してよろしいでしょうか?
■ヘリオス 鍵本様
おっしゃる通りです。当社では、iPS細胞を用いた医薬品の研究開発を行っております。また、iPS細胞に限らず、骨髄由来の細胞を用いたパイプラインも展開しています。すなわち、両方のアプローチを並行して進めている企業です。
●はっしゃん
なるほど。それは非常に興味深いですね。今後のご説明も楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。
■ヘリオス 鍵本様
ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、新しい医薬品がどのくらいの成長可能性を持っているかについて、ご説明します。
実際にさまざまなレポートが世の中には出ておりまして、それによると、再生医療や遺伝子治療を含む市場全体の規模は、2030年に約6.8兆円、2040年には12兆円に達すると見込まれています。この中でも、細胞医療が占める割合は非常に大きいと考えられており、当社としてもこの成長分野でリーディングカンパニーとなることを目指して、これまで経営を進めてまいりました。
さて、その中で「どのような細胞を使って治療を行うのか」という点についてですが、先ほどご質問いただいたとおり、iPS細胞を使うことで多様な細胞をつくることが可能になります。万博などでも展示をご覧になった方も多いかと思います。たとえば、iPS細胞から心臓の細胞を作ることができますし、当社では目の網膜の細胞なども対象としています。こうした細胞を使った治療薬が、当社の柱のひとつです。
もう一つの柱が、健康な方の骨髄から採取した細胞を大量に培養・増殖し、それを医薬品として使うというアプローチです。特に急性の疾患、たとえば脳梗塞や重症肺炎といった、急に発症する病気に対して、この細胞を投与することで回復を促すという治療になります。
このように、当社では「iPS細胞を使った再生医療」と、「骨髄由来細胞による急性疾患への治療」という、2つの領域を両輪として進めております。
●はっしゃん
御社では、脳梗塞の治療薬の開発にも取り組まれていると伺いました。
実は私の父も、数年前に脳梗塞を患いまして、1ヶ月ほど入院した経験があります。救急車で搬送され、幸いにも退院することができて、何とか歩けるまでに回復はしたのですが、やはり身体に不自由が残りました。そのときに強く感じたのが、脳梗塞にはなかなか有効な薬がないということでした。
そうした背景もあって、投資家として、脳梗塞などで困っている方や、回復を心から待ち望んでいる方が多くいることを強く意識するようになりました。そのため、御社のように、そういった医療課題に真正面から取り組んでいる企業には、非常に関心を持っています。
あらためてお伺いしたいのですが、御社が手がけておられる事業の中には、そうした分野の開発も含まれているという理解でよろしいでしょうか?
■ヘリオス 鍵本様
はい、そうです。当社が現在取り組んでいる中で、最も商用化に近づいているパイプラインが2つあります。
1つ目が「重症肺炎」に対する治療薬です。これは、皆さんもご記憶にあるかと思いますが、コロナ感染が重症化し、最終的に亡くなる方の多くが発症していたARDS、急性呼吸窮迫症候群と呼ばれる病態を対象としています。このARDSに対する治療薬の開発を進めており、現在は承認申請に向けた準備を本格的に進めている段階です。
そしてもう1つが、まさにご質問のあった「脳梗塞」です。こちらについても、現在、規制当局とさまざまな協議を重ねているところです。
過去に実施した治験のデータによれば、脳梗塞の発症後に当社の細胞を静脈注射、つまり点滴で投与したところ、1年後の時点で「介護を必要としない状態まで回復した方」の割合が、統計学的に有意な差をもって改善されたという結果が出ております。
●はっしゃん
そうなんですね。
■ヘリオス 鍵本様
はい。ここが非常に重要なポイントになります。脳梗塞において、もちろん理想を言えば、すべての後遺症がなくなることが一番良いわけですが、現実的に考えて、いま社会で非常に問題になっているのは、介護に携わる人が足りない中で、高齢者がどんどん増えているという現状です。そのような中で、脳梗塞の患者さんが、自分でしっかり生活できる状態まで回復するかどうか。その割合をいかに増やせるかという点が、社会的にも極めて大きな意味を持っていると思っています。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(3)に続く
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