フォーバル Research Memo(3):中小企業・自治体のGDX・ESGを支援(1)
フォーバルは、中小企業と自治体を対象にしたGDX・ESGを支援する事業を展開しています。フォーバルビジネスグループでは情報通信コンサルティングや経営コンサルティングを中心とした多様なサービスを提供し、特に可視化伴走型経営支援サービスが主力です。 このサービスは、情報・想像・アイデアなどを基にした支援の提供に重点を置いており、定期訪問やリモートサポートなどを組み合わせた特徴的なアプローチを取っています。新たにリリースされたクラウド型勤怠管理システム「HRMOS」や業務効率化を支援する「PPLS」なども含まれ、これらは働き方改革の実現をサポートします。 さらに、「F-Japan構想」として多くの自治体と連携し、地域でのDX推進を図っています。同社の自治体への専門人材派遣は20自治体以上に及び、この構想が企業ブランドの向上にも寄与しています。
1. フォーバルビジネスグループ
フォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。主力事業は、経営コンサルティングである可視化伴走型経営支援サービスと、創業以来手掛けているビジネスフォンの販売をはじめとする情報通信機器やOA機器の販売だ。情報機器や通信サービスでの接点から可視化伴走型経営支援サービスである主力のアイコンサービスへ導き、さらにより上位の可視化伴走型経営支援サービスである次世代経営コンサルティングでより深い解決策を提案するという一連の流れで、中小・小規模企業の多様なニーズに対応する体制を整備している。同社のコンサルティングの特色は5分野(情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継)と3手法(売上拡大、業務効率改善、リスク回避)に整理される。2025年3月期は、成長戦略として中小企業の「ESG経営を可視化伴走型で支援する」を掲げ、人材投資や営業開拓を積極化している。
2025年3月期第3四半期は、可視化伴走型経営支援サービスが成長したほか、新たに連結したグループ会社の寄与などにより、売上高が26,159百万円(前年同期比12.4%増)、セグメント利益が1,500百万円(同42.4%増)と大幅な増収増益となった。
2. 可視化伴走型経営支援サービス(旧 アイコンサービス)が特徴
同社の最も注目すべき事業は、2008年に提供を開始した「アイコンサービス(現 可視化伴走型経営支援サービス)」である。「アイコン」の「アイ」は、information(情報)、imagination(想像力)、idea(アイデア)、identity(独自性)、intelligence(知力)、innovation(革新)などを示し、これらを起源として始まったコンサルティングサービスである。定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。
可視化伴走型経営支援サービスの基本構成は、「よろず経営相談」サービス、定期訪問や通信技術を使った遠隔サポート、パソコン・ネットワーク状態監視サービス、各種アプリケーションの問い合わせサービス、顧客専用サイトとなっている。また、メニューとして、経営コンサルティング系、個人情報管理系、パソコン・ネットワーク系、スマートフォン・パッド系、ホームページ系、電話系、コピー系といった幅広いサービスを提供する。現在の一般的な可視化伴走型経営支援サービスの顧客単価は月額20,000円程度からとなっている。ほかのサービスへの入り口と位置付けているため、設定金額は低めである。同サービスは、従来は自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。可視化伴走型経営支援サービスはそれ自体が利益率の高いサービスであることに加え、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。
可視化伴走型経営支援サービスの一環としてリリースされたものには、スマートフォンから簡便かつ安価に勤怠管理を行えるクラウド型勤怠管理システム「HRMOS(ハーモス)勤怠 by FORVAL」や、業務フローの見直し・マニュアル化を行い、ペーパーレス化・標準化で業務の効率性を高めるコンサルティングサービス「PPLS(ププルス)」などがある。これらは、働き方改革の大前提となる勤務実態の可視化とともに、より生産性の高い働き方への変革を支援する。追加メニューの増加は顧客単価の向上につながる。実際に1顧客当たり売上高(ARPU)は年々上昇している。顧客件数と顧客単価の両方の伸びが重なり、可視化伴走型経営支援サービスの事業規模は増加傾向で推移している。
3. 「F-Japan構想」:自治体との提携が本格化
同社は2022年に「F-Japan構想」を打ち出し、地域でDX・GX人材が育ち、地域内で働ける環境を構築する“DX・GXの地産地消”を推進してきた。「F-Japan構想」は産官学連携が基本であり、同社は地域ごとに拠点を設けてきた。2024年9月末現在、同社の支部数は47都道府県中33都道府県になった。「官(自治体)」との提携実績は累計で45案件、自治体へのデジタル専門人材派遣先実績は全国20自治体と、広がりを見せている。自治体のデジタル人材不足が背景にあるが、同社の過去の支援実績が好評で横に広がった面もある。「首長マガジン」(全国の首長のための情報交換誌)で同社プロジェクトの特定地域での取り組みが紹介され、同社と提携する利点の認知度は上がっている。自治体との提携は通常1年単位で見直されるが、リピート契約が多いことも、同社の役割の重要さを物語っている。「F-Japan構想」に多くの自治体が参画しているため同社の企業ブランドに好影響が生まれており、ほかの自治体や地域の中核企業との連携スピードが加速しているようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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