TKP Research Memo(2):貸会議室ビジネスを起点とする「空間再生流通事業」を展開し、高い成長性を実現
ティーケーピーは、貸会議室ビジネスを土台とした「空間再生流通事業」を展開し、高い成長性を実現している企業です。同社は不動産オーナーと法人ユーザーを結びつける独自のビジネスモデルで新たな市場を創出しています。コロナ禍で業績は一時的に縮小しましたが、最近の業績は回復しています。 今後の成長方針としては、需要回復を見据えた新規出店や増床、業務提携を進める一方、2023年2月には高収益モデル進化のためリージャス事業を売却しました。事業領域は主に「フレキシブルスペース事業」を含む5つに分かれ、アフターコロナを視野に多様なサービスラインナップの提供を目指しています。
1. 会社概要
ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とする「空間再生流通事業」を展開している。独自のビジネスモデルにより、遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。
2021年2月期以降、コロナ禍の影響により業績は一旦後退し、新規出店等も抑えてきた。また、2023年2月には需要回復を見据えた経営資源の集中及び高収益モデルをさらに進化させるべくリージャス事業の売却※にも踏み切った。ただ、足元業績はコロナ禍前の水準に戻ってきており、今後の事業拡大に向けた新規出店や増床をはじめ、業務提携にも積極的に取り組んでおり、成長回帰に向けて本格的に動き始めている。
※ 2019年5月にレンタルオフィス「Regus」等を展開する日本リージャスを買収し、貸会議室ビジネスとの親和性の高い短中期オフィス事業へも本格参入したが、ビジネスモデルをLight Capex(資本的支出の軽減)及びHigh Margin(高収益)へとさらに進化させるために売却に踏み切った。
事業領域は5つに区分されるが、「フレキシブルスペース事業」(貸会議室・ホテル宴会場・レンタルオフィス)をコア事業として、「ホテル・宿泊研修事業」「料飲・バンケット事業」「イベントプロデュース事業」「BPO事業」の周辺サービスを提供している。コロナ禍による影響を勘案し、周辺サービスについては一旦選択と集中を進めたものの、今後はアフターコロナを見据え、新技術との組み合わせを含めた多様なラインナップを提供することで、回復・拡大基調にある需要を全方面から取り込む方針だ。
2. 沿革
2005年に(株)ティーケーピーを設立、ポータルサイト「貸会議室ネット」と「貸オフィスネット」を運営開始し、1号店である「TKP六本木会議室」をオープンした。2006年~2007年には早くも、北海道・関西・九州・東北・東海に進出した。2008年には、(株)コンビニステーション(現 (株)コンステ)を設立し、低価格帯貸会議室の運営事業化を開始したほか、会議・研修のトータルサービスを提供開始し、単なる貸会議室だけでなく周辺事業にも展開を開始した。その後もビル管理事業、コールセンター事業、企業向けレンタル事業に参入した。2011年には、「TKPガーデンシティ品川」をオープンし、ホテル内宴会場の運営を開始した。2013年には(株)常盤軒フーズを立ち上げ、飲食サービスの内製化の強化を図った。また、同年には「レクトーレ」をオープンし宿泊型研修会場の提供を開始したほか、海外初施設をニューヨークに出店している。2014年に法人向け旅行事業のワンストップサービスの充実をさらに推し進め、札幌に「アパホテル〈TKP札幌駅前〉」をフランチャイズ出店し、会議室併設型ハイブリッドホテルの運営を開始した。2015年には伊豆長岡の「石のや」で旅館事業に参入、同社のブランドで最上級となる「ガーデンシティPREMIUM」を新設し、イベント・コンテンツ事業に参入するなど快進撃が続いた。2016年には(株)ファーストキャビンと資本業務提携契約を締結、簡易宿泊事業に参入した。2017年に入ると、東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、スペースマッチングサービスである「クラウドスペース」の運営開始(2022年8月にサービス終了。代替サービスとして「TKP貸会議室ネット」を運営)、(株)メジャースの子会社化(100%株式取得。現在は吸収合併済)によるイベントプロデュース事業への本格参入など、積極的な事業展開を進めた。また、(株)日経CNBCの「今年の優秀IPO企業」最優秀賞を受賞するとともに、「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2017ジャパン」において、同社代表取締役社長の河野貴輝(かわのたかてる)氏が日本代表※に選出された。2018年には直営会議室2,000室を突破した。2019年5月にはレンタルオフィス最大手の日本リージャスを買収し、短中期オフィス事業へも本格参入したものの、リージャス事業については2023年2月に売却した。
※ 2018年6月にモナコにて開催された約60ヶ国の代表起業家たちが集う世界大会へ日本代表として出場した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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