【エヌ・シー・エヌ】SE構法とは?法改正が追い風?著名投資家はっしゃん氏が田鎖社長に質問展開!Vol.4
エヌ・シー・エヌの田鎖社長と投資家はっしゃん氏が企業の成長展望について議論しました。田鎖社長は、構造設計の義務化を追い風に、売上と利益の両方を向上させる意欲を示しました。また、配当性向40%を維持しつつ、利益が増加した場合の増配にも前向きです。同社は富裕層をターゲットにし、合理的な判断をする顧客から厚い支持を受けています。将来的には、人口減少や少子高齢化社会を見越し、インバウンド需要や宿泊施設の拡大に伴う新たな市場への進出を目指しています。また、中古住宅の耐震化も重要視しており、事業の多角化によって安定した成長を図ります。
●はっしゃん
ありがとうございます。
理論株価についてですが、私自身も投資家であり、他の投資家に対しても企業価値について説明する際には、理論株価が上がることは売上や利益の増加を通じて社会に貢献していることの証であり、それが右肩上がりで推移するのが理想的な会社の姿だとお伝えしています。また、そのような成長企業の株価は、できるだけ安い時期に購入することが利益を出すための基本であり、これから理論株価が上昇する見込みのある企業を選ぶことが重要だと考えています。その観点から見ると、先ほどのご説明にあったように、構造設計の義務化などの追い風がある中で、エヌ・シー・エヌ様の理論株価が今後右肩上がりになる可能性について、確約は難しいと思いますが、どのような意気込みをお持ちなのかをお聞かせいただければと思います。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
もちろんです。この国の住宅や木造建築の耐震化をさらに推進していくためには、マーケットシェアを拡大していく必要があります。それに伴い、売上(トップライン)と利益(ボトムライン)も同時に上昇していくことになります。そのため、右肩上がりの成長を今後も継続していきたいと考えています。
●はっしゃん
ありがとうございます。前回の決算発表以降、株価が少し上昇していることから、おそらくですが、今後の好転を一部先取りしているのではないかと感じています。今後は、その結果として理論株価がさらに上昇するよう、引き続きのご活躍を期待しています。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
そうですね、住宅業界において、住宅そのものを販売する会社と、住宅を作るためのバックヤードを支える会社に分類すると、当社は後者のバックヤード側に位置していると考えています。これはIT業界にも通じる部分があり、ソフトウェアを開発する会社、チップを製造する会社、さらにそのチップを製造する機械を作る会社といったように、それぞれの役割があります。
●はっしゃん
わかりやすい説明をありがとうございます。私もITエンジニアとしてソフトウェア側に携わっていますが、最近ではAIやGPUなどの技術革新により、ハードウェアやその製造プロセスにも注目が集まっています。その点、エヌ・シー・エヌ様は、住宅分野において構造計算などの「縁の下の力持ち」として重要な役割を担い、この分野の進展の恩恵を受けられると感じました。
さて、次に配当や株主還元についてお伺いしたいと思います。先ほど、配当性向40%というご説明がありました。この理論株価チャートにも配当が反映されており、ピンクのラインが配当利回り4%ラインを示しています。このラインは、株価がそこまで下落すれば配当利回りが4%になることを示し、配当投資家や長期投資家の目安となっています。
エヌ・シー・エヌ様は、上場直後から配当を実施しており、配当還元への意識が非常に高いことがうかがえます。特に利益が順調だった2020年から2022年には増配も行われていました。一方、2023年から2024年にかけて利益が減少した際には減配となっています。このように、利益が増えれば配当還元が増加し、利益が減少した場合には配当も抑えざるを得ない状況にあることがわかります。そこで、今後利益を確保できた場合には、配当性向40%を基準としながら、さらなる増配が期待できると考えてよろしいでしょうか。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
はい。当社役員会としましても、社外取締役を含め、配当性向についてはしっかりと一定の割合でお出しする、そのことによって投資家の皆さんとの信頼、コミュニケーションをしていくつもりですので、この40%は変えない予定です。
●はっしゃん
ありがとうございます。最近、円安やインフレといった言葉をよく耳にします。インフレの影響で物価が上昇し、賃金も上昇する傾向にある中で、これがエヌ・シー・エヌ様のビジネスモデルに与える影響について気になりました。特に、資材価格や人件費の上昇がどのように影響しているのか、可能な範囲でお答えいただければと思います。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
インフレには良い面と悪い面の両方があると考えています。まず、資材価格の上昇は住宅を販売する当社のお客様にとってマイナスに働く場合が多いです。一昨年には「ウッドショック」と呼ばれる木材価格の世界的な高騰があり、価格が2倍になるという大きな影響を受け、多くの住宅会社が損失を被りました。このような背景から、インフレを歓迎するわけにはいかないというのが正直なところです。一方で、資産価値の維持という観点では、インフレにはポジティブな側面もあります。土地の価格や再販価格が上昇することで、住宅を購入したお客様が購入時の価格で転売できる未来に近づく可能性があります。そのため、当社としてはインフレを受け入れるにあたり、お客様とのコミュニケーションを通じて価格転嫁についての理解と合意を得ながら、この状況を乗り越えていきたいと考えています。
●はっしゃん
ありがとうございます。先ほどのお話では、御社のビジネスモデルが比較的富裕層をターゲットにしている部分が多いということでしたが、その点についてお伺いしたいと思います。やはり、価格転嫁に関しては、低価格帯よりも高価格帯の方が受け入れられやすい、あるいは還元しやすいといったイメージをお持ちでしょうか。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
富裕層と呼ばれる方々については、こういう表現が適切かはわかりませんが、非常に合理的に物事を捉える方が多いと感じています。価値の高いものに対しては適正な対価を支払うという考え方をお持ちです。そのため、構造計算においても、高い技術を持つエンジニアに対して正当な評価をしていただける傾向があります。特に「SE構法」は高付加価値の製品であるため、富裕層の方々から非常に良い評価をいただいています。今後もこのターゲット層を重視し、事業を展開していきたいと考えています。
●はっしゃん
最後の質問となりますが、御社のビジネスが人口減少や少子高齢化社会の影響をどのように受けるのか、特に中長期的な見通しについてお聞かせいただければと思います。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
日本では人口や世帯数がすでにピークアウトしており、今後、住宅の新築ニーズは減少していくと考えています。野村総研をはじめとするシンクタンクの予測によれば、現在80万戸以上ある新築住宅は、将来的に60万戸に減少するとされています。しかし、そのような状況下においても、当社が手掛ける耐震化は必要不可欠な事業であり、マーケットシェアの拡大を通じて、売上(トップライン)の成長を目指していく考えです。また、当社の技術は住宅だけに限定されるものではありません。今後は、インバウンド需要の増加や宿泊施設の拡大など、住宅以外の分野への応用を計画しています。これらの分野への拡張を積極的に進め、事業の成長につなげていきたいと考えています。
●はっしゃん
確かに、インバウンド需要の増加などを考慮すれば、たとえ人口減少が進んだとしても、構造計算を行った建築物の需要が増えていくことで、事業の拡大が期待できるということですね。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
中古住宅の流通も今後増加していく中で、これまで構造計算が行われていない建物をどのように耐震化するかという研究も進めています。そのため、必要とされる中古住宅でありながら、耐震保証がされた木造建築を増やしていくことは、当社にとっても重要なテーマだと考えています。
●はっしゃん
本日はありがとうございました。木造建築に関する耐震の仕組みや、これまでそのようなシステムが存在しなかった背景についてお話を伺い、大変勉強になりました。目からうろこが落ちるような貴重な内容で、とても有意義な時間でした。
今日のお話にあったように、木造建築による環境に優しい住宅が増えることは、日本や世界をより良くすることにつながると感じています。ぜひ、エヌ・シー・エヌ様にはこれからも結果でその価値を証明し、理論株価、株を右肩上がりに成長させてほしいと思います。そして、投資家の皆様にも利益をもたらす大きな会社へとさらなる成長を遂げることを期待しています。
■終わりのあいさつ
▲フィスコ高井
田鎖様、はっしゃんさん、ありがとうございました。最後に田鎖様、はっしゃんさんからごあいさついただきたいと思います。それでは、田鎖様からよろしくお願いします。
■エヌ・シー・エヌ田鎖
はい。本日は長時間にわたりご聴講いただき、誠にありがとうございました。当社は「必要とされる人に役立つこと」をテーマに、引き続き全力で取り組んでまいります。今後は、理論株価を上げ、結果でお応えするという目標をしっかりと意識しながら頑張りますので、よろしくお願いします。
▲フィスコ高井
ありがとうございます。はっしゃんさんはいかがでしたでしょうか。
●はっしゃん
大変良い学びの時間をいただきました。こうした志を持った企業が大きく成長していく様子を見守るのは、とても楽しみです。今後も業績がさらに向上し、会社がますます成長していくことを期待しています。これからも引き続き注目し、応援したいと思います。本当にありがとうございました。
▲フィスコ高井
それでは、これにて対談を終了とします。皆様、ご視聴いただきましてありがとうございました。
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