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日本和装 Research Memo(1):和装品の販売仲介会社、独自の販売方式で国内大手


*16:01JST 日本和装 Research Memo(1):和装品の販売仲介会社、独自の販売方式で国内大手 ■要約

日本和装ホールディングス<2499>は、和装品(主に女性用きもの)販売における国内大手の販売仲介会社である。独自の無料着付け教室や販売会、各種イベントなどを開催することで、着実な成長を遂げてきた。人口減による市場全体の縮小や新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて業績は伸び悩んでいたが、足元の業績は回復しつつある。

1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期連結業績については、売上高が4,504百万円(前期比5.6%減)、営業利益が393百万円(同6.2%減)、経常利益が352百万円(同10.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が172百万円(同27.0%減)となった。特別損失として創業者功労金50百万円を計上したことから当期純利益の減益幅が大きくなった。創業40周年を迎え、新たなイベント等を企画したこともありイベントや着付け教室の受講者数は増加したものの、顧客の消費マインドの冷え込み等による買い控えの影響により、減収減益となった。しかし、弊社では、来訪者数の増加は将来の購入増につながる要素であることから、必ずしも悲観する決算ではなかったと考えている。

2. 2024年12月期の業績見通し
同社は、業績予想については不確定要素が多々あることからレンジで公表しており、2024年12月期連結業績については、売上高4,600~4,700百万円(前期比2.1~4.4%増)、営業利益400~452百万円(同1.6~14.8%増)、経常利益358~406百万円(同1.9~15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益220~254百万円(同27.8~47.0%増)と予想している。増収となる要因として会社は、前期の着付け教室やイベントの来訪者数が増加したこと、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の法上の分類が5類へ移行したことでイベントや着付け教室への参加増が期待できること、新CMに著名な女優である冨永愛を起用したこと、今年の春期は新しいパターンである「お試し3回無料着付け体験コース」を展開していることなどを挙げている。同社のビジネスモデルは、売上高が上がるとともに利益も増加することから、この予想値を達成することは十分可能であると弊社では見ている。

3. 中長期の成長戦略:新市場の創出により成長を図る
同社では中期経営計画や定量的な数値目標は発表していない。しかし、業績拡大に加えて「新市場の創出(和装品(きもの)市場の拡大)」を目的として、付加価値の高いイベント・ツアーの企画に加えて独自のプライベートブランド「SOUCOLE(ソウコレ)」の展開、ECサイト「KAERUWA(カエルワ)」の開始、CSR活動として中高生に向けた「浴衣の着付け」出前授業の提供などを行っている。これらの活動により、将来の着物市場全体の拡大を目指しており、今後の動向が注目される。

■Key Points
・和装品(主に女性用きもの)の販売仲介会社。独自の販売方式で高シェアを維持
・2024年12月期の営業利益は前期比1.6~14.8%増の予想だが、達成は十分可能
・中長期では、独自のプライベートブランドの展開やEC事業の開始等で新市場の創出を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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