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NCD Research Memo(1):独立系のシステム・インテグレータ、2024年1月に商号をNCDに変更


*14:01JST NCD Research Memo(1):独立系のシステム・インテグレータ、2024年1月に商号をNCDに変更 ■要約

NCD<4783>(旧 日本コンピュータ・ダイナミクスが2024年1月1日付で商号変更)は、56年以上の歴史を持つ独立系のシステム・インテグレータのパイオニアである。「私たち一人ひとりが未来に胸をときめかせ、誰もが活き活きと輝ける社会をつくる」という思いを込めた、グループのパーパス「人の鼓動、もっと社会へ。」を掲げ、トータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を推進している。さらに、パーパスの実現に向けてグループが一体となり、ブランド価値向上・持続的成長を目指すという決意を込め、2024年1月1日付で商号をNCDに変更し、コーポレートロゴも変更した。

1. IT関連事業(システム開発、サポート&サービス)及びパーキングシステム事業を展開
IT関連のシステム開発事業(システム・インテグレーション)とサポート&サービス事業(サービス・インテグレーション)、及びITソリューションのノウハウを活用した無人駐輪場関連のパーキングシステム事業(パーキング・ソリューション)を展開し、経営の3本柱としている。56年以上にわたる豊富な実績で培った高技術・高品質サービス、ワンストップでサービスを提供するトータルソリューションを強みとしている。IT関連事業は大手優良企業との長期継続取引によって強固な顧客基盤を構築し、ストック売上比率が84%(2024年3月期第2四半期累計実績)に達し、安定収益構造となっていることも特徴だ。なお2023年12月に(株)ジャパンコンピューターサービス(以下、JCS)の株式を取得して子会社化した。同社をグループ化したことにより顧客基盤の拡大やキッティングなど新領域のノウハウ獲得を見込んでいる。パーキングシステム事業は電磁ロック式の駐輪場設置台数として国内最大級を誇り、2024年3月期第2四半期累計のストック売上(駐輪場利用料収入、駐輪場管理運営等)構成比は94%となっている。

2. 2024年3月期第2四半期累計は各事業とも伸長して大幅増収増益
2024年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比11.5%増の11,904百万円、営業利益が同75.2%増の900百万円、経常利益が同73.6%増の907百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同85.2%増の600百万円だった。各事業とも伸長し、人的資本投資による人件費の増加などを吸収して大幅増収増益だった。IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)では企業のDX投資などを背景として受注が好調だった。パーキングシステム事業では経済活動・人流回復に加え、価格改定や業務効率化の進展なども寄与した。セグメント利益率は同2.8ポイント上昇して7.6%となった。期初の社内想定の6.0%程度を大幅に上回った。IT関連事業は、システム開発事業の売上高が同12.9%増の4,903百万円でセグメント利益が同42.7%増の704百万円、サポート&サービス事業の売上高が同10.4%増の3,556百万円でセグメント利益が同10.1%増の367百万円だった。パーキングシステム事業は売上高が同10.9%増の3,429百万円でセグメント利益が同66.8%増の612百万円だった。セグメント利益率は同6.0ポイント上昇して17.9%となり、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)前を上回る水準まで上昇した。

3. 2024年3月期通期2ケタ増益予想据え置き、さらに上振れの可能性
2024年3月期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が2023年3月期比2.8%増の23,500百万円、営業利益が同17.1%増の1,400百万円、経常利益が同15.5%増の1,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同26.4%増の850百万円としている。全事業が伸長して増収、人的資本投資などを吸収して2ケタ増益予想としている。収益性向上を重視し、さらなる生産性向上や価格適正化など各種取り組みを推進する。セグメント別の計画は、システム開発事業の売上高が同4.4%増の9,650百万円でセグメント利益が同21.0%増の1,250百万円、サポート&サービス事業の売上高が同3.7%増の7,150百万円でセグメント利益が同14.2%増の803百万円、パーキングシステム事業の売上高が同0.4%増の6,700百万円でセグメント利益が同12.5%増の920百万円としている。上期の進捗率は売上高が50.7%、営業利益が64.3%、経常利益が64.9%、親会社株主に帰属する当期純利益が70.7%だった。弊社では、上期の利益進捗率が高水準だったこと、IT関連事業では企業のDX投資が引き続き高水準に推移すると予想されること、パーキングシステム事業の収益が想定以上に回復基調であることなどを鑑みて、通期会社予想は上振れの可能性が高いだろうと見ている。

4. 中期経営計画「Vision2026」で利益率向上に向けた変革を加速
中期経営計画「Vision2026」では資本コストと株価も意識した経営を推進する方針として、数値目標に最終年度2026年3月期の売上高260億円、セグメント利益18億円、セグメント利益率6.9%、ROE15.0%以上を掲げている。セグメント別の目標数値は、システム開発事業の売上高が110億円、セグメント利益が15億円、セグメント利益率が13.6%、サポート&サービス事業の売上高が80億円、セグメント利益が9億円、セグメント利益率が11.3%、パーキングシステム事業の売上高が70億円、セグメント利益が11.5億円、セグメント利益率が16.4%としている。また株主還元方針として連結配当性向の目安を30%以上とした。下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「中期経営計画「Vision2026」では、利益率の向上を重視して各種取り組みを推進するとともに、サステナビリティ経営を意識しながら、2032年のグループビジョン達成に向けて変革や新分野へのチャレンジを加速させたい。2026年3月期の目標値の達成は決して難しくないと考えており、将来的なプライム市場上場も目指して企業価値の向上を図っていきたい。そのために業績の向上だけでなく、IR活動も強化してメディアへの露出も増やしていきたい。」と意気込みを語っている。

5. 2024年3月期第2四半期累計の利益率向上を評価、中期経営計画の進捗に注目
同社は、パーキングシステム事業がコロナ禍の影響を受けて全社収益も落ち込んだこともあり、中期経営計画「Vision2026」によってさらなる収益性向上に取り組む意欲的な戦略を打ち出した。そして2024年3月期第2四半期累計には早くも、営業利益率が前年同期比2.8ポイント上昇するという成果を実現した。これは単にパーキングシステム事業の回復だけによるものでなく、従来から地道に実行しているプロジェクト管理・品質管理の徹底や生産性向上・業務効率化の成果だと弊社では高く評価している。さらに「AWSソリューションプロバイダー」の認定取得やJCSの子会社化などにより新領域への展開も視野に入れた取り組みも強化している。利益率向上に向けた変革を加速することで、中長期的に一段の利益成長が期待できると弊社では評価しており、引き続き中期経営計画に基づく収益性向上戦略の進捗に注目したいと考えている。

■Key Points
・システム開発事業、サポート&サービス事業、パーキングシステム事業が3本柱
・2024年3月期第2四半期累計は各事業とも伸長して大幅増益
・2024年3月期通期2桁増益予想据え置き、さらに上振れの可能性
・中期経営計画「Vision2026」で利益率向上に向けた変革を加速
・2024年3月期第2四半期累計の利益率向上を評価、中期経営計画の進捗に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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