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かっこ Research Memo(2):データサイエンスを軸に不正検知サービスを提供


*16:42JST かっこ Research Memo(2):データサイエンスを軸に不正検知サービスを提供 ■会社概要

1. 会社概要
かっこ<4166>は「インターネット・スマートフォンの普及に伴って変化する日々のなか、現状維持では企業が衰退してしまう。変化を推し進めなければ、新しい産業が生まれない。2000年代以降、低成長が続いた状況を打破したい」という使命感と「常に世の中の課題に対して自らを変化させながらも最初から最後まで携わり、データサイエンスの力でともに前進したい」というビジョンの下、2011年に創業した企業であり、2012年6月にリリースしたのが、不正注文検知サービス「O-PLUX」である。

同社が事業活動を主に行っている領域は、EC不正検知サービス市場である。創業以来培ってきたデータサイエンスに関する知見を強みに、ECで起こる様々な不正を検知するサービスをSaaS型で顧客に提供している。具体的には、ECにおける不正注文を検知する主力製品の「O-PLUX」、金融機関や会員サイトなどへの不正アクセスを検知する「O-MOTION」を展開しているほか、BNPL事業者などを対象に「決済コンサルティングサービス」、小売、流通、製造業など様々な業種の顧客を対象にした「データサイエンスサービス」など、EC市場を主戦場としながらもそれ以外の領域において事業を展開。データサイエンスの活用により、顧客が抱えるビジネス上の課題解決に貢献している。さらに、EC不正検知サービス市場、BNPL市場、EC市場と同社を取り巻く市場の伸びを取り込み、成長を加速させていきたい考えである。

2. 同社を取り巻く事業環境
(一社)日本クレジット協会が発表した2022年のクレジットカード不正利用被害額は過去最高の436.7億円(2021年は330.1億円)だった。その中でもカードそのものの盗難や偽造・変造を伴わず、クレジットカード番号などの情報だけで不正に決済された番号盗用被害額が411.7億円(同311.7億円)となり、クレジットカード不正利用被害額の94.3%を占めている。番号盗用されたクレジットカードは、非対面でのカード決済、番号を記入して利用できる場所で不正利用されるため、主にECサイトで不正に利用されている。つまり、クレジットカードの持ち主が意図しない不正利用がECサイトなどで多発していると言える。

一方で、経済産業省が実施した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、20.7兆円(前年19.3兆円、前々年19.4兆円、前年比7.35%増)だった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が強まる前の令和元年における市場規模を超えており、新たな生活様式としてEC化が進んでいることがうかがえる。市場が成長を続けるなかにおいて、複雑化しているクレジットカードの不正利用についても増大が続くと見られ、同社の主力サービスである「O-PLUX」などのEC不正検知サービス市場は拡大すると弊社では考えている。

クレジットカード決済の増加で決済手段の多様化が進むなか、世界では後払い決済サービス「BNPL」という支払手段が広がっており、国内においてもBNPL決済サービスの市場は毎年30%ほど成長し、2023年予測の約1.5兆円から2026年には同じく予測で約2兆円へとおよそ36.8%の伸びが予想されている分野となる。これまで事業者が後払い決済を導入するには、システム開発など数億円のコストや未払い対応などの運用ノウハウの蓄積などハードルが高かった。ただし、同社が2023年2月より提供を始めた「SaaS型BNPLシステム」では、後払い決済に必要な仕組みをパッケージ化し、システム初期費用を200万円に削減している。後払い決済事業者は、負担するシステム手数料以上の収益率を確保でき、その収益最大化に同社が貢献することで、市場の成長とともに同サービスの拡大が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)

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