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ラクオリア創薬 Research Memo(10):2019年12月期の黒字化達成に向け、蓋然性が高まった


■今後の見通し

1. 中期経営計画『Odyssey 2018』のローリング計画
ラクオリア創薬<4579>は2016年2月に、2016年12月期から2018年12月期までの3ヶ年中期経営計画『Odyssey 2018』を策定・公表した。同社の中期経営計画は毎年業績計画を見直す3ヶ年のローリング中期経営計画であるため、2017年2月に、2016年12月期決算や、動物薬の開発・発売スケジュールについての変更、各開発案件の進捗状況などを反映させて、従来の計画を見直した。

新しい業績計画では、2017年12月期と2018年12月期について従来から下方修正した一方、新たに策定した2019年12月期については営業利益以下について黒字転換の計画を公表し、同社の収益構造が大きな転換期を迎える見通しを明確にした。

また同社は、前述したテムリック社の子会社化により、2017年12月期から連結決算に移行する予定だ。2017年2月3日付でテムリック社を子会社化して以来、連結ベースでの業績予想について精査を進めてきたが、4月14日に連結業績予想のリリースが発表され、また、中計の業績計画も連結ベースへと修正された。

弊社では、今回の中計の業績見通し修正は、明確に“上方修正”だと評価している。連結業績予想と単独業績予想を比較すると、テムリック社業績は2017年2月期こそ、営業利益以下が損失となるが、2018年12月期には黒字転換し、2019年12月期には黒字額が拡大する見通しとなっていることが読み取れる。前述のようにテムリック社はすでにライセンスアウト先からのマイルストン収入や治験薬の供給で一定の収益を獲得しているが、導出先でTM-411の開発が順調に進めばテムリック社の黒字体質の定着と利益額の拡大が見えてくることになる。ラクオリア創薬本体も動物薬のロイヤルティ収入などによって2019年12月期に黒字転換する見通しとなっている。本体と子会社がともに黒字化することで、ラクオリア創薬グループとしての収益安定性がより強固なものになってくると弊社では期待している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



<NB>

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