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トラストテック Research Memo(9):MTrecはほぼ想定どおりの収益を確保。アジア地域で先行投資を実施


■トラスト・テック<2154>の業績動向

4. 海外領域の動向
(1) 業績の動向と事業環境
海外領域の業績は今2017年6月期2四半期に大きく伸長したが、これは言うまでもなくMTrec買収の効果だ。前述のように、売上高は前年同期比47.6倍の3,756百万円に急伸した。損益的にはのれんの償却に、今第2四半期は一時的費用が加わり営業損失となったが、それらの影響を除いた実力ベースの指標とも言えるEBITDAは135百万円で、売上高EBITDAマージンは3.6%に達した。

英国の事業環境はEU離脱(Brexit=ブレグジット)の国民投票があったものの、実態的は従来から大きな変化はなく好調が続いているもようだ。MTrecの業績も一時的な売上高の減少はあったもののおおむね想定どおりの貢献を示しており、2016年4月-9月期の売上高は3,733百万円で、為替レートの影響を除いた実質ベースで前年同期比20.2%となった。

(2) 2017年6月期第2四半期の主な施策
今第2四半期中における海外領域での施策として、英国ではMTrecの事業基盤強化がある。前述のように、英国では将来のBrexitの影響が懸念されているが、同社はMTrecがBrexit後も自立して成長ができるよう、日系企業を中心とした自動車業界等からの人材需要取り込みに注力した。

アジアにおいては将来の成長を見据えた先行投資を行った。具体的には、インドネシアで人材紹介を行う新法人PT.TRUST TECH ENGINEERING SERVICE INDONESIAを2016年9月に設立したほか、中国では、山東省で合弁会社の設立(2016年9月、持分法適用会社)に踏み切った。特に注目されるのは山東省の山東職信智達人力資源有限公司(通称Trust-Bridge。同社の出資比率は49%)だ。インドネシアの案件が当面は人材紹介や情報取集など将来に向けたリサーチ的要素が強いのに対して、Trust-Bridgeは実体的な人材派遣事業の拡大を志向している。Trust-Bridgeのライセンスが中国全土に有効である点も将来の発展可能性に期待を抱かせるものとなっている。現状では、早ければ2018年6月期から収益貢献してくると期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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