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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米中にらみも米製造業の回復に期待感


16日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米中貿易交渉の先行き不透明感から警戒の円買いに振れやすい地合いに変わりはない。ただ、今晩発表の米製造業関連の経済指標が予想を上回った場合、株高を通じてドル買いにつながりそうだ。トランプ米大統領は、ファーウェイなど中国の機器メーカーをブラックリスト入りするなど強硬姿勢を堅持しており、引き続き米中貿易交渉の行方に悲観的な見方が根強い。

15日の欧米市場では中国の低調な経済指標が蒸し返され、ドル・円は一時109円16銭まで下落している。その一方で、トランプ政権は自動車関税の導入に関し最大6カ月延期する方針を示しており、ドルは持ち直して取引を終えた。本日のアジア市場でもドルは下値の堅さが意識される。豪失業率の悪化を受け豪ドル・円が軟化した際、ドルは109円34銭まで売られたが、その後は下げ渋った。

この後の欧米市場では、米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が材料視されるとみられる。15日の米経済指標は小売売上高が低調となった反面、NY連銀製造業景気指数は強い内容となり、フィラデルフィア指数は製造業の回復を反映する可能性がある。その際には株高・ドル高の相場展開となる見通し。一方で、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事とカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の両ハト派当局者による講演が予定される。目先の利上げに関し慎重な発言が聞かれた場合、米長期金利は低下するものの、株価はプラス圏を維持しドルは売りづらい地合いとなりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・3月貿易収支(2月:+179億ユーロ)
・21:30 米・5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:9.0、4月:8.5)
・21:30 米・4月住宅着工件数(予想:120.9万戸、3月:113.9万戸)
・21:30 米・4月住宅建設許可件数(予想:129万戸、3月:126.9万戸)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.0万件、前回:+22.8万件)
・01:05 ブレイナード米FRB理事講演(経済と金融政策の見通し)
・01:05 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演(金利、金融政策、経済に関する会合)
・ユーロ圏財務相会合



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