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欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、ドル選好も米中協議などを注視


8日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を予想する。ユーロ圏経済の下振れ懸念が強まるなか、欧州通貨売りが続きドルは消去法的な買いが入りやすい見通し。ただ、米中通商協議の進展期待は弱まっており、円買いがドル・円の重しとなりそうだ。

欧州委員会が前日発表した2019年のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)の伸び率見通しは、前年比+1.3%と、昨年11月時点の+1.9%から比較的大きく下方修正した。世界的な貿易摩擦と中国経済の減速などが背景。欧州経済については、先月に国際通貨基金(IMF)も世界経済見通しのなかで悲観的な見方を示した。また、ブレグジットに関し、欧州連合(EU)側は英国側が求める再交渉には応じない姿勢を示しており、不透明感を増幅させている。それらにより欧州通貨売りが続き、ドル選好地合いとなろう。

ただ、ドル・円は底堅い値動きが予想されるものの、110円台に上昇後安定的に推移するシナリオは描きにくい。トランプ米大統領は中国の習近平国家主席と貿易政策に関する合意を目指して近く会談する方針だったが、通商協議の期限である3月1日までに会談する予定はないと言明。それを受け、来週北京で再開する閣僚レベルの米中協議進展への期待感は弱まり、リスク回避的な円買いに振れやすい。ドル・円は110円手前で足踏みが続きそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・22:30 カナダ・1月失業率(予想:5.7%、12月:5.6%)
・03:15 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が地区経済会合に出席




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