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欧米為替見通し:ドル・円は戻りが鈍い展開か、米利上げ期待低下と米中摩擦で


今日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。前週末に112円台に水準を切り下げたが、引き続き欧州通貨売りの影響でドル買いに振れやすい見通し。ただ、米利上げ継続期待の縮小や米中摩擦の激化で、ドル売り・円買いのフローも見込まれる。
前週末の海外市場で、連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長がテレビとのインタビューで、政策金利は中立的な水準に近づいていると指摘した。また、カプラン・ダラス連銀の総裁は別のメディアで、欧州と中国の減速で米経済が影響を受ける可能性に言及。当局者のやや悲観的な見解は引き締め継続期待を弱め、米10年債利回りは急低下。それを受け、ドルは112円台に売り込まれた。週明けアジア市場はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が米中の通商摩擦激化により、初めて首脳宣言の採択を断念する事態となったことが嫌気され、円買いに振れやすい地合いとなった。

一方、欧州通貨は引き続き売られやすい見通し。英国のメイ首相の不信任決議に思惑が広がり、政局の流動化を嫌気したポンド売りの基調に変わりはない。また、欧州委員会がイタリアの財政赤字を懸念し制裁手続き開始する見通しで、ユーロ売りにもつながりやすい。今晩はウィリアムズNY連銀総裁からタカ派的な発言が聞かれれば、ドルの買戻しが見込まれる。ただ、CMEグループが算出するFEDウォッチで12月利上げ観測が低下し、FRBの引き締め姿勢には懐疑的な見方が広がりつつある。また、米中対立を消化する動きも見込まれるため、ドルの112円での戻りは緩慢になりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・9月経常収支(8月:+239億ユーロ)
・24:00 米・11月NAHB住宅市場指数(予想:68、10月:68)
・24:45 ウィリアムズNY連銀総裁質疑応答




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