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NYの視点:米景気減速+インフレピーク観測も一時的現象かどうかを今後見極めへ


米供給管理協会(ISM)が発表した7月ISM製造業景況指数は52.8と、6月53.0から低下しパンデミックによる経済封鎖開始直後の20年6月以降ほぼ2年ぶり最低となった。しかし、予想52.0は上回った。また、活動拡大を示す50を26カ月連続で上回った。

重要項目である新規受注は48と、6月に続き2カ月連続で活動縮小を示し、一段と悪化。2020年5月以降2年ぶり最低となった。雇用も49.9と、3カ月連続で50割れ。しかし、6月からは改善した。支入れ価格は60.0と、78.5から大幅下落。20年8月来で最低となった。下落幅は過去最大。原油価格が6月に高値を付けたのち、低下基調にあることが価格の下落につながったと見られる。

■米7月ISM製造業景況指数52.8(6月53.0)

新規受注:48(49.2)
支入れ価格:60.0(78.5)
生産:53.5(54.9)
雇用:49.9(47.3)
入荷遅延:55.2(57.3)
在庫:57.3(56.0)
顧客在庫:39.5(35.2)
受注残:51.3(53.2)
輸出:52.6(50.7)
輸入:54.4(50.7)

先週発表された4−6月期国内総生産(GDP)速報が1−3月期に続き2四半期連続のマイナス成長となったためテクニカルリセッション入り。7月ISM製造業も2年ぶり低水準となったほか、インフレもピークに達した可能性が示唆されたため、連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げの必要性は低下した。一方で、企業は引き続き従業員が見つからないと、指摘している。さらに調査では、楽観的な見通しと、悲観的な見通しを比べた場合、その差は6対1と、前月の3対1から一段と広がっており、景気成長が保たれるとの見方もある。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、週末のTVインタビューで、インフレが潜在的な景気後退に比べてより大きな脅威であると強調。引き続きインフレ抑制を優勢とする姿勢を再確認した。パウエル議長は2023年も利上げを予想しているとしたが、市場はすでに来年の利上げを織り込み始めた。果たしてインフレの鈍化や景気の弱さが一時的にとどまるかどうかが今後、焦点となる。




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