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日経平均は8日ぶり反落、目先の利益確定で想定内の調整か


 日経平均は8日ぶり反落。155.89円安の22418.87円(出来高概算6億6000万株)で前場の取引を終えている。

 週明け3日の米株式市場でNYダウは続伸し、287ドル高となった。1日の米中首脳会談で米国が中国に対する追加関税の発動を90日間猶予することなどが決まり、貿易摩擦への懸念後退からアジア・欧州株が全面高となった流れを引き継いだ。一方、米長期金利の低下を受けて為替相場は1ドル=113円台前半から半ばと円安進行が一服。東京市場では米中貿易摩擦への懸念後退は前日に織り込み済みでもあり、本日の日経平均は40円安からスタートすると、下げ幅を広げる展開となった。前日までの7営業日で日経平均は計1067円上昇していたため、目先の利益を確定する売りが出た。

 個別では、任天堂<7974>が4%超安で前場を折り返したほか、昭電工<4004>、ファナック
<6954>、SUMCO<3436>、東海カーボ<5301>の下げが目立った。その他売買代金上位も三菱UFJ<8306>、ソニー<6758>、武田薬<4502>など全般さえない。トヨタ自<7203>は小幅に下げた。また、決算発表のピジョン<7956>や伊藤園<2593>、目標株価引き下げ観測の川崎船<9107>などが売られた。一方、日経平均寄与度の大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>、資生堂<4911>などは小じっかり。前日に好決算を受けてストップ高水準まで買われたトリケミカル<4369>は本日も大幅続伸で東証1部上昇率トップ。グレイス
<6541>やオロ<3983>も上位に顔を出した。セクターでは、海運業、石油・石炭製品、その他製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。半面、精密機器と空運業のみ小幅に上昇した。

 日経平均は3ケタの下落で前場を折り返したが、前日までの7営業日で1000円あまり上昇していたため、想定内の調整と捉えられる。米中の貿易戦争は「一時休戦」となったに過ぎず、先行き懸念が完全に払拭されたわけでないとの指摘は妥当だろう。また、過去最大級のIPO(新規株式公開)として注目される今月19日上場のソフトバンク<9434>は今週からブックビルディング(BB)期間に入っており、需要堅調のようだ。BB申込みのための資金確保を目的に、個人投資家から保有株の売りが出やすいところでもある。

 しかし、ひとまず米中摩擦への懸念が後退したことは年末高への期待を誘っているようだ。中国市場では上海総合指数が比較的底堅く推移しており、後場に入れば日銀による上場投資信託(ETF)買い入れが期待されるとあって、日経平均も押し目買いが入り下げ渋る展開となる可能性がある。チャート上では22350円近辺に位置する5日移動平均線を割り込まなければ、戻り歩調維持が期待されるところだろう。
(小林大純)


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