
【ソウル、北京、ベルリン、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、台北、東京 - 2025年7月15日】
主なポイント
・組み込み光インターコネクト(I/O)技術を搭載した半導体アーキテクチャの実装が、2025年に入り加速しています。
・銅線から光技術への移行により、消費電力を抑えつつ帯域幅の拡大が実現しています。
・組み込み光モジュールの出荷量は、2033年まで年平均成長率(CAGR)50%で増加すると予測されています。
・OBO、NPO、CPOといった多様なI/Oソリューションの中でも、CPOはAIスーパーコンピューティングの拡張を可能にし、帯域幅の飛躍的な拡張と消費電力の削減によって、AIコンピューティングの最大の世代交代をもたらすと見込まれています。
・2027年までに、NPOとCPOの普及により統合売上高は前年比3桁成長を達成し、出荷容量全体に占める割合は2桁に達する見通しです。
・2033年までには、売上高と出荷容量の半分以上が統合型半導体光I/Oソリューションによるものになると予想されます。
・NVIDIA、Intel、Marvell、BroadcomはCPO分野をリードしていますが、その普及ペースは緩やかになる見込みです。
https://japan.counterpointresearch.com/embedded-optical-transmission-tech-arrival-of-cpo-set-to-deliver-ai-supercomputing-at-scale/
市場動向
カウンターポイントリサーチが発行した「シリコンフォトニクス(SiPh)およびコパッケージドオプティクス(CPO)レポート」によりますと、組み込み型または統合型の半導体光モジュールが普及し始めています。オンボードオプティクス(OBO)、ニアパッケージドオプティクス(NPO)、コパッケージドオプティクス(CPO)ソリューションの出荷量は、2033年まで年平均成長率(CAGR)50%で成長すると予測されています。
プラグ可能な光ソリューションは2016年から市場に存在していましたが、OBO、NPO、CPOといった統合型ソリューションの登場によって、特にAIシステムにおける処理能力が大幅に向上し、消費電力を大きく削減しつつ、より高い帯域幅を実現しています。これにより、AIクラスタリングの拡張に不可欠な高密度・高帯域幅のファブリックが実現可能になりました。
Semiconductor Optical Interconnect Shipments by Tech and Share of Total Capacity Shipped
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000325289&id=bodyimage1】
専門家の解説
カウンターポイントリサーチのアソシエイトディレクター、レオ・リューは次のようにコメントしています。
「これは、ADSLからFTTHブロードバンドへの移行がチップレベルで起きているようなものです。こうした速度と効率性の向上は、AIコンピューティングの新たなステージを切り開くでしょう。OBOは第一世代の試みであり、2023年にはApplied Optoelectronicsなどの企業の製品が幅広く採用されると予想されます。しかし、CPOはトランスポート層がほぼすべて光化されるため、真の変革をもたらします。」
CPOは、以下の点においてAIコンピューティングの世代交代をもたらすとされています。
GPUやアクセラレーターなどの重要なコンポーネント間において、超高速、低レイテンシ、「光速」のスループットを実現し、膨大な帯域幅の拡張を可能にします。
大規模環境での消費電力の削減が期待されます。
AIクラスタリングの拡張に必要な高密度・高帯域幅のファブリックを提供し、AIスーパーコンピューティングのスケーリングを実現します。
NVIDIA、Intel、Marvell、Broadcomは現在CPO市場をリードしていますが、普及速度は段階的なものになると見込まれています。
カウンターポイントリサーチのレポートでは、2027年までにNPOとCPOの普及が進み、統合売上高が前年比3桁成長を達成し、出荷容量全体に占める割合も2桁に達すると予測されています。さらに、2033年までには、売上高と出荷容量の半分以上が統合型半導体光I/Oソリューションによるものになると見込まれています。
Less Copper, More Optics: Evolution of Optical Communication
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000325289&id=bodyimage2】
リサーチアソシエイトのデイビッド・ウーは、次のようにコメントしています。
「銅線を減らして光配線を増やす動きは、OBOからNPO、そしてCPOへの移行に伴い、段階ごとに銅線の使用量が大きく削減され、非線形的な性能向上がもたらされます。世代間では最大80倍の性能向上が期待され、3D CPOによって現在のソリューションよりも最大80倍のパフォーマンスが発揮される可能性があります。」
銅線から光配線への段階的な置き換えは、単なるチップ性能の向上にとどまらず、AIスーパーコンピューティングの新たな可能性を拓きます。デイビッド・ウーは次のように締めくくっています。
「これは、スケーラブルなAIクラスタリングに不可欠な高速・高帯域幅のデータ転送を実現し、AIスーパーコンピューティング能力の民主化と拡張に向けた重要なマイルストーンとなります。」
カウンターポイントリサーチについて
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